新潟県教育庁に生徒指導課が新設
今朝の新潟日報一面に新潟県教育庁の「いじめ対策生徒指導支援室」が「生徒指導課」に格上げされるという記事が掲載された。(http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20190213450671.html)
2017年からの約2年間、私がスクールソーシャルワーカーとして委嘱を受けていた部署が格上げとなった形だ。多くの自殺やいじめ、虐待などの痛ましい事案に直面してきた立場としては、こうした形で「新潟県として対応していく」姿勢が明確に打ち出されたことには賛成する。
ただ同時に「課」が増えることで縦割りの対応が強まらないことも願ってやまない。行政の中で仕事をしていると、この縦割りによる分業の良さと悪さの両面を感じる。特に教育のように児童生徒あるいは保護者の利益に直結するような業務の場合、情報共有や迅速な対応は欠かせないため、悪さが目立つことの方が多いかもしれない。今後の動きを注視したい。
また、いくら教育庁や学校現場の仕組みを変えても限界はあるというのも率直な感想である。記事には教育委員の「教員と家庭、地域の連携が重要だ」といった発言や、スクールロイヤーなどの活用について花角知事の「外部のノウハウや力を教育界に入れていくことは有効ではないか」といった談話を掲載している。
4年間の中央区自治協議会の地域と学校部会座長や、PTA副会長・会長としての経験からも、家庭と学校の距離が広がりつつあるというか、言葉を選ばなければ対立構造まで生まれているのではないかと感じる場面がある。家庭も学校もそれぞれの責任と役割を果たしながら、目指すところは「児童生徒の健全育成」に他ならない。
例えば、今回の記事にあるようないじめの問題についても、国立教育政策研究所生徒指導・進路指導センター「いじめ追跡調査」(2013-2015)によれば「仲間はずれや無視、陰口」を「された経験がある」または「した経験がある」児童生徒の割合は9割を超えている。
我々大人もいじめは「どこにでもある」という事実認識を持ち、しかし「決してしてはいけない行為」であることを児童生徒に伝えるとともに、学校と家庭が対立するのではなく協力して対応し、児童生徒が自ら命を絶つようなことがないよう見守り、時には専門職の力を借りながら支援していく必要がある。絶対に、命は守らなければいけない。
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