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20年くらい現実感消失症に陥っている(た)こと

『現実感消失症』
20年くらい患っていた症状に名前があるのを、ここ1年で知りました。
DSM-5では離人症・現実感消失症という2つを合わせているけども
私が感じるのは現実感消失症の方だけです。

離人症はよく聞くけれど、『現実〜』の方はあまり情報がないので
自分の症状を中心に書いてみたいと思います。

(1)現実感消失症とは

解離性障害のひとつ。
私の認識では、現実世界のストレスに耐えかねて
社会から自分を遮断してしまう状態。
一時的な解離は誰にでもあって、好きな人に振られたり、
ショックなことがあると、なんとなくぼーっとしてしまいますよね。
それが年月を経ても消えないのが解離性障害だそうな。(ざっくりいうと)

(2)症状と感覚

私の場合は突然始まります。
ぼーっとする感覚や耳鳴りがあり、解離しそうだなと感じる。

主観的な感覚で、表現するのがとても難しいのですが
普段の世界からいきなりゲームの裏面に引き摺り込まれたような感覚。
全ては同じだけれど、何かが違う感じ。

自分の体の中にぐいんっ!と潜り込んで
機械のコックピットのような場所から
外の世界を見ているような、
あるいは自分と世界との間に透明な膜ができて
外に直接触れられないような感覚です。

色彩は失われてセピア色になり、霧の中にいるような、
全体にモヤがかかって輪郭がボヤッとした状態になります。
音はノイキャンイヤフォンをした時のような、
うっすらと遠くに響いてる感じ。
自分の体の制御は難しく、倍速で動いているような、
それでいてスローに動いているような奇妙な感覚に囚われます。

体を動かすと、海中で泳ぐ時のように水の抵抗みたいなものを感じます。
頭の中では、状況を把握しようと脳みそがフル回転ですが
体がついてきません。

(3)発症時期と原因

始まりは中学生の時から。
元々てんかんの持病があり、解離はこれが原因だと思ってました。
実際に、てんかんで同じ症状になる人もいるらしく。
ただ今は、幼少期の逆境体験の結果として、
ストレスがかかった時に解離してしまうという
主治医の見立てが正しいかと考えています。
てんかん発作はもうずっと前から起きてないのに
現在でも負荷が重なると無表情・無感情な状態で
軽い解離になることがあるからです。

(4)困ること

たいていは一人でいる時になるのですが、
一度警察に呼び止められて解離してしまったことがあり
その時はとても焦りました。
話しかけられてもボーッとしてうまく答えられない。
出掛けに慌てて支度している時もよく解離しました。
ドライヤーの音などが引き金になることもあります。

3分くらいで元に戻るのでそこまで支障はないですが
気持ち悪いですよね。

この状態がずっと続いている方もいるらしく…
それはとても苦痛だろうと思います。

あと、解離性障害などの神経症で
生活に困難を抱えている人はいるはずですが
今の日本の年金制度では障害年金の対象になっていません。
仕事をしたくても症状のせいで働けない人はたくさんいるのかと。
これはどうにかならんのでしょうかね。。

(5)症状が落ち着いた理由みたいなもの

まだ寛解には至っていないし、
ストレスがかかると頭がフワフワーっとしまいます。
けれども「裏面に連れていかれる」ことはほとんどなくなりました。
それはカウンセリングで過去のトラウマを認識できたことが大きいです。
これまでは自分にPTSDがあることさえも知らずに
いろんなことを無意識に抑圧して生活していました。
それがうつ病をきっかけに、過去の逆境体験に気づいて
見つめることができたおかげで、酷い解離になることはなくなりました。

本人が気づいていないだけで、幼少期の傷付きを引きずっている人は
実はたくさんいるのかもしれません。

(6)まとめ

ここまで書いてきて思い出したのですが
ネトフリのStranger Thingsは現実感消失症に近いかもしれない。
被害者が無意識になって「裏側の世界」に連れていかれるやつ。
実際にはあれほど荒廃してたり恐怖はないけど
いつもの世界が一瞬にして変わるのは似ている。
脚本家は解離性障害とかPTSDに見識がある人なのだろうか…?

いずれにしても、
現実感消失症がどんな風に生活を阻害してしまうのか
少しでも共有できたなら幸いです。

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