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あなたがウツで休むことになったらすること

私は21年から適応障害と診断され仕事を休職しています。
記事作成時点でも休職中です。

勤務先が中小企業のため、人事は事細かに対応してくれず、症状と闘いながらネットで情報を集めました。今ではどうにかお金をもらいながら仕事を休むことができています。
今回初めてnoteを開始しました。同じような症状を持つ人がこれを読んで、煩雑な事務作業や様々な不安に悩むことなく安心して治療に専念してもらえたらと思い、公開します(本当は誰の役にも立たないことが一番ですが)。

なお内容は私の経験ベースです。人によって対応は異なると思いますので、人事や病院と相談しながら、また詳細はそれぞれのサイトも見ながら進めてください。

(1)もうムリっっ!!と思ったら

・精神科や心療内科の受診(産業医面談)
もしあなたが最近、尋常じゃないダルさやヤル気のなさを継続して2週間以上感じていたら、それは体からのサインです。おかしいと思ったら迷わず病院を予約しましょう。会社に産業医がいれば早めに受診しましょう。社会人ならこれくらい当たり前とか、会社に迷惑がかかるからとか、私たちは様々な理由をつけて休むことを後回しにしてしまいますが、診察が遅れれば遅れるほど病状は悪化します。私はおかしいと思ってから病院の扉を叩くまで3ヶ月かかりました。自分で作った理想像に縛られ、不必要な責任を背負いこんでいました。症状は日に日に酷くなり、自分が自分でなくなっていくようでした。苦しくて体が出社拒否をする場合もあるでしょう。そうなる前に医師に相談しましょう。どの病院に行けばいいかわからない方も多いと思います。私も通った病院はひとつだけなのですが、休職中のことを考えると以下3つは検討して良いと思います。

①自宅からあまり遠くない (電車移動はしんどい、交通費かかる)
②会社とは違う方角 (同じ方面だと出社する感覚になる)
③繁華街ではない (うるさい場所は落ち着かない)


(2)会社と話す前に…

通院を開始して2回目の診察の時、医師から休職の希望を聞かれました。私はこのままでは仕事を続けられないと思ったのでYESと答えましたが、そこからの展開は非常に早かったです。医師に説得され、メンタルボロ雑巾な中で会社に翻弄されながら、情報を集めて以下のことをやりました。

・診断書
まずは病院で診断書をもらいます。仕事を投げ出すようで心苦しいかと思いますがそれは反対です。自分の体より大切なものなどこの世に何もありません。誰もあなたを非難しません。
・就業規則の確認(休職制度、期間、給与支給の有無)
休職制度は法律で定められた義務ではない
です。全ての会社にあるわけではないので、自分の会社で休めるのか就業規則を確認しましょう。休める場合はその期間と給与支給の有無を調べてください。(大丈夫、給料はなくてもどうにかなります。)
・キーパーソン選び & しんどいアピール
今後会社との接点となる信頼できる人を決めておきます。直属の上司や、万が一上司が使えないヤバいやつorハラスメントの温床の場合は、信頼のおける別の管理職を捕まえましょう。その人に最近しんどいとこぼしたり、急に休んだりして空気を醸成するのも良いです。
・(ハラスメント等の)物証確保
もしあなたが長時間会社に拘束されていたら直近のタイムカードを、残念ながらパワハラやセクハラの対象となっていたら可能な限り音源や文章などを、手元に残しておいてください。ハラスメントの只中にいる方は、そんなことまで頭が回らないかと思いますが、会社と交渉しなくてはならなくなった際に物的証拠が助けてくれるかもしれません。私はパワハラで休職したのですが、証拠を残せなかったことが今でも心に残っています。ウツでの労災は原因が特定しづらく認定されにくいそうですが、僅かな可能性でも報われればと願います。
・引き継ぎ書類の作成
私はその時抱えていた重要案件のリストをコメントをつけて作りました。組織としてはありがたいですが、本人にはほんとに辛いことです。好意に好意の上乗せみたいな作業です。嫌ならやらなくていいと思います。できなくて当たり前です。
・デスク周りの整理
退職する気持ちで休職したので、1週間前から私物や捨てられたくない(社外秘ではない)資料を徐々に持ち帰りました。現時点でしんどさを抱えている人はこんな作業しなくていいです。

(3)会社との面談〜休職

・面談
私は上司に相談ベースの面談を複数行い、その後診断書を出しました。本当に辛いと思いますが、休みたいこと、そして休まなくてはいけない理由を「ハッキリ」と伝えましょう。配慮のない人物の場合、面談でさらに心が削られてしまうこともあります。休職を伝えるのが難しければ代行業者に依頼しても良いです。大切なのは自分自身の体調です。使えるリソースは全て使いましょう。
なお会社として突然の休職は困ることではありますが、事前に不調を匂わせておくと後々のことが穏便に進むかもしれません。医師の診断書は強力なので休職できないことはないと思います。あなたの健康が何よりも大事です。書類を渡して潔く去りましょう。
・連絡手段を決める
私は当日会社のスマホを置いて帰りました。電話がかかってきても対応できませんし。それ以降は個人電話で会社とやりとりしています。個人番号を知らせたくない方もいると思いますが、会社メールだと不要な情報も入ってくるのでオススメしません。

さぁ、ここまでくればもう大丈夫です!がんばりましたね。
以降はゆっくり休んで心身を整えてください。

(4)休職が始まったら

休職は心と体の希望を優先することです。好きなだけ寝たり、できたら散歩したり、美味しいものを食べてください。ただ、いくつかやっておかなければいけないことがあります。心身の不調や不安もあると思いますが、概ね1ヶ月以内に以下を終わらせておくと良いと思います。

・有給日数の確認
有給があれば先に消化しましょう。権利は行使すべきです。ただ規則上いつまで休めるのかがアヤフヤになるので、有給と休職の日程はハッキリさせておいた方が良いです。私の会社では書面での確認、申請はなかったので自分で記録しておきました。(最悪いつまで休める、という安心感につながります。)
・傷病手当金申請書の作成
協会けんぽや会社の保険組合から、給料の2/3程度の額が病気の手当として支払われます。その中から生活費、社保険料(健康保険、厚生年金)、個人の民間保険料等を支払うことになります。正直足りないので節約生活になるでしょう。申請には自分と医療機関、雇い主の3者が書類を記入し、組合に送ります。私の場合は自分と病院が書いた書類を会社に送り、会社から組合に送ってもらっています。自分で組合に送るパターンもあるそうです。郵送なので時間がかかりますが、2週間くらいで口座に入金されます。これを給料の締め日ごと、毎月行っています。
なおPDFの申請書にデータ入力することもできますが、最終的には印刷して手書き&郵送です。手書きした申請書をコピーして良いか組合に確認しましたが、スキャン用のマーカーがズレるとかでやんわりと断られました。

・社保険の確認
会社から給料が支払われなければ所得税は発生しませんが、住民税と社会保険料は発生します。社保険は月次で会社に振り込むか、休職中は会社に立て替えてもらって復職時に返済するか相談してください。立替の場合は振込の手間と手数料を抑えられ、復職時に分割返済などもできるかもしれません。ただ正確な金額がわからず負債が溜まっていくというデメリットはあります。
また退職金制度や健康保険は会社と従業員の折半です。病院にかかっても3割負担で済むのでしっかり払いましょう。健康保険は退職した場合使えなくなりますが、自主的に満額払って利用し続けることもできます。退職して転職先が決まっていなければ加入し続けた方が安全ですね。
・住民税と社会保険料の確保
私はお金があると使ってしまうタイプなので、昨年支払った住民税と社保険の金額を見て必要な額を別口座に移しました。これで長期戦になってもお金の心配をしないでいい、という安心感が生まれました。
なお住民税は会社員だと給料から天引き(特別徴収)されていますが、私が休職した時は個人での支払い(普通徴収)に変更になりました。そのため、自治体からその年の納税通知書が家に届きました。年4回の支払を一括or各期で、また振込か銀行引き落としで選ぶことができます。私は手数料のかからないPayPayで期ごとの振込にしてポイ活しました。
・自立支援医療(精神通院医療)
長期的な通院治療が必要な場合は自立支援医療制度に申し込むのが良いと思います。申請書や診断書(5000円くらい)など手間がかかりますが、医療費の負担額が3割から1割になります。診断が出てすぐにでも申請は可能です。申請から承認までは1ヶ月以上はかかります。使用期限は1年で、毎年更新が必要です。まずは主治医や自治体の保健所、精神保健福祉センターに確認してくださいね。


(5)支援者を確保する

必要な事務作業は以上です。ここからは個人的な思いです。
休職には1ヶ月や3ヶ月、私のように1年近く、あるいはそれ以上かかる人もいます。いずれにしても誰も一人では立ち向かえません。だからどうか身近にあなたを支援してくれる人を見つけてください。家族や友人、医師やカウンセラー、誰でもいいです。見つからなければ探してください。人がいなければヌイグルミや公園でもいいです。何にも頼らず一人で立ち向かうということは強さの証ではありません。また弱さを見せることはあなたが不完全な理由ではありません。
私は常に独立し、人に頼らないことで自分を守ってきましたが、それは稚拙な防衛力の表れでしかありませんでした。そして結果的に身を滅ぼしてしまったのです。今は誰かを信じて寄りかかることで、少しずつ強さを取り戻しています。弱さを曝け出す場所が増えるほど、安定感が増えていくのを感じます。

休職中の過ごし方に正解はありません。これを読んだあなたが、自分にとっての正しさを発見できることを願っています。


余談…
これは当てはまる人だけなんですが、休職中は会社に所属していてもクレジットカードの審査が通らない場合があります。審査の厳しいカードは会社に在籍確認の連絡をするので、休職がわかるとカードは発行されないそうです。ここのカード持っておきたかったんだよね、という方は早めに作っておくことをオススメします。(申請〜発行は1ヶ月程度。)
ちなみに、楽天とかはガバガバスピード性を重視しているので、休職中も問題ないようです。(要確認)


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