大切な本⑩「コラム絵巻」

本に負けず劣らず、とまで言えるか自信はないけれど映画も大好きで、東京に住んでいた2000年代は毎週のようにあちこちの試写会に行ってた。ときには豪華なゲストの舞台挨拶があって制作裏話などが聞けたり、さすが東京、ミニシアター系や単館系の試写状も手に入ったりして本当に様々なジャンルの映画に出会えた。週末はDVDをまとめ借りして一晩に3.4作連続で観たり…この時代は映画界も勢いがあったし本当にたくさんの作品を観たなあ~。

 新作だけでなく「不朽の名作」を選ぶときは雑誌の映画評を参考にした。「CUT」「キネマ旬報」「SCREEN」にはじまり「CREA」の映画特集号、週刊誌の映画評欄などをチェックするのが日課に。この人が推すなら間違いない!と思える方のセレクトに頼っていたっけ。

 中野翠さんは雑誌の映画評も担当されていたが週刊誌の連載コラムも視点がとっても粋で、毎年発表される映画のベストテンも楽しみ。石川三千花さんとの共著もイラストがお洒落で、今思うと女性がエンパワメントされる映画もたくさん紹介されてて大いに影響された。

 町山智浩さんの映画評やベストテンはずっと追っているし、宇多丸さんのラジオの人気コーナーの語りは神芸の域。彼らがお勧めしていなかったら出会わなかった映画も数え切れない。「アンダーグラウンド」「トーク・トゥ・ハー」「ゴーストワールド」…20代のあの時だからこそぐっと刺さった作品たち。人生観をも変える出会いは本だけでなく映画にもたくさん。


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