ダンテ「神曲」地獄篇第2歌 ベアトリーチェ?

いつの間にか、イタリアでは「Ferragosto」(聖母被昇天の祝日、8月15日)も「il Palio」(パリオ祭、7月2日と8月16日)も終わってしまいましたが、日本ではまだまだ厳しい残暑が続いていますね。

さて今日は、「神曲」地獄篇の第2歌の内容を共有していきます!


そもそも、いつの話?

そういえば、この話をしていなかったなと思い、慌てて書きます笑。

時は1300年の春。復活祭の木曜日の夜半から、この物語は始まります。

第2歌は、聖金曜日の暮れ方からの出来事です。

日本では「イースター」として広く知られる復活祭ですが、イタリア語では「Pasqua」(パスクア)と言い、その語源はヘブライ語の「Pesach」に由来しているそうです!



音韻について

日本で俳句や短歌の文字数が決められているように、イタリア語の詩にも決めごとがあります。

この作品は、全体を通して11音節詩で書かれています。

今回は第2歌で音韻について少し感じてみましょう。

Quali fioretti dal notturno gelo
chinati e chiusi, poi che ʼl sol li ʼmbianca,
si drizzan tutti aperti in loro stelo,
それはあたかも 夜の寒さにうなだれて
花びらをとじていた小さい花々が、日がかがやきだすと、
すっくと立ち上がって、茎のさきで花をひらくように、

春を思わせる、なんとも素敵な詩ですよね♪

そこでこの詩を、11音節詩の最も使われるルールに従って、自分なりに数え方やアクセントの位置を考えてみました。

まず、音韻の数に注目してみましょう。それぞれ母音のすぐ下に、記号が付いています。

イタリア語は、母音が連続するところは続けて読みます。そのため今回はこれを1音節として数えることにします。例えば2行目のはじめ「chinati e 〜」は(キナーティエ 〜)という感じ。

さて、まずは点と丸を区別せず、1行ずつ数えてみます。

すると、すべて11音節で成り立っていることが分かりました。(実際に読みながら数えてみると、感動しますよ!笑)


それから、アクセントについて。

強く発音するところは○、弱く発音するところは・で表しています。

10音節目に必ず強く発音するというのが、11音節詩の決まりです。しっかり守られています。

なるほど、だから読んでいて気持ちいいのか…

詩のリズムがとても心地良いので、春が訪れる様子(比喩)が、より美しく心に響いてきます。

私は第2歌だと、この文章が1番好きです♪




あれ、タイトル通り、最初はベアトリーチェ(ダンテの恋人)についてをメインに書こうとしてなかったっけ…?!

まあ、いっか!


次回、書くかもしれません(°▽°)



冒頭でお話したFerragostoについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を是非読んでみてください!

ついでに、今年のパリオ祭の様子が知りたい方はこちらも(^^)



それでは、またお会いしましょう*°


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