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【小説】星に恋して(Ⅳ)

 私は霜川駅には戻らず、最寄りの無人駅から帰ることにしました。久しぶりに訪れたカオリとの思い出の場所は記憶よりもずっとちっちゃく、今にも雪に埋もれてしまいそうでした。
 私は待合室でダルマストーブにあたりならが列車を待ちました。カオリがいつも本を読んでいたそのベンチは堅くひんやりしていて、カオリは何だってこんな心まで冷え冷えしてくるような寂しい所が好きだったんだろう、そんなことに思いをめぐらせながら時刻表に目をやると、列車到着まであと七分です。

 その瞬間、ガラッと勢いよくドアが開きました。
 「あっ」
 「よお」

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2,096字

青春の光と影、愛と孤独、そして死――北海道の札幌郊外や空知地方の美しい自然を背景に、ティーンエイジャーである2人のカオルと1人のカオリが織…

公開中の「林檎の味」を含む「カオルとカオリ」という連作小説をセルフ出版(ペーパーバック、電子書籍)しました。心に適うようでしたら、購入をご検討いただけますと幸いです。