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#024【ネパール】世界にたった一つの腕時計

旅と写真を繋げるキュレーターマガジンMとWのキュレーターのてんです

これまでぶらり一人旅で巡り巡った45か国
これから少しずつ過去旅してきたいろんな国について語っていきたいと思います

最初に紹介する国は10年ほど前に訪れたネパール
迷路のような首都カトマンズと古都バクタプルで出会った1人の少女のお話です

首都カトマンズ

10年ほど前に訪れたネパールの首都カトマンズ
迷路のように入り組んだアサン地区に宿を取り早速街歩きをしてみる

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僕の中で旅の醍醐味は自分の足で街を歩き、彷徨い、現地の人に触れ、少しずつ少しずつその国のその街の匂いを自分の身に染み込ませていくことだと思っている
なので街歩き最初の目的は地図を持たずに外に出て『迷子』になること

細い路地にどんどん入り込み直感に任せて入ったお店で飯を食い、そこらの道端で言葉の通じない現地の人たちと心を通わせる

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んーーー!海外に来た!!
街歩きが楽しい街僕的best5に入るのがカトマンズ
古い町並みと入り組んだ路地
一歩離れると緑あふれる大自然
そしてとても人懐っこいネパールの人達
自分の心がその国に溶け込んでいく瞬間が楽しくて楽しくて旅はやめられない

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ネパールは交通手段がとてつもなくエキサイティング
街中の移動手段はテンプーと呼ばれる乗り合いタクシー
僕が乗ったテンプーはトランスミッションとダンパーがぶっ壊れてて1速からシフトチェンジできなくなっていた

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けたたましい音とともに走り出しちょっとした段差でロデオマシーンのように揺れる
生まれて初めて車の揺れにより自分の膝で自分の顎を蹴るというウルトラCに遭遇
荷台を改造した後ろに乗客を詰め込むのだが10人乗ればパンパンの車内に15人20人と人を詰め込んでいく

もうどうやっても入りません!!
三密なんてレベルじゃないほどに混み合った車内に更にまだ乗客を詰め込んでいき
どこに入るスペースあるんですか!って中で最後に乗ってきたおばあちゃん
何も言わずにフッと座ったのは僕の膝の上

あーね、そういうスタイルね、うんうん
もう座るとこどころか立つ隙間もないもんね
僕の膝で良ければ貸しますよ
でも『ここ空いてますか?』か『愛してる』の一言くらいはあってもいいんじゃない?

何が起こるかわからないから旅は楽しい

古都バクタプルで出会った少女

カトマンズからこれまたダンパーがイカれたバスで揺られる(本当に死ぬほど揺られる)こと1時間
ヨーグルトが有名な古都バクタプル

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街中で遊んでいる子供達と仲良くなってほとんど丸一日彼らと遊び続けてたバクタプル

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落とすなよ!!って言いながらこの時の僕の愛機EOS  kiss Xを手渡し、お互いに撮り、撮られて朝から晩まで遊びまくって子供らの笑顔に癒され続けた1日

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そこで仲良くなった1人の少女
『ペンとノートが欲しい』
勉強をするために必要だけど高くて買えないとのこと

念のために言っておくとこういう話の大抵は詐欺なのだ
近くのお店に連れて行かれてペンとノートを買ってあげると別れた後にそのペンとノートを同じ店が買い取り直してお金を折半する

そうやって日銭を稼ぎ『自分達の家を守る』のだ
詐欺だとわかって買ってあげるのはバカのすることなのかもしれない
でもそのノートやペンで彼らは家族にその日のご飯を用意してあげることができる

『もちろんいいよ、買ってあげる。日本から持っきたボールペンもあげるね』
そうして渡した一本のボールペン

満面の笑顔でボールペンを受け取り真剣な表情で何やら書き始めた
書き終えると誇らしげに左腕を突き出す少女

『腕時計!!』

子供は無邪気で、明るくて、ボールペン一つでこうも人を幸せな気分にさせることができるのか
かばんの中に転がってたボールペンがこの世でたった一つの素敵な腕時計を生み出した瞬間

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旅をしていると『お金』について考えさせられる瞬間がたくさんある
ぼったくりにどう対応するのか
物乞いにお金を施すべきか施さないべきか
値段が全て交渉のもとに決められる国でお金を持った外国人が『現地価格』まで値切るのが正しいのか、『観光客価格』とする現地の人は悪なのか。。。

いつまで経っても答えは出ないがこの時渡したボールペンや買ってあげたノートについてその子達に感謝こそすれ後悔はない

自分の中で腑におちる
それが一番大事だと思っています

カメラ:EOS  kiss X
レンズ:EF-S 18-55mm F3.5-5.6

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