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映画「OLD」を観ていた

OLDを観た当時の感想が下書きに残ったままだったので。

以下ネタバレあり感想

何故か観るまで「日光に当たると老化が進む」と思い込んでました。なんでだ
(割と色んなホラー映画の予告がごっちゃになって変な記憶になってることが多い)

映画を見終わってから改めて予告を観ると「これ予告編で情報出しすぎでは?」と思ってしまったし、実際そのせいで中だるみはあったように感じました。
でも予告による前情報のおかげで、私たち視聴者の役割が「あのビーチに一緒に閉じ込められた人」じゃなくて「監視者」になったんだなぁって実感しました。
だから、終盤のシーン以降は監視者がいなくなって、状況が分からなくなったから当事者意識でドキドキした、かも。

それに付随して
序盤プライベートビーチに招待します、なんてあからさまに怪しいの、予告観てるから知ってるはずなのに裏の意図が全く読めなくて困惑した。それと運転手が積んでた大量の食料からも「何かしらの悪意によってここに閉じ込めたんだな」ってのは伝わったけど、やっぱり意図が掴めなくて、没入感というより「第三者目線のドキドキ」が味わえた気がします。


「老いて死ぬ」という現象に対して明確に恐怖を感じていたのはクリスタルだけだったなぁ。という印象です。まぁそんなことを感じるまもなく亡くなってしまったというのはもちろんあるけれど。
カッパー夫妻も最期は諦観というか、穏やかになってて、あのギスギスした感じが無くなってましたね。腫瘍が無くなったことに加え、身体的な老いが精神にも作用したのかな。

子どもたちに関して言えば
身体が大人になったからと言ってあんなに賢く、考え方も大人になれるものかね、という気持ちにはなりました。多分みんな思った。
大人になっても心が子どものままだったら映画として成り立たないだろうし仕方ないとは、まぁ、思います。経験で人が成長することを思えば、彼らは想像を絶する体験をしたわけで。成長によって脳がクリアになるにつれ、(描写はないけれど)本当に色んなことを考えたんだな、とは思う。
それにしたってこの2人のこの後の人生を考えるとものすごくつらい。
おそらくはほかの人たちと同じ人生は歩めないですよね。弟に至っては6歳。下手したら字も上手く書けないのでは?
おおよそ働く手段を持たない2人が元の世界でどうやって生きていけばいいんでしょうかね。想像もつかないです。
唯一、本当に唯一の救いは、彼ら姉弟が「2人で助かった」ところだと思います。あの経験、そして今の境遇を共有できる存在がいるっていうのは今後の人生においてとても救われるものだと思いました。


総合的に見たら(もうちょっと詰めれたんじゃない...?)と思わなくも無い映画だけど、勢いと力技の映画は割とすきなので楽しく観られました。
私たちはあのビーチに足を踏み入れた人々がどうなるかを見守るだけの観測者に過ぎないので、精神的な変容とかを見る(描写する)必要があんまりないのかもしれませんね。

観終わったあと「よかったね!」と「良くないが...?」が共存する面白い映画だと思いました。

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