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「自分に一致させる」という言葉からの学び

人事担当さんとデザイナーさんとの面談に同席した後。
「『自分に一致しない』ってなんだよ、
 クライアントの要望に一致させるのが仕事だろ。」
と、人事担当さん。
ちょうどエレベーターが来たので、話題を逸らした私。

おそらく、あのデザイナーさん、
クライアントの要望に一致させた上で、自分に一致したものを。
ということが言いたかったのだろうと思う。

最近「自分に一致させる」という表現を、リアルに聞くことが増えた。
従来、「違和感がある」という発言だったシーンの何割かが、
「一致しない」という表現に置き換わっている。

・・・

「一致しない」という言葉が、しっくりこない人も多いと思いますが、
私はその言葉を使う人に、なんだか好感を持ちます。

相手の提案を、つっぱねたり、否定したりしているのではなく、
あくまで自分の「こうありたい」もしくは「こうある」という「設定」と
相手の提案が異なるということを、誠実に説明しようとしている様子に見えるのです(もちろん全部が全部というわけではありませんが)

自分に誠実な彼らに学び直しをさせてもらっているようです。

彼らの言葉を借りると・・・
「自分に一致しない」仕事を引き受けて、
私はこれまで何度、失敗しただろう。。

依頼内容になんとなく違和感があり、できるだけ事前の説明を重ねてみたものの、結局クライアントさんにご満足いただける結果が得られなかったという経験を、会社員時代も、フリーランス時代でもしています。
(その節のクライアント様、本当に申し訳ありませんでした)

「低評価ボタン」が押されたような経験をする度に、反省するのですが、
何年か一度、「デザインの神様のお試し」みたいに、
そういう案件がやってくる気がする。。

自分の「違和感」の的中率の高さに負けたくないけれど、
当たる。。当たりすぎる、、

そして「自分と一致しないので」という言葉を聞いて、
「伝え方」とかコミュニケーション以前に、
自分の中の何かが「それ違うんですけど!」と感じている時、
私は「違和感」という言葉を使っていたらしい。
・・・と、改めて自覚したのでした。

どうやら、この自分の中の「一致しない」に逆らっても、
痛い目に合うだけらしい。(私の場合はですが)

・・・

「それ違うんですけど!」という感覚は、
「感情」というより「身体感覚」。

仕事に限らず、感情はポジティブなのに、
身体がついていかない場面、ありませんか?

私は、そういうことに鈍感だった時期があって(反省)
頭でこさえた感情を「正しい」と思って、
身体が「違うんですけど!」って言っている感覚を
無視し続けていました。
頭で考えたことが正しい、身体の訴えは「甘え」だと
していました。
(結果、過労でぶっ倒れたんですけど、笑)

・・・

「頭でこさえた感情」と書きましたが、
次に書くことは、カラーセラピーを受けてくださるクライアントさんから
改めて教わったこと。

詳しい説明は省略させていただきますが
「対話法」というワークがあります。

このワークを通して、クライアントさんの多くがおっしゃるのが、
「相手も、自分と同じように感じていて当然だと思っていました。」
ということです。

「普通、これくらいしたら、これくらい返してくれるだろう。」

という自分の中の条件設定が、自分の苦しみの原因だった。
という気づきで、アドラーさんのおっしゃる通り、
全て、自己責任なのですが。

親の言うことは正しい、先生がおっしゃることは正しい、
と言う社会の中に放り込まれただけなのに、
全部自分のせいって、つらい。と言うのも人情ですよね。

幼い頃から、親の顔色(どんな反応をするか)を伺い、
テレビや映画、漫画やアニメに登場する人々の感情表現を、
自分が実際に体験したものでもないのに、さも自分ごととして
インプットし続け・・・
「こういう場合には、こういう感情になって、こういう表情になる。」
という設定を膨大にしている私たち。

私も、なんだかんだ、条件設定して、イライラしてたな。
と、我が身を振り返ったのでした。

・・・

最後に、メンターをしているデザイナーさんたちからも、
学び直しさせてもらっていることを。

「自分が携わっている案件と、自分が一致しない。」

と話してくれるデザイナーさんも多い。
以前であれば、「もっとこういう案件を担当したい」とか、
好きなジャンルのデザインを希望する会話だった場面で、
例えば「自分のライフスタイル」に合致しない商品の広告デザインをすることが、しんどくなってきている。と訴えてくる。

(わかる。。)

(私が若い頃それ言ったら、先輩から何か投げつけられたと思うけど)

急に、「0」か「100」ではなく、
少しずつ、自分と一致させていく旅が始まったのだと、
捉えてもらえないでしょうか、とお話ししています。

それは、自分自身にも言い聞かせていることで、
私もその旅の途中です。

・・・

「夢物語」だよ、と言われそうですが。
「もしかしたら」と思っています。

私は「会社」または「仕事」に
自分を合わせることが常識の時代を通ってきましたが、
もしかしたら、将来は。

自分に一致したことが「仕事」になる。

誰かに、何かに合わせたり、正解があった方が
ラクだし、安心だと思うかたは、スルーしてください。

「自分に一致」と言うのは、
「好き」とか「嫌い」
「映える」とか「評価される」
などではなく、

自分の「感覚」に一致させる。
ということなので、
とても難しいし、とても簡潔だろうということ。

自分に一致している気持ち良さが得られると、
他の何かで紛らわす必要がなくなるので、
シンプルになるみたいです。
私もまだ道半ばですが、
荷物がどんどん減っていくこの旅(比喩です)が
気に入っています(びっくりなこともあって、退屈皆無w)

だから「自分に一致する」ことに
向き合っている人たちを、心から応援しています。

時に、やり方を間違って孤立してしまったり、
「わがまま」との区別がつかなくて、
混乱してしまうこともあると思うのですが、
ゲームだと思って、楽しみましょう〜
・・・と、何度もステージクリアできずに
あれこれ失敗している私が言う?って感じですが(笑)

失礼しました^^


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