レビューを書くより誰かと一緒に
バック・トゥ・ザ・フューチャーを3本まとめて観た。いつでも、何度観ても、おもしろくてビックリする。ちっとも古臭くならない。
そんな世間から「名作」と呼ばれるものでも、おもしろくないと感じる人はいるわけで。人の好みはバラバラで難しい。
学生の頃、恋人と半同棲をしている時期があった。オススメの映画を観たいと言うので、バック・トゥ・ザ・フューチャーのDVDを3枚TSUTAYAで借りて帰る。
何日かに分けて3本を観たんだけど、「この人は敵?」「えっ1にも出てきた?」「これいつの話?」なんて質問がたくさんあって、どうしたら良いかわからなかった。理解できないことが悪いなんてことはない。ただ、どうしたら良いかわからなくて笑って誤魔化した。
2017年にTBSで放送された『カルテット』というドラマのなかにも、そんなシーンがある。宮藤官九郎が演じる旦那が、松たか子演じる妻と一緒に映画を観ている時にたくさん質問される。はじめは停止して説明したり巻き戻したりする。でもだんだんと「観てればわかるよ」になり、すべてを「そうだね」と笑って返すようになっていく。
気持ちがわかり過ぎて、わかりたくなかった。
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何日か前に、映画を観て終わらせるだけじゃなくて自分の考えたことや感じたことを残しておきたくなって、レビューを書けるアプリをダウンロードしてみた。書くのが楽しみだな~と思っていたら、予想外のことが起こる。
「嫌いだな」と思う作品に出会ってしまった。
原作は読んでないけど名前は知っていて、たしかいくつか賞を獲っている。主題歌も好きな曲。事前に情報を入れすぎて期待値が上がっていたのが原因じゃなくて、明確に嫌いだった。
登場人物の誰にも感情移入できない。嫌いなタイプの人ばかり出てきた。
「思ったことを言う」というのは、感情の変化を素直に伝えることで、思いついたことを誰しもにぶつけることじゃないだろう。そりゃあ人間だから感情的になることもあるけどさ。勝手に自分の気持ちだけを優先してまわりを傷つける人を「素直、自由奔放、人間らしい」なんて正当化するなよ。
(Twitterを見てくれている人もいるので補足すると、『人間失格 太宰治と3人の女たち』のことじゃないです)
終わってからタバコを2本吸っても、まだモヤモヤしていた。こういう感情的になっている時にレビューなんて書くもんじゃない。作った人も関わった人も真剣だし、この作品が好きな人だってたくさんいる。いくら自分の好みに合わなくても、趣味だとしても、ネガティブなことを誰しもが見れる場所に書くべきじゃないと思った。
というかそもそも、ポジティブなことを書くにしても、趣味でレビューなんて書いていいもんだろうか。もし書くにしても、インターネット上ではなく自分にしか見れない場所の方がいいんじゃないか。数日考えているけど、答えはまだ出てない。気にしすぎかな。
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「映画はひとりで観たほうがいい」ってのは基本スタンスだけど、ここまでひとりの時間が増えると、誰かと一緒に観るのが恋しくなる。
友人たちとピザとか食べてあーだこーだしゃべりながら。恋人とベッドの上でゴロゴロしながら観るのもいい。
そういう誰かと共有できる時間が、今はとっても恋しい。だって今日なんてコンビニで「LINE Payでお願いします」しか声を出してないんだもん。
tofubeats / RIVER
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