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時刻表に乗る vol.7

東京-大阪各駅停車の旅 No.5


5.豊橋-米原①
 豊橋駅の売店で駅弁を仕入れ急いで次に乗車予定列車の待つホームへと急ぐ。

●豊橋11時4分発車予定の岐阜行普通電車(3129F)は発車時刻が近づき、乗車を急ぐ乗客たちを待っていた。
 岐阜行列車は313系6両編成で転換式クロスシートの車両であった。これは嬉しい。周囲の乗客に気兼ねなく駅弁を開くことができそうである。
 豊橋駅は、新幹線・JR飯田線・名鉄名古屋本線・豊橋鉄道渥美線といったたくさんの路線の集結する鉄道の要衝だ。特に、名鉄名古屋本線は、豊橋-名古屋間でのライバル関係にある路線だ。

●名鉄は、11時2分に新鵜沼行の特急列車が出発したばかりで、ホームに赤い車両は停車していない。時刻表によると約50分程度で名鉄名古屋に到着するようだ。こちらJR東海道本線も豊橋からは快速列車が運行しており、名古屋まで約55分程度かかるようである。我が11時4分発の普通列車は、名古屋まで約1時間半の行程である。
 席に着くと同時に、発車のベルがなり、定刻11時4分に豊橋を発車する。しばらくは名鉄名古屋本線と並行して走るが、あちらは山中に分け入り最短ルートで名古屋を目指すが、東海道本線はしばらく三河湾に沿って走る。
 名鉄蒲郡線が乗り入れている蒲郡に到着。左側に名鉄の赤い列車が停車しているのが見える。

 しばらく名鉄蒲郡線と並行して走り、三河塩津であちらは海沿いにルートを向け、こちらは山側に向かう。

貨物列車の長い編成も待避できる長い待避線を備えた幸田を過ぎ、11時38分岡崎に到着する。新快速の待避待ち(待避ポイント)のため、6分程停車する。
 岡崎は、徳川家康生誕の地であり、家康が若い頃に拠点としていた岡崎城は街の中心部のほうにある。JR岡崎駅はどちらかといえば街はずれに位置し、街の中心部は名鉄東岡崎駅側にある。

●新快速が到着し、先に発車していく。こちらも11時44分、定刻に発車した。右手側に第三セクターの愛知環状鉄道(旧国鉄岡多線)を見送り、東海道本線は左側に進路を変え、矢作川を渡る。
 このあたりは三河地方の穀倉地帯であるため、田んぼが広がる風景が続くかと思えば、新興住宅街が現れ、西岡崎に停車。再び田んぼの風景が広がり、田んぼが住宅街に変わると安城に到着した。
 住宅街や田んぼの風景の繰り返しでまた眠くなりかけるが、お腹もすいてきたので、豊橋で購入した駅弁を開く。選ぶ時間がほぼなく、普通に幕の内にしたが、シンプルな味でおいしいお弁当であった。列車に揺られているだけなのに、お腹が減るのは不思議なものである。

●刈谷に停車し、再び快速の待避待ち(待避ポイント)で7分程停車する。快速は、基本的に豊橋-岐阜間で運行し、停車駅によって種類が新快速、快速と分かれており、約15分間隔で走っている。各駅停車との緩急接続もよく、下り方面は、岡崎・刈谷・名古屋の3駅で接続しており、非常に使いやすいダイヤとなっている。
 現に、刈谷でも、岡崎以降から乗車してきた普通列車の乗客の多くが快速に乗り換えていった。

刈谷を発車すると、大府の手前で進行方向を大きく右に向け、大府に到着する。
 大府からは知多半島の武豊に向かって武豊線が分岐しているが、地図だけみると、武豊線のほうが本線に見えるような線形となっている。
 これには、東海道本線建設時の事情が大きく影響している。名古屋地区の東海道本線建設には武豊港から物資を運び、武豊からまっすぐ名古屋方面を目指して建設していた経緯があり、東側から伸びてきた東海道本線が大府で合流した形になったためである。
 武豊線は最近まで都市部近郊としては珍しい非電化路線であったが、平成27年(2015年)に電化され、名古屋方面との接続が格段に向上した。
 大府を発車すると、田園風景は遠のき、住宅街や雑居ビル群が続くようになる。

 そろそろ名古屋が近づいてきた。東京から約7時間、新幹線であっという間に名古屋に着いてしまうのとは違い、はるばるやってきたとの感慨にふける。

次回へつづく
[使用写真]フリー素材  https://photock.jp/


〔表記の分け方について〕
太字表記した部分については時刻表や地図帳などの事実に基づいた内容である。
※時刻表の羅列だけでは寂しいのでフィクションで私の行動や周囲の乗客の様子や風景を書き加えた。その部分は細字表記となっている。また、歴史的背景の描写や街の紹介などは事実に基づく内容である。その部分は時刻表には無関係のため、細字表記となっている。


【今回のマップ】

[使用マップ]国土地理院地図GSI Maps

【今回のダイヤ】
 時刻表を見るだけで、岡崎・刈谷・名古屋で乗車普通列車が快速の待避待ちをすることがわかります(待避ポイント)。

今回の時刻表(一部抜粋)

 上記時刻表をダイヤグラムに書き起こすとよりはっきりとわかります。

ダイヤグラム(一部列車抜粋)

上り列車の時刻表は以下の通りです。名古屋近郊エリアのため、たくさんの列車とすれ違いをしていることがわかります。

上り列車時刻表(一部抜粋)

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