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3LDK一人暮らしの話

3LDKの部屋に一人で住んで今年で5年になる。

以前住んでたのは1Kの分譲賃貸。比較的新しくて設備も綺麗で梅田まで電車10分で出られる便利な場所だった。そこにも約5年住んでたんだけど、物を増やす一方のオタクが5年も住めば1Kの収納は限界夜露死苦で、さらにはちょっとここいらで腰据えて独身生活を楽しみたいという意味合いでペットを飼う決意をした。

ということでペット可の物件探し開始。以前もお世話になった不動産屋さんでさっそく物件を見繕ってもらって、いくつかの候補の中に今住んでいる3LDKの部屋も含まれていた。だけど僻地だったので通勤時間がぐっと延びてしまうという点ですぐ候補から除外した。そしていくつか物件をピックアップして、その足で内見へ出向き、その時住んでたマンションのわずか4軒隣のマンションで手を打った。場所としてはほぼ同じなので環境の変化はない。広さはほとんど同じだけどペット可なので家賃は少々割高、まあ、それは致し方なかろうと目を瞑って契約書にサインをした。

が、その夜自分の決断は正しかったんだろうか…と悶々と頭を抱えた。確かに条件には当てはまってるけども、なんだかしっくりこない。候補で出してもらった物件の資料を見比べながら、通勤時間の一点で除外した3LDKの部屋が妙に気になった。だって、契約した1Kの部屋よりも3LDKの部屋のほうが家賃が安いんだもの。

あまりに悶々としてしまったので契約済みではあるけども改めて3LDKの部屋について情報検索。会社までの通勤路線、周辺環境、ハザードマップ、大島●るetc.検索すればするほど、この部屋アリでは?の気持ちが大きくなった。

そうなってしまったらもう居ても立っても居られず、翌日、契約書サインしちゃったけどもう1回考えていい?と不動産屋に連絡してみたところ、担当さんが良い人で、納得いくとこが見つかるまで迷ったほうがいいっすよ!と快諾。こういう対応をしてくれる不動産屋は信頼出来て良い。

気になる3LDK、実際に見てみましょということで現地訪問。昭和生まれのギリ新耐震基準物件だけれど、一応リノベ済みということで造りの古さはともかくとして、パッと見気になる箇所はなし。そして実際に部屋に入ってみるとわかる、圧倒的広さ!(そりゃそうだ)
前日に1Kの部屋を内見したこともあって、その広さに目眩がした。1Kの部屋と違って窓が多いので風がよく通るし、南向きで明るさもある。これは通勤時間を妥協すれば……住める!
通勤時間が延びると言っても、なんだかんだで片道1時間。関東だと通勤時間が1時間なんて普通、あるいは短い部類に入るのではないか。関西だって近郊にマイホームを持ってる会社員だとこのぐらい普通だろう。これまでが近すぎただけだ。

しかし、一人で3LDKに住むというのはアリなのだろうか。ペットを飼ったとて部屋が余るのは確実で、同じマンション内で噂になったらどうしようかとちょっと考えた。しかし同じように一人で暮らしてる人もいれば事務所として使われてる部屋もあるし外国人居住もOKというわりとなんでもアリな物件だったし、何よりもこの家賃で3LDKに住めるなんてこれを逃したらありえない、この後別の物件に内見に行ったとしてもこの広さの印象は上書き出来ないだろうということで、私は決断した。一人で3LDKに住む。

そんなこんなで住み始めた3LDK。間仕切りをひとつ外して2LDKにして使っているが、それでも余る部屋はオタク御用達のコレクターズルームとして様々なアイテムを並べて贅沢に使っている。友人を複数人泊めても問題ないし、飼い始めたペットも広い部屋を自由に走り回り、窮屈な思いは一切させていない。そして外出禁止、ステイホーム、リモートワークの世界になっても部屋が広いのでストレスが溜まるようなこともなく、室内での軽い運動も難なく出来る。ああ、部屋の広さは心の広さに直結するのかもしれない…と最近よく思う。

スタイリッシュでオシャレな部屋とは程遠いし、都会からも遠くて近隣にコンビニもなくて不便さはあるけれど、静かで緑も多くてのんびりと毎日暮らせる環境に満足している。なかなか思い切った決断だったが、5年前の私に拍手を贈りたい。

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