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防災について考える【消防団のこれからpart②】

みなさん、こんばんは!

防災士のうさみです。

さて、今日9月1日は防災の日です。

昭和35年(1960年)に閣議の了解によって「防災の日」として定められました。この日付は、さらにさかのぼること、大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災にちなんでいます。

みなさんも、今日はテレビやラジオでいろいろと目にしたり耳にしたりとしたことと思いますが、改めて防災について考える一日だったのではないでしょうか。

さて、今日は、昨日に引き続き、先日総務省消防庁から、消防団員の処遇等に関する検討会の最終報告書が発表されたので、それ以前に示された内容を見ていきたいと思います。


消防団員の処遇等に関する検討会について

<消防団員の処遇等に関する検討会とは>
消防団員数の減少が著しい昨今、激甚化する災害に対応する消防団員の労苦に報いるための処遇の見直しや、今の時代に沿った団員確保のための方策を検討するために昨年12月から設置された検討会です。

なお、検討会の議事録等はこちらで確認することができます。委員構成をみますと、大学教授や現役の消防団長、自治体の首長等が名を連ねており、現場の声を聞こうという趣旨がみて取れます。また、この委員がこんな発言をしたのか、ですとか、検討会の中ではどのような議論がなされたのかと気になる方は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

最終報告の中身~幅広い団員の確保~

では、早速報告書の中身を見ていきましょう。

まず、こちらをご覧ください。報告書の公表と併せて示された、検討会のポイントがまとめられた資料になります。団員確保のための方策として、大きく4つの視点があることがわかります。

無 題

<4つの視点>
・平時の消防団活動のあり方
・消防団に対する理解の促進
・幅広い住民の入団促進
・装備等の充実

最終報告書では、中間報告でまとめられた処遇の改善と上記の4つの視点の計5つの項目からまとめられています。

処遇の改善については、前回の記事でご紹介していますので、今回は他の4つの視点を詳しく見ていきましょう。

◆ 平時の消防団活動のあり方
各市町村とも、より地域の実態に即した災害現場で役立つ訓練について引き続き幅広い団員や地域住民などの意見を取り入れつつ、積極的な検討を行うべきであるとされました。
・訓練の充実に当たっては、団員に過重な負担がかからないよう、真に必要な訓練を効率的なスケジュールで実施するなど、創意工夫を図るべきであること。
・操法は、団員が火災現場の最前線で安全に活動するために重要であることから、消防技術の習得といった操法本来の意義を徹底して訓練を行うことが望ましいこと。
・操法大会については、大会本来の目的を踏まえた適切な運営に努めるとともに、各主催者において点検や随時の見直しを行うこと。

◆ 消防団に対する理解の促進
地域の安全、安心に欠くことのできない消防団活動について、社会的理解を深めることが重要であることとされ、次のような方策を講じていくべきとされました。
・消防団の存在意義や役割、やりがいや処遇等が伝わる広報を展開させること。また、オンラインの加入フォームの整備SNSの積極的な活用について検討すべきであること。
・消防団のイメージをより良いものとし、社会全体で消防団を応援するような雰囲気を作っていくことが肝要であること。

◆ 幅広い住民の入団促進
被用者、女性、学生等は、今後の消防団運営において大きな役割を担う層であることから、各市町村は積極的な入団促進を行うべきであるとされました。
・被用者については都道府県による商工団体への働きかけ等、女性については女性用設備等の環境整備等、学生については学生消防団活動認証制度の導入等に取り組むとともに、将来の担い手育成として、少年消防クラブへの幅広い参加促進や高校生へのアプローチに取り組むこと。
・新たな社会環境に対応した団運営とするため、団内部での幅広い意見交換を十分に行うとともに、市町村や地域住民との連携等が必要であること。

◆ 装備等の充実
消防団の役割の多様化に伴い、活動内容に見合うよう装備を充実させることが重要であるとされました。
・災害対応時の安全確保に向けた取組を今後も継続的・積極的に行っていくこと。
・消防団活動に必要な知識や技術の習得は、消防団の役割の多様化に対応するため必要であるのみならず、ひいては消防団加入のインセンティブとなり、入団者数の増加にも資すると考えられることから、積極的に取り組むべきであること。


報告書を読んでみて

前回の処遇改善では、本当に団員確保につながる方策なのかと思うこともありましたが、この最終報告書ではオンラインでの加入フォームの構築やSNSの活用、操法の見直し、高校生へのアプローチなどいくつか画期的な事項がありました。

特に、操法・操法大会の見直しについては、昨今のネットニュース等のコメントでは中々に多様な意見であふれていましたが、今回見直しに言及され、今後を注視していきたい事項です。

なお、すべての事項で、消防団と市町村、さらには都道府県や国との連携が必要になっています。これからどこまで報告書の内容に即して取り組みがすすめられていくのか。必ずしも消防団員確保につながるかは何とも言えませんが、消防団員の処遇改善ややりがい向上にはつながると思いますので、絵に描いた餅にならないことを切に願います。


最後までご覧いただきありがとうございます。

大切な誰かを守るために、まずは自分の命は自分で守れるようになりましょう。

それではまた!

防災士 うさみ

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