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Wi-Fi中継器を購入する前に確認すること#3

はじめに

本記事は以下記事の続きになります。
以下記事を未読の場合は以下記事もご拝読いただけますと幸いです。

本記事では以下太字になっている項目を説明します。


1.本当にWi-Fi中継器が必要なのか?
2.製品への要件を整理しよう
3.設置場所/方法を考える
4.要件にあった製品を探す
5.適切な設定を考える
6.確認をする


それでは続きになります。


5.適切な設定を考える

ここまでの説明でWi-Fiの電波が弱い、届いていない場合、電波を強くする等の方法を記載してきましたが、実際のところは単にWi-Fiルーター、Wi-Fi中継器の電波を強くすればいいというわけではありません。
Wi-Fi電波は目に見えないですが、通信におけるWi-Fi電波は適当に設定しているとかえって通信の妨げになったり、通信環境が悪化する可能性もあります。
機器によって機能や設定項目は異なりますが、設定する際の考慮点は大きく以下のものがあると思います。


■Wi-Fi中継器の設定考慮点
1.Wi-Fiルーター等の他の機器との接続
2.Wi-Fi中継器から電波を出力させるか(有線接続をする想定の場合)
3.電波干渉を考慮したWi-Fi電波強度
4.Wi-Fi電波の出力方向
5.セキュリティ対策など・・・(オプション)


1.の考慮点から説明していきます。

1.Wi-Fiルーター等の他の機器との接続

本記事はWi-Fi中継器導入時の確認など、ご自宅環境にWi-Fi電波を出力する機器がある前提で、Wi-Fi中継器はそのWi-Fi機器から出力される電波を延伸するためのものになります。

つまり、Wi-Fi中継器がWi-Fiルーターへ通信できる必要がありますし、逆にWi-FiルーターからWi-Fi中継器へ通信できる必要もあります。
イメージとしては以下になります。

電波範囲の図

イメージ図のように、Wi-Fi中継器はWi-Fiルーターから出力される電波の範囲内にあり、かつ、Wi-Fi中継器の電波出力範囲はWi-Fiルーターを範囲に入れる必要があります。そうでなければ通信ができません。
(機器よっては電波を全範囲出力するのではなく、特定の方向に強く出力するものもあります。)

仮にWi-Fiルーター側で5GHz/2.4Ghzの両方を使用しているからと言ってWi-Fi中継器側でも5GHz/2.4Ghzの両方を有効化する必要はありません。
PC端末とWi-Fi中継器間の通信は5GHz、Wi-Fi中継器とWi-Fiルーター間の通信は2.4GHzとそれぞれ分けることもできます。

TP-Link RE330の設定画面で説明すると以下の様になります。

TP-Link RE330のWi-Fi設定

見ての通りではありますが、Wi-Fiルーターからの受信を5GHzのみにしております。5GHzのほうが802.11ac規格を利用できるため5GHzのみに絞ってます。Wi-Fi中継器からの電波出力は設定してません。
私の場合の利用方法詳細は以下記事をご参照ください。

デフォルト設定で利用する場合は大抵2.4GHz/5GHzの両帯域が設定ONになっていると思います。この場合、5GHzで通信できる環境でも2.4GHzで通信されてしまうこともありえます。
自動設定などに頼り切らず、意図した利用をできるよう設定を考えてみましょう。

2.Wi-Fi中継器から電波を出力させるか(有線接続をする想定の場合)

これば有線LANポートを備えたWi-Fi中継器で、有線LANは利用するが無線は必要ないといった場合についてです。
「1.Wi-Fiルーター等の他の機器との接続」でも紹介してますが、以下の利用方法と同じようなイメージです。

この場合、Wi-FiルーターとWi-Fi中継器との通信はもちろん考える必要がありますが、電波出力については設定をする必要がありません。
そのため、無駄な電波を出さないためにも設定を無効にすることをお勧めします。

3.電波干渉を考慮したWi-Fi電波強度

電波は目に見えないですが周波数など波長があります。そのため、同じ波長を利用する機器が近くに合ったりすると干渉してしまい通信ができなくなったりと問題が発生します。
Wi-Fi中継器の設置場所の問題にもかかわりますが、何でもかんでも最大出力で電波を出力するのではなく、必要最低限必要な電波出力をするように心がけましょう。

マンションやアパートなどの集合住宅の場合、付近の住人が利用するWi-Fiと干渉する可能性もあります。自分の自宅が干渉しないからいいや~ではなく、周囲への影響も考えるといいでしょう。また、必要最低限の電波出力にすることで離れたところからネットワークに侵入されるリスクも減りセキュリティ対策にもつながります。
考慮するといいでしょう。

TP-Link RE330の設定画面の場合は以下の様に設定できます。

TP-Link RE330の電波出力設定

4.Wi-Fi電波の出力方向

機器によっては機器側面や上部にアンテナが設置されているものがあります。この場合、アンテナの方向へ電波を出力するため受信送信機器との方向に合わせることが必要です。
適切な方向でない場合、通信環境が悪化する可能性もあります。

TP-Link TL-WA855RE

5.セキュリティ対策など・・・(オプション)

大元のWi-Fiルーターの設定もそうですが、Wi-Fiルーターのセキュリティ設定が問題なくてもWi-Fi中継器側のセキュリティ設定ができていないとネットワークへ侵入される可能性があります。
Wi-Fiの範囲を延伸するだけでなく、Wi-Fi中継器から別SSIDのWi-Fi電波出力をしていないか、出力していたとしてもセキュリティ観点から問題ないかを十分確認しましょう。
特にデフォルト設定の場合危険です。


6.確認をする

「1.本当にWi-Fi中継器が必要なのか?」「2.製品への要件を整理しよう」「3.設置場所/方法を考える」「4.要件にあった製品を探す」「5.適切な設定を考える」と5つ確認しましたが、ここまで来たら後はPC端末やWi-Fiルーター側で意図したWi-Fi規格の通信がされているか。対象の機器同士が問題なく疎通可能かなど確認しましょう。

スマートフォンでの確認方法などは以下をご確認いただけますと幸いです。


おわりに

ここまで#1,#2,#3と長くなりましたがご拝読いただきありがとうございます。
今の世の中で生きていくためには仕事でもプライベートでもネットワークへのアクセスはかなり重要です。しかし、学校で詳しく教わることもないためなんとなく機器を購入したり設定?したりとよくわからないまま利用している人も多いと思います。

より快適に、かつ安全に、そして周囲への配慮も考えて今一度ネットワーク環境を見直してみてはいかがでしょうか。


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