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防災について考える㉕【釜石の奇跡~奇跡は軌跡から~】

みなさん、こんばんは!

以前、津波てんでんこについての記事を書きましたが、今回は東日本大震災以降、話題となった「釜石の奇跡」について考えていきたいと思います。

【釜石の奇跡とは】
東日本大震災の大津波が東北地方沿岸部に甚大な被害を及ぼしたなか、岩手県釜石市内の児童・生徒の多くが無事であったことを「釜石の奇跡」といいます。

なかでも、海からわずか500m足らずの近距離に位置しているにもかかわらず、釜石市立釜石東中学校と鵜住居(うのすまい)小学校の児童・生徒、約570名は、地震発生と同時に全員が迅速に避難し、押し寄せる津波から生き延びることができたのです。

これは、積み重ねられてきた防災教育が実を結び、震災発生時に学校にいた児童・生徒全員の命を大津波から守ったことにほかなりません。

実は、御存じの方も多いかと思いますが、釜石市内では、片田 敏孝氏(東京大学大学院情報学環 特任教授)指導のもと、数年間の防災教育プログラムを実施していたのです。


この中で、片田教授は子ども達に津波の知識を教えることだけではなく、自然に向き合う正しい姿勢を育てるため次のようなポイントに重きを置きました。

・大いなる自然の営みに畏敬の念を持て
・自らの命を守ることに主体性を持て

片田教授は、これらを子どもたちにわかりやすくするために「津波避難の三原則」というアクションプランを作成しました。

津波避難の三原則

1 想定にとらわれるな
例えば各地域で作成している「ハザードマップ」等に記載されている警戒情報は、「あくまで予想」と考えること。相手は自然でありどんなことが起こるか分かりません。自分の居る場所がハザードマップでは安全と判断される場所であっても油断してはいけません。

2 最善を尽くせ
一時的に避難した場所が決して一番安全な場所ではなく、その場所に留まることに固執せず、より安全な別の場所に避難できるかを考える、そのときに出来る最善をつくして避難行動をすることです。

また、年長の生徒が小さな子供たちの手を取って避難したこともあり、今自分に何ができるかを考え、行動することが必要です。

3 率先避難者たれ
通常私たちは「自分は被害に遭わないだろう」と考えがちですが、この考えを取り除き、率先して避難することです。「想定」に頼らず自分たちで判断するのは、とても難しいことです。しかし、いざというときには勇気を出して、行動することが重要なのです。


釜石市内の子どもたちは、この防災教育のおかげで、あの甚大な津波から命を守ることができました。

さて、このように考えると、日ごろの取り組みが、いざというときに奏功することが見えてきます。奇跡と呼ばれた出来事も、繰り返し繰り返し取り組んだ軌跡の先にあるのかもしれません。

いつ起こるかわからない災害ですが、いつ起こっても不思議ではありません。その時に適切な行動ができるよう、日ごろから備えておきましょう。



さて、今日はこの辺で。


最後までご覧いただきありがとうございます。
これからもひとりひとりの防災力アップに役立てればうれしいです!

ではまた!

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