【天声人語】”変わらない努力”は何よりも難しい【感想】

今日の天声人語は、こちら。

タラちゃんの声が変わった

先日、「タラちゃん」の声優さんが変わった。
3月から「タラちゃん」を担当する愛河さんは、1990年に声優デビューして、30年以上のキャリアをお持ちの大ベテランである。

そんな愛河さんは、貴家堂子さんが育てたタラちゃんをなるべく壊さないように、大切にしていこうと思っているそうだ。そして、一日でも早く「声優が変わった」という話がなくなればと思うのだそう。

”変わること”を受け入れづらい私たち

なぜ、私たちは「変わること」を受け入れられないのか。
ドラえもんやサザエさん、ポケモン…。初代から二代目に声優さんが変わるたび、「前の方が良かった」という声は必ず聞かれる。

耳馴染みがある声が変わると、それだけで違和感を感じてストレスになることはある。特に、何十年と馴染んでいるものが変わると、仕方がないのかもしれない。

2代目として役を引き継いだ声優さんたちは、どうしても良い声ばかりを聞くわけではない。変わることは良いと言われるけれど、”変わらない努力”をしなければならないのは、さぞ大変なのではないか。

愛河さんは、自分の声で新しいタラちゃんを生み出すのではなく、先代が育ててきた伝統をしっかり受け継ぎ、守る道を選んだ。
表現者だからこその思考であり、愛河さんだからこそできる選択だろう。

視聴者である私たちは、”変わらないこと”に全力を注ぐ愛河さんを支えていく役割を担っている。

”変わらないこと”の難しさは実感している

仕事場、学校など、4月になると新しい環境になることがある。
職場であれば、管理職が異動になったり昇進して「新しい風」が吹き込まれることもあるだろう。この「新しい風」に良い顔をしない人が、なぜか多いように感じてならない。

”変わらない”という選択は成長を止めること

新しい仕事場で働くことになる人の多くは、「良い方向への変化」を期待されている。しかし、実際に配属されてみると現場の声は「変わらないこと」を望む。
「前の人はこうやっていた」
「昔からこのやり方だから、今更変えないで」

こんな声を聞くことは多いだろうし、こんな意見を言っている人はいないだろうか?
こんな声ほど、ストレスなことはない。”変化を望まない”ことが重要なこともあるだろう。しかし、【変化を望まない=自ら成長を止める】だ。

新しい管理職になったり上に立つ人間は、新しい風を吹かせようとしつつ、”変わらないもの”も考えなければならない。
「変えないで」という声に理由がなく、単純に「今まで通りが楽だから」なんていう声を聞こうものなら、ため息が出るしそんな発言をする人をチームからはずしたくなってしまう。

変化は楽しんでなんぼのもん

コロナ禍を経験した私たちは、様々な変化に苦しめられてきた。
ただ、全ての変化がマイナスというわけではなかったはず。”良い”と感じた変化もあったのではないだろうか。これからの時代、変化を恐れたり怖がるのではなく、「楽しんだもん勝ち」なのだ。

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