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【小説】胡蝶の夢(Ⅳ)

 霜川駅に着いた。小さなターミナル駅の前のさびれた商店街はもう真っ暗だ。眠りこけた街にしんしんと雪が降る。明日の朝はかなり積もりそうだ。長く厳しい冬が始まる。
 聞き慣れたクラクションの音に振り返ると、カンジのバカでかい四駆がとまっていた。

 「どうだった?」
 カオリが助手席に乗り込むや、カンジは土産話をせがむ子どものように聞いてきた。
 「いろんなことがあって、今はうまく言えない。いつか話すわ」

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1,054字

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