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私はあなたが遅れるのが嫌なんです

最近、遅刻気味のこどもに、「おかあちゃんはUが遅れるのがいやなんだよ」と言っていて、あれ、これ、耳のどこかに残っている言葉だなと思いだした。特に高校のときによく母親に言われていた言葉だ。まんま言われていた。
親になって分かる、子どもの登校を促すなんとも言えない気持ち。いやー、人って年齢やステージによって変わるもんですねー。いまや私も早起きの人になってしまったわけだし。おそろしい。

そのほかにもあります。忘れ物はしていないか、歯を磨いたか、かゆいところは掻くな、食べこぼしたら自分で拭け。食器をシンクに持って行け。帰宅したら靴はそろえて、後から入ってきた人のジャマにならないところに置け。脱いだ服は洗濯機に。制服はハンガーにかけろ。

いやー、おそろしい。全部自分が言われてた言葉たちで、耳に残っているからか、またそのまま、自分が言ってるんですよ。

同じ遺伝子だから同じような苦手なものがあるのか、同じような育て方をしているから、同じようなことになっているのか。もしくは、ほかの家も同じなのか。これは全家庭が通る道なのか。

1人だったらいまだに私も食べこぼしてもそのままにしていて、服も脱ぎ捨てたまま、シンクにも洗い物を溜めていて、遅刻もし放題、朝も寝放題だったかもしれません。1人は気ままでいいのですが、わたしみたいなタイプは制限があった方が生活ができていくのでしょう。家族と暮らすことで、自分も気持ちよく生活できるようになる、という。

そう思うとありがたき家族であり、小言をいうのもまた余興かな、ありかなと。いまの自分も周りも気に入っています。

もうじき49歳の誕生日がやってくる、人生けっこう長いこと過ごしてきたおかんの「足るを知る」(=サントーシャ)コラムでした。

老人になってまたそれらを言われる側になる未来がやってこないとも限らない、回る回るよ、時代は回る。うちのこどもたちがそれらを言われなくなって、さみしくなってしまうというのはまた別のお話で。(→拾われた男を読んでて急に書きたくなったのでした)

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