スピーキング

スピーキングのコツは定型文です。

スピーキング能力を向上させるポイントについてnoteします。

学校で教わらなかったスピーキング

たくさん勉強した暁に、私たちがたどり着きたい場所、それがスピーキング。語学のある種最終目的地みたいになっていますよね。日本の教育要綱にはほとんどスピーキングはありませんでした。学校の先生から教わった覚えはありません。時々学校に来る外国人の先生はいたけど、私たち個々人の発音矯正まではしてくれなかったです。

スピーチとは違う

スピーキングはスピーチとは違います。スピーチは原稿を事前に用意する。それを手ぶりを交えて表現するものです。日本人は難しい英単語をよく知っていますからスピーチは得意です。でもしゃべるとなると自然な英語が出てこない。これが典型的な日本人という認識です。スピーチはライティングと発音の訓練になりますから良いのですが、スピーキングとはまた違った競技なんですよね。

スピーキングは即興の芸

じゃあスピーキングとは何かといえば、即興のコミュニケーションのことです。原稿もない、準備もできない、ただただその場のコンテキストをとらえながら自分の考えを発表するということ。世間話、井戸端会議。母語ならばなんの不自由もなく無意識にしていることが、外国語になればそれはそれは高い壁になります。何せ即興ですから。即興というのは考える時間がないということです。体にしみついたものが出てくるということです。

ライティングの高速化がスピーキングという誤解

日本人はライティングが実に得意です。難しい英単語を知っているし、文法もよく知っている。だから、ライティングのレベルも正確性も高いのです。でもスピーキングはできない。これは、スピーキングは高速なライティングという誤認があるからです。

ライティングは即興ではない。時間をかけて、辞書と参考書を片手に一番ぴったりくる単語を探し出して作り上げる作品です。時間の関数になっている。時間をかけるほどその精度が増すのです。しかしスピーキングは即興です。ライティングがすごく得意で速く書き上げることができる人でも、ライティングのようにしゃべっていたら会話のテンポが遅くなってしまいます。

ライティングはむしろスピーチに似ています。事前に原稿を準備し吟味することができる。一方で、スピーキングとは使っている筋肉が違うのです。スピーキングには即興筋が必要なのです。深く頭で考える暇がないのがスピーキングです。

英語検定と日本語能力試験の違い

英検1級を持っている日本人日本語能力試験1級(N1)を持っている外国人。私の主観ですが、外国人の日本語のスピーキング能力の方が高いと思っています。

英検1級にはスピーキング試験がありますし即興性が求められますが、少しだけ準備時間がありますし、スピーチ要素が強いテストです。ですから、本当のスピーキング能力というとまだまだ磨かれていない印象がある。一方で、日本語能力試験1級にはスピーキング試験はありません。なのに彼らのスピーキング能力は非常に高い印象がある。

この疑問をN1を保持している友人に聞いて見たことろ、「N1の教科書には定型文がたくさんあって、合格のためには全部覚えないといけないんだ。」と言われました。教科書を実際に見てみましたが、それはそれはたくさんの定型文を覚えさせるようになっていましたし、その応用範囲も広い。一方で英検1級のドリルには超絶に難解な英単語がたくさん書かれています。なるほど、と思いました。日本人は単語に強く、外国人はスピーキングに強い理由が分かった気がしました。

スピーキングのコツは定型文のストック

N1に合格しているレベルの外国人は、フレーズ単位で日本語が頭に入っている。これっていうのは、ほぼ頭を使わずにフレーズ単位で覚えているんですね。この定型文のストックが多いから、彼らはスピーキングが得意なのです。しゃべっている間に次のことを考える余裕がある。彼らにとってスピーキングとは定型文を並べることであり、その間に内容を考え、自分の意見を挟んでいくのです。

逆に日本人は、難しい単語を知っているので、ゼロから文章を作ろうとします。しかし、それはスピーキングとしては圧倒的に時間をロスしてしまう。自分の意見を言うだけでいっぱいいっぱいで、相手の話す内容や言外の表現を見逃してしまう。すると意思疎通が一方通行になってしまい対話が成り立たない、ということになってしまうのです。

頭を使わずにしゃべれる定型文を増やそう

実に会話コミュニケーションの80%は定型文だと言われます。ライティングは日本人はとても得意です。難しい言葉をよく知っている。でもスピーキングにおいては全てを即興で作り出すことはできません。だから定型文をたくさん知って置くことが会話の上達に非常に重要です。会話の間に頭のメモリに余裕を持たせることで、相手の表情の機微にも気づくことができます。余裕が大事です。必死になり過ぎないことが大事なのです。難しい言葉を使わず、無意識に使える定型文をたくさん持つ、このことによって、相手の意図や会話の内容を楽しんでコミュケーションをできるようになるのです。

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