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スーパー銭湯にハマった話

きっかけは5、6年前、炎天下の名古屋で半日ほど時間を持て余し、暑くない場所で金をかけずに時間を潰せる場所はないかと暇つぶし場所を探してたどり着いたのがきっかけだった。

スーパー銭湯の存在はもちろん知っていたもののその時まで行ったことがなく、単に広めの銭湯だと思っていた私はその設備の充実っぷりに度肝を抜かれた。

もちろん手ぶら訪問でOKで、館内では飲食も何かサービスを受けたいときも財布いらずの後から精算でOK、食べ物の種類も豊富だしくつろぎスペースも畳の部屋もあれば座り心地の良いリクライニングソファもあり、さらには漫画や雑誌も読み放題と。日頃から行ってる人にとっては当たり前の設備ばかりかもしれないが、街の小さな銭湯にしか行ったことがなかった私には衝撃だった。カンカン照りの太陽を浴びながら露天風呂に入り、さながら南国のビーチかプールかの錯覚をしながらここは楽園か…?と心底思った。半日どころかもっとこの場所でだらだらしていたい!となり、この日以降一気にスーパー銭湯にハマる。

近所で行ける範囲にあるスーパー銭湯には積極的に出かけて行くのはもちろん、一人でどこか旅行に行くときはホテルではなくスーパー銭湯に泊まるという選択肢も出来た。元々私はユースホステルやカプセルホテルでも平気で寝られるタイプなので出来ることなのかもしれないが、特に東京などでは極狭でユニットバスのビジネスホテルに泊まるよりもうんと疲れが取れる。しかも、だいたいのホテルよりもスーパー銭湯で夜明かししたほうが安くつく。これを覚えてからというもの、旅行の際はホテルより先にスーパー銭湯の場所を探すようになってしまった。

スーパー銭湯で出会い、さらにハマったのは岩盤浴だ。岩盤浴はそれまでも利用したことはあったが、スポーツジムに併設されている小さなものでしか経験がなく、その時はその魅力がいまいちわからなかった。
しかしスーパー銭湯にある様々なタイプ・温度の岩盤浴を試してみたところ、以前経験したものとは全く違うスッキリ感を味わえた。

サウナは息苦しいし長時間入ってられないのであまり好きではないのだが、岩盤浴なら脱水を起こさない限りいくらでも入っていられる。個人的な好みは50℃前後のやや低温で、室内の電気も暗め、音楽は出来れば無音か流水音などが良い。暗くて静かな空間で温かい石の上に寝そべり、完全に「無」になる。瞑想に近いのかもしれない。10分もすると汗の玉が浮かび上がり、さらにじっとしているとサラサラの汗がざばざばと流れ出す。サウナのようにもう限界!と飛び出すことはないが、好きなだけ汗を流して自分がもういいというタイミングで外に出ると、冷却室に入らずともスッキリすることこのうえない。サ道の方々が言う「整う」はわからないが、私の中の「整う」はこれだと思う。

こうしてすっかりスーパー銭湯の虜になった私は隙きあらば各地のスーパー銭湯を巡り、行きつけのスーパー銭湯も作って月2回のペースで通っていた。何の予定もない連休などは連日通ったりもした。本音で言えば毎日通いたい。もっと近所にあれば毎日通ったに違いない。

それがこの有様だよ。

様々な対策をして営業していることは知っているが、必然的にノーマスクになる場所である。この世の中になってからも、各種宣言が出ていないタイミングを狙って何度か行ったが、変異種云々の話が出てからはもうさすがに行けていない。平日であればまだ人も少なく安心感はあるが、あいにく私はカレンダー通り、土日休みの会社員なのでファミリー層が多く混雑している休日にしか行くチャンスがない。

日常の疲れをリフレッシュ出来る最高の趣味を封じられて日々悶々としているので、ワクチンによる抗体も完成し、緊急事態宣言も明けたらまたすぐに通いたい。願わくば、また全国各地のスーパー銭湯を巡りたい。そしていつかおすすめのスーパー銭湯をこのnoteに記録したいものである。

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