白い世界
今日は霧がすごかった
深く煙る山あいに導かれ 降りしきる雨の中を歩く
進めば進むほど世界は白くなっていく
突如として雲のきれまから太陽が顔をのぞかす
光がさしこみ 雨がやむ
植物からはもうもうと煙がたちこめる
仰ぎみれば左の空には青空が
右の空には虹がかかっていた
霧がひきはじめ
風景はしだいに色をとり戻し
紅潮した樹々があらわになる
雨音にかき消されていたのか
それともじっと押し黙っていたのか
鳥たちのさえずりが響きはじめ
「世界はいつもきれいだよ」と教えてくれた
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