愛猫あおばのこと

ペットの病気、死に関する備忘録になります。苦手な方は✕ボタンお願い致します。




3月初旬。
血液検査の結果下されたのは、「腎不全」。すでにステージⅢだった。人間で言うところの人工透析が必要なレベルらしい。元気がなく、食欲も減退していたキジトラ白のオス猫青葉(あおば)。医師曰くは、「長く1年生きられる子もいます。」
1年なのか、と思った。

そこから腎臓の薬を毎晩飲ませた。あおくんはうちの猫で唯一抱っこさせてくれる子だったので、嫌がりはするもののなんとか投与出来ていた。点滴は週1回通わせ、1ヶ月に1度血液検査もした。ただ、検査するたび数値は悪化していた。

点滴のかいあってか、あおくんは元気を取り戻す。食欲も戻ったように見えたが、体重は減り続けた。

5月、検査結果が悪いため点滴を週2回に増やし、頑張って通院させた。あおくんにとってはストレスだったと思う。体重も戻らない。色んなエサを試した。食べてくれるならおやつでもチュールでもなんでもよかった。母とはあおくんの治療方針について何度も話し合い、「無理な延命はしない」ということだけを決めていた。このときはまだ、「なんとなくだけどあおくんはこのまま生きてくれるのではないか」と思っていた。

6月頭、同居する母が2泊3日の旅行に出かけた。私ひとりで猫3匹の世話をしていたが、夜は仕事で家を空けなければならない。あおくんが心配で仕方なかった。母が帰宅した日の夜、妙に寝る時間の長いあおくんを見て、深夜に大泣きしてしまった。気が張っていたのだと思う。
あおくんはじっとすることが増えた。食欲もない。元気だった頃より1キロも落ちてしまった。母と相談し、点滴を週3回に増やした。薬も飲ませた。医師から勧めたられた注射も打った。でも、中旬に行った検査結果は、悪かった。医師は言う。「この数値でここまで元気なのが不思議なくらいで、いつ尿毒症を起こしてもおかしくはない。」悲しかった。

6/15。あおくんは食事を全く摂らなくなった。身体も辛そうで、毎朝起きるたびにもしかしてと思い、仕事中も気が気ではなかった。帰ってきてまだ呼吸をしているあおくんを見て、ほっとする日々が続いた。日に日に元気をなくし、動くことが少なくなった。それでもまだ、水は飲むしトイレにも行っていた。時間が進むのが怖かった。母と決めていた延命についてもブレ始める。1日でもいいから、どうにかして生きていてほしいという気持ちが強まっていた。

6/29。朝起きるとずっと寝床に入って寝ていたあおくんが床で横たわって寝ていた。身体を折りたたむのが辛かったのだろうか。立ち上がる筋力はもうない。上半身を起こしてあげて水を飲ませるが、ほとんど飲めなかった。あぁ、もうここまでかと思った。むしろ、水だけで2週間も生きた。母とあおくんの生命力の強さに感心し、泣いた。その日はあおくんをひとりにしたくなくて、母が寝室に連れていき一緒に寝ることにした。

日付が変わって6/30、午前2時半。あおくんの様子が変わり母が起きた。二人で見守った。夫もかけつけた。眠るように、あおくんは静かに息を引き取った。悲しくてどうにかなりそうだった。それでも、あおくんは頑張ったのだ。その日は仕事に行った。帰ってきて、動かないあおくんの前でただぼーっとするしかなかった。今度は私が寝るときに寝室に連れていき、手を握って寝た。あおくんが元気に走り回る夢をみて、泣いた。

7/1。自宅前で火葬と拾骨をしてくれる業者は19時に来る。ずっとあおくんを撫でた。どこにも行かないでほしかった。それでも時は来てしまう。専用車の火葬台に載せられたあおくんとの別れのとき、咽び泣いた。立っていられなかった。家に戻りあおくんを包んでいたブランケットを抱いて、大声で泣いた。1時間ほど経ち様子を見に行くと、ちょうど拾骨のタイミングだった。予約ではスタッフに拾骨を一任していたが、特別に、ということで母と二人で骨を拾った。小さい骨も残さず、綺麗に納めてくれたスタッフには感謝している。納骨はまだしないつもりでいる。リビングのよく見えるところに、写真と一緒に置いている。寂しくてその前で座り込んでしまうけど、私にはまだ守らなければならない猫が2匹いる。前を向かなければならない。


昨年5月下旬に、多頭飼育崩壊の末、保護施設からやってきたあおくん。年齢は10歳くらいではないだろうかと医師から言われていた。抱っこさせてくれて、私の仰向けのお腹の上に乗って寝ることもあった。鳴き声が可愛かった。カラスの動画が好きだった。帰宅時にはお迎えしてくれることもあった。台所に立つと足元に擦り寄ってきた。茶色と白の被毛は柔らかくて、青色の首輪が良く似合っていて、ピンクの肉球と鼻が愛らしかった。私は、あおくんが大好きだ。かけがえのない、大切な存在だった。1年と1ヶ月しかいられなかったけど、私はあおくんのことを忘れるとはないだろう。

天国には祖父母がいる。あおくんを可愛がってくれるといいなと思っている。

あおくんが我が家に来てくれて本当に良かった。
ありがとう、あおくん。




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