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世田谷区保育行政による、「不適切保育」の取締り

世田谷区は本日、2023年2月17日から、「不適切保育」について区への通報窓口を開設した。

「初めは小さな行為であっても、取り返しのつかない大きな行為となっていくことがあります。些細なことでも、日常の保育の気になることや違和感を持った際には、本窓口をご利用ください。なお、通報者の秘密は守られます。」(世田谷区の事務連絡からの引用)

職員、保護者、地域の方が「通報」できるらしい。

これについては、園長会にもなにも協議もなく、急にメールで事務連絡という形で、保護者、職員への周知依頼がきた。

私はおかしいと思う。

園での虐待行為が許されないことは言を俟たない。

しかし、世田谷区はいまだ、先日の区内の園での虐待報道について、総括も、途中経過もあげていない。
それどころか、いまだ、利用者にも施設にも一言もコメントはない。

それなのに、今回このような対応を、園長会との協議もないままに行うのは、事業者の運営ということを軽視しすぎていないだろうか。

なぜ協議が必要かといえば、そもそも「不適切保育」とはなにを指し、だれがそれを判断するのだろうか。
それはもちろん、そのような行為を不問に付す、ということではない。

しかし考えてみてほしい。
たとえば、子どもがなにかで泣いてしまう。御存知の通り、子どもが泣く理由はさまざまにあり、またたびたびある。

その子の手をひいて、保育者が園に帰ろうとする。
それを見た地域の方が「不適切保育を通報」する。
世田谷区から、園に「事実確認」の電話が入る。

これは保育者にとって心理的な圧力にならないだろうか。
説明しようにも、その当事者にはおそらく届かない。いくら区に説明しても、またそれをうけて区が通報者に説明しても、通報者は納得するだろうか。

保育者は次から、なるべく子どもが泣かないように、あるいは泣いても隠すように、ならないだろうか。

私はこんなことはおかしいと思う。

世田谷区は保育者を信じていない。
そんな場所でだれが保育をしようとおもうだろうか。

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