5/12 劇団しようよ 「あゆみ」

5/12 14:00

最近、よくアトリエ劇研に来ている気がする。本当にここはなくなってしまうのだろうか、と不思議な気持ちに来る度になる。もったいないな、どうにかできないかな、なんてそんなことを考える権利も自分にはなさそうだけれど。

劇団しようよの「あゆみ」。本当は「TATAMI」との二部作?になっていて、そっちも見ようと思っていたのだけれど都合上無理になってしまって。残念すぎる気持ちで、この感想を書く。

実はweb上で、おそらく柴幸男さんのものであろう、というか絶対そうであろう脚本を読んでいた。たまたま見つけて流し読みした程度だったが、しようよさんの公演を見ていても「あ〜あったあった。そういうことよね」という部分が多少あった。他にも自分の頼りない記憶を辿ると、また違ったシーンもあった気がしたのだけれど、おそらく省いているシーンもあるのだろう。

全体的には、やっぱり役者さんがすごく素晴らしいなと思った。役としては女の子の役をおじさん達が演じるっていう、なんとも異質な演出で、それをなんともなく見せているのがすごくて。本当に違和感は全くと言っていいほど、感じなかった。最初にムキムキの人がそれをアピールしたりするのも、なんだか面白かったのを覚えている。

アフタートークではそのことを柴幸男さんに言われていて、大原さんが「そんなに寄せてない」と言っていて、ああやっぱりな、と思った。「もっとおじさんの自然観がでてても面白かったかな」っていう柴幸男さんの言葉にも納得。確かにそれはそれで絶対面白いわ。

役者が回り回っていく、この演劇。今はこの人が主役の女の子、次はあの人、次は、次は――――――それがものすごくスムーズで、上手くて、なんていうか、その切り替わるまでにある間、みたいなものも心地よかった。なんだかよく分からないんだけど、そうみたい。

途中からはお父さんへの感情移入が半端なかった。泣きそうになって、ちょっと泣いてしまうくらい、辛かった。娘を見つめているお父さん。まるで、自分がお父さんになったかのような気持ちになって。娘が彼氏を紹介しに来るシーンがあったんだけれど、そこでジーンとしたのは絶対そのせい。なんて演劇だ。性別を超えて感情移入させてくれるなんて。

ここまで書いても、やっぱり「TATAMI」は見たかったなあと思う。演劇は一度きり。再演とかそういう形になっても、また別ものだもんなあ。

(メモ帳参照)