愛情の量は限られている、でも◇

映画『ボス・ベイビー』にこんなセリフがありました。

「愛情の量ってのは限られてるんだ 愛は…ビーズと同じ」
「分かち合うのは無理なんだ 愛は俺たち二人分はない」

『ボス・ベイビー』より
愛はビーズと同じ

あの映画、「良く出来てるなあ」と思って観ていました。一人っ子の主人公に突然弟(?)が出来て、両親の愛情を横取りされて、最初は弟を受け入れられない(ボス・ベイビーの正体を知っていれば当然ですが…)けれども、紆余曲折を経て、弟に愛情を注ぐことができるようになる。兄弟を持つ親としては、最高のハッピーエンドでした。

でも、自分の中で少し気づいたことがあって、冒頭のセリフ、あれがもし「親に向けて言われたもの」だったとしたら?

最近下の子が生まれて、現在1ヶ月。まさに新生児育児に奔走させられています。当然、上の子(4歳)は放置気味。もちろん、こういう時に上の子を大事にしてあげなければ、というのはわかっているのですが、時間と手足は限られているので…心の中で「スマン!」と言いつつ、我慢してもらってます。

でもその時に、なんだかすごく寂しくなったんです。これは何の感情だろう?と考えた時に、「上の子にかまってあげられないことへの寂しさ」なんだという結論に至りました。これまでは、上の子に全力で愛情を注ぐことが出来ました。でも、下の子が生まれて、そうはいかなくなった。

実は最近、上の子が『ボス・ベイビー』にハマっていて、気がつけばリビングのテレビで流れている。そして、「愛情の量ってのは限られてるんだ」というセリフが出てきて、ハッと気付かされたわけです。「もう100%の愛情をこの子に注いであげることはできないんだ」と。

上の子、下の子、両方に100%愛を注いであげたい。それが理想です。でも、どうしても差が出るときがある。そういう時に寂しくなるのは、子どもだけじゃなく親もなんだなあということを、この映画と最近の生活から学びました。

映画では、冒頭のセリフは素晴らしい形で回収されます。これはぜひ本作を観てもらいたいのですが、現実として今我が家では、何とか二人に注ぐ愛情のバランスを取りながら、育児に奮闘する日々です。幸い、上の子は下の子を自分なりに可愛がってくれていて、そんな姿にも救われています。

早く二人で遊ぶのが見たいなあと思うのが、親としての願いです。

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