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推しが武道館に行っても死ななかった

おめおめと生還しました。
存外元気で驚いています。

何日も前からふわふわしていた割に、当日雨の武道館に集まる大量の人を見ても不思議と実感が湧かなかった。武道館の3日前に渋谷で行われたポップアップショプにて、間近でメンバーを見てしまったからだろうか。

2023年はフェスも含めてKroiのライブを14回見に行った。Apple MusicでのKroiの楽曲の総再生時間は約15,000時間だった。自分が気づかない内に飽きてきているわけではないだろうな。そう思うほど実感が湧かなかった。

そんなことを考えながら物販列の最後尾につくと、リハーサルの音漏れが耳に入ってきた。自然と体が揺れ、聞いていたいけどネタバレになるのも嫌で1人葛藤ながら40分ほど並んだ。こんな並んだのは初めてだ。傘や上着で雨を凌ぎながら、Kroiの曲に合わせて小さくリズムを取る人々。本当にここにいる全員がKroiを見にきたのか。

グッズ購入を終え、知り合いと合流しフォトスポットで写真を撮った。武道館はこんなオブジェを用意することもできるのだな。

武道館に来たことはあるのにいちいち驚いてしまう。

フォトスポット可愛い☺︎

さて、肝心の武道館公演の中身だが、
Kroiちゃんは武道館でもKroiちゃんだった。

Kroi初のホール公演では、MVに登場したダンサーを招き演奏中にダンスを披露する一幕があった。武道館を発表したNHKホールでは、ステージに幕を張りシルエットだけで演奏が始まり、曲が始まると同時に文字通り幕を開ける演出があった。

今回は武道館という大舞台だ。なにか大きな仕掛けがあるのではないかと考えていた。ラスト「Fire Brain」で本物の炎が上がるかもしれない。銀テープが飛ぶかもしれない。

しかし蓋を開けてみると、演出は至ってシンプルなものだった。アーティストにとって特別な場所だからと言って、気負いを感じない。そんなステージだった。

「シンプル」というのは、つまらなかったという訳ではない。ライティングは素晴らしかった。帰宅するまで特殊な演出がなかったことにも気がつかなかった。ただ彼らは初めて立つあの場所を「大きなライブハウス」にしてみせたのだと思う。

いつもラストやアンコールでやる「Fire Brain」をアレンジを変えて1曲目に持ってきて、初っ端から定番を崩し、原型が見えなくなるほど大きくアレンジを入れることが多かった「Monster Play」は音源に寄せた形で披露。さらに「Network」「Mr. Foundation」など、その他のインディー時代の曲も昔ながらのアレンジや、ノーマルで演奏する。

自分たちはこれからどんどん羽ばたいていくが、原点も変わらず愛し続ける。そんな心構えがセトリやアレンジにも見えた気がした。終演後の映像を見てさらに「大きくなっても変わらないのだな」と強く感じた。

あの場にいた何割の人間が、この映像を見て「滑ってるな」って感じただろう。わたしはもう彼らの音楽だけではなくパーソナルな部分まで好きになってしまったから、色眼鏡を通さずに見ることはできなくなってしまった。初めてWATAGUMOバトルを見た時は、滑ってると思ったような気がするのに。

わからないけれど、本人たちが楽しいことをして、何割かの客と温度差を感じるくらいの方がKroiらしい気がする。

春にやるFCライブはさぞかし酷い身内ネタが見れることだろう。音楽的には進化して、それでもくだらないことをし続けるKroiを冷ややかな目で見届けよう。

変わらないKroiちゃんも変わっていくKroiちゃんも、わたしは変わらず好きでいると思うのだよ。

貰えるものは貰っておきたい