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(英語で読書) Bad Blood

シリコンバレーのとあるスタートアップにまつわるノンフィクションのベストセラーです。Elizabeth Holmesという女性が起業したTheranosは、指から血液を一粒たらすだけで様々な病気を診断する技術を開発したとして、世間の注目を集めます。企業価値は1兆円近くまで上昇し、Holmesはビリオネアとなった若き女性起業家として女性ジョブスと持て囃されます。しかし、実際には、Theranosは公表していたような技術を開発できておらず、他社の製品などを使ってその場しのぎの対応をしていました。これだけ読むとただの詐欺だと思うかもしれませんが、Theranosは元国務長官などの大物を取締役に擁し、その信用力を元に大手ドラッグストアとの提携などを実現してしまいます。

本書は、内部告発を行おうとする社員をTheranosの経営陣が追放し、超有名弁護士を通じて恫喝していく過程や、本書の著者である記者とTheranosとの戦いなどが描かれています。最初はドロドロと恐ろしく、後半は勧善懲悪の爽快なストーリーへと変化します。読み物として文句なく面白いのでお勧めです。なお、既にいくつか映画化・ドラマ化されています。読んでみれば、ハリウッドが放っておく訳がないことがよく分かるでしょう。

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