M-1で人生が変わるということ


初めて、芸人の解散ライブを見に行った。

いや正直にいうとそのコンビ目当てではなく、ゲストで呼ばれたコンビ目当てでたまたま行っただけだった。

----


この時期、12月はお笑いがアツい。年末にオールザッツ漫才があったり新喜劇楽屋ニュース他のお笑い特番・・・


特に私が毎年この時期一番沸いているのは、M-1グランプリだ。



1年に1度行われる、日本で一番面白い漫才師を決めるこの賞レース。
小学生の時からかかさず見ている年の瀬のビッグイベントだ。
夏から始まる予選、劇場での予選観覧(行けたことないけど)、3回戦からyoutubeで公開される予選のネタ、がっつり追うと4ヶ月くらい楽しめる。

友達と、どのコンビが面白かったか、あのコンビは決勝へ行く、このコンビは惜しかった、敗者復活いけるかも・・・などなどお笑い談義に花を咲かせるのもまた楽しい。


元々M-1は、島田紳助氏の「漫才への感謝・恩返し」と「漫才師が辞めるきっかけを作る」という企画によって作られた。


「漫才師が辞めるきっかけを作る」


子どもの頃は考えたこともなかったけど、これって目を背けたい現実だけどいつかは訪れるものだと思う。売れてテレビに毎日出ているような芸人なんてほんの一握りだ。今年の大会だってエントリーは6017組にものぼった。アマチュアの組もいるけど、大半がプロだろう。

このM-1創設理由を知ってから、私の中でM-1はより気合を入れて見るものになった。選考結果を聞くとき胸をグッと締め付けられるし、そしてその後の予選を見る余計に胸が熱くなる。



でもその創設理由があるから、それを自分たちの目標にして、M-1敗退したら解散しよう、なんていうコンビがこの11、12月に溢れてくる。
去年だって私が好きだったコンビが解散した。仲のいい2人だったから別れると聞いて声を出して驚いたし、今でもショックだな〜と思う時がある。2人は方向性の違いという理由を挙げていたが、例えば優勝していたり、決勝常連だったり、百歩譲って敗者復活組常連だったりしたら、もっと注目度が上がって売れていたりしたら、、、2人の向いている方向が違ってももしかしたら別れない他の道があったかもしれない、と思う。


-----


今回私が見に行ったライブでのコンビも、片方は芸人として残るけど、もう1人は家族の為に引退して他の道に進むらしい。
恥ずかしながら、このコンビについては見に行った日初めて知った2人だった。
でもトークコーナー中に後輩にやり残したことはありますか、と聞かれた時、引退する方が「う〜ん、やっぱり…売れたかった…!」と言ったのにはなんだか泣きそうだった。全然知らないコンビなのに、その日見たネタが最初で最後なのに、なんかとってもやり切れない気持ちになってしまった。

確かに15年も挑戦してチャンスが掴めなかったら、才能がないのかもしれない。でもファンからすれば、なんて賞レースを作ったんだ…!と恨み節を言いたくなることもある。
優勝者はよく「一晩で人生が変わった」という。優勝しなくても爪痕を残して売れるコンビは増えている。でもその分、夢を追いかけることに区切りをつけようと決心する人達も多い。
お笑いコンビが解散するのなんて、何組も見てきているし、自分が好きなコンビが解散して大衝撃を受けたこともある。こんなに面白い2人なのに・・・と思うことがたくさんありすぎる。
でも、芸人の前に、ひとりの人なんだよな。その人の生活、人生があるんだよなあ。


それに、この残酷な賞レースに、漫才師はもちろん視聴者も毎年毎年夢を見せてもらっているのも確かだ。本当に毎年楽しみにしている。今年もあと1週間で決勝戦が行われるので、もう、ほんとに、毎日ワクワクしている。





ちなみに私のイチオシ、ゆにばーすも決勝へ進出している。

ゆにばーすは男女コンビで、男性の川瀬名人と女性のはらちゃんでコンビを組んでいる。
川瀬名人は、優勝したら引退する!と長年言っていて、今年ははらちゃんも便乗していた(たぶんボケだけど)。
2017年の決勝で知ってファンになったけど、毎年精度が上がっていて、今年こそは!と思っている。
引退はしてほしくないけど、優勝してほしい〜!!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?