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クレヨンしんちゃんの映画を観てきたゾ!

映画クレヨンしんちゃん

しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司

の感想

若者の貧困などの暗い社会情勢をテーマにし、
「この国に未来はないなんて大人の妄想だぞ!」
こんなキャッチフレーズを掲げたこの映画

どんな答えをくれるんだろう?と期待した!

が、
全体的に盛り上がりに欠ける内容で、
しかも鑑賞後ものすごくモヤモヤした

特にラストシーンは正直
は??
って感じ

登場人物
非理谷充は自分なりに頑張っていたが、
社会が変わり定職に就くことが困難になっている状態

そこに大人代表として
正社員、結婚して子持ち、マイホーム所有のひろしが言う
「頑張れ」

そしてその周りの大人も「頑張れ」

それに対して非理谷が「はい!」

自分が就職する頃は就職氷河期で大学新卒で派遣で働いた
数年働いた頃、リーマンショックによる世界的不況によって派遣終了した。
当時、派遣切りや派遣村という話題となっており、これからどうなるか不安であった
そんな時職場の40歳くらいの女性職員(派遣先の正社員)が私に向かって言った。
「就活頑張れ!」

派遣先のその会社は一部上場企業で
その地域では超有力企業

派遣社員として働いている頃、
その職場の人たちの中で「出来る人だな」と感じる人は正直少なかった
もちろん自分の未熟さゆえに気づけていないことも多いとは思う

ただこの人が正社員なら自分でもイイじゃんって思える人も多くいて
その当時の40代、50代くらいの人に多く感じた

ただ時代やタイミングが良かっただけ・・・

でも給料には圧倒的な差がある・・・

羨ましい・・・

そんなモヤモヤを感じながら働いていた頃の派遣切り
そしてあの言葉

定職を手にしているひろし側の人間からのあの言葉

「就活頑張れ!」

その言葉にただただムカついた。
非理谷のように「はい!」とはならなかった。

その女性は特別仕事で関わることもないし
仲良くもしていなかった人

そんな人がしかもヘラヘラした顔で寄ってきて
突然言ってきた「頑張れ」の言葉

「頑張った私は正社員です
頑張ってこなかったあなたは派遣
だから頑張りなさい」

ってことか!

今いる社員全員で入社試験を受け直して
それでも自分が選ばれないなら納得するんだよ

あなたが選ばれて
自分が選ばれなかったら認めてやるよ

でもそうじゃないじゃん
だからモヤモヤするんじゃん

時を経て
今自分は正社員の仕事につけている

派遣切りから5年以上かかった
何社も落ちた
勉強もした
パートで食い繋いだ

自分なりに
「頑張った」

その会社で10年以上働けている
結婚もした
子供にも恵まれた
家も買った

俺は運良く「ひろし」になれた

でもそれがいつまでも続くとは限らない
景気が好転する気配もない
今の若者にも低賃金で働かざるを得ない人もいる

私は自分なりに「頑張って」はいるが
それでも若者たちよりも優れているとは思っていない
優秀な若者はいる
優秀だけど働く場所がない人がいる

この映画は
そんな社会情勢を描いているんでしょ?

その結末が
「頑張れ」って・・・

俺なら言わない
絶対に

同世代の「一緒に頑張ろうぜ」ならわかる
条件一緒だから

でも上の世代から言うことだとは思わない

たぶん頑張ってるよ
非理谷くんも若者も

頑張ってもどうしようもない状況が
この映画のテーマにしたんじゃないの

自分にはどう解決すればいいかわからないから
結末を楽しみに観ていたよ

その結果が・・・
頑張れって・・・

結末を「頑張れ」にするくらいなら
ただただ楽しいしんちゃんを描いてほしかったな

この映画を観終わった子供たちの感想が
「楽しかった~」
だったことが唯一の救いでした。

理想的な父親像としてリスペクトしていた野原ひろし

私は
この映画の野原ひろしを忘れることにした。


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