見出し画像

【ハイスクールマンザイ2011の話】




夏になると思い出す事がございます。



今から約9年前
高校3年生の時に体験した

「ハイスクールマンザイ」

という大会の事です。



何を昔話をと思うかもしれませんが


僕の熱血青春トラウマエピソードをまとめてみましたので


熱血青春トラウマエピソードの事が…

好きだよぉ…?


という方は是非とも覗いてみてください。








僕の高校時代は帰宅部でダラダラとただ楽しいだけのものでした。



しかしただ一度、まるで甲子園を思わせるアツい夏があったのです。






僕はすいません本当分かりやすくハッキリ言うとゴリゴリの人気者でした。



小・中・高すべて体育祭の応援団長だったのですが、応援団長を決めるクラス会も全て開始1分で僕に決まってあとは自習時間をもたらすという逸材でした。


でも全然女の子にモテなかったので勘弁してください。


今思うと3枚目ひょうきんベースの人気者にしては男前すぎてみんなテンパっていたんだと思います。



周りにはいつも面白い男の子しかいませんでした。



そんなやつは高校生くらいの時に調子に乗って学園祭で漫才をしたりするわけですが、僕も例外ではありませんでした。



高校2年生の学園祭、面白いと思っていた同級生を誘ってコンビを組み、ネタを披露したのでした。



結果はすいません本当分かりやすくハッキリ言うとバカウケでした。



題材は「もしも俺(山口)が退学になったら」


でした。


1番ウケたくだりを文字に起こします。







僕「今日は本当ありがとう」

相方「そうだ、これみんなからプレゼントだよ」

僕「え?」

相方「手出して!(僕の腕に何かを巻く動き)」

僕「わあっ!ミサンガだ!これミサンガだろ!」

相方「ちくわだよ」

僕「気持ちわりいよ!」




以上でございます。


今思うと粉々にしてちくわに混ぜたいボケですが、当時は頭をひねって出したボケなわけで、達成感はものすごいものでした。


そんなやつは調子に乗って色んな所で漫才をしようと思ったりするわけですが、僕も例外ではありませんでした。



高校3年生の夏。



高校生を対象に開催されている漫才の祭典

「ハイスクールマンザイ」

という大会にエントリーする事を決めたのでした。



これは現在でも行われている高校生の中で漫才が1番面白いやつを決めるという、高校生芸人にとってのM-1グランプリのような大会です。


47都道府県で予選1回戦を開催し、準決勝を地区ごとのブロックに分けて開催し、それぞれの地区1位を集めて決勝を行う。決勝はテレビで放送されるという大規模な大会です。



現在活躍している芸人さんの中にも、この大会を通ってプロになった人がたくさんいます。



当時の僕は自分に絶対的な自信を持っていた為、優勝する気マンマンで1回戦に臨んだのでした。





自信というのはとても大切だったようで僕たちは優勝こそ逃したものの
ビデオ審査で1回戦を勝ち抜き準決勝に進んだのでした。


準決勝の会場は名古屋。


お笑いの大会で新潟から名古屋に遠征だなんて本当ワクワクがドキドキを呼ぶ展開でした。


家族や親戚は自分の事のように喜んでくれました。


それだけでなく小さな村ですから村全体が自分の事のように喜んでくれて、


バイト先のコンビニでは先輩が僕へのカンパBOXを手作りして置いてくれました。


すいませんハッキリ言ってその支援が10万円集まって僕は大会が終わった後地元の皆さんに号泣しながら感謝します。




一丁前に夜も寝ずに新ネタを作って、休み時間に相方とネタを合わせ、放課後友達の家に行きネタを合わせ、完成してから友達の家でたこ焼きパーティーをしている時にみんなに見せて。



僕らは青春のど真ん中にいました。



迎えた当日。

地元の方達の支援のおかげで名古屋の素敵なホテルで目覚めた僕らは慣れないチェックアウトを済ませて、

フロントで忘れ物を思い出して取りに行ったりしながら会場に向かいました。



会場はイオンの催し物会場。
イスが50〜60席ほど並べられ
立派な会場が設営されていました。


控え室には15組ほどの出演者。
インタビューをする為のカメラが数台。



一丁前にコーヒーを飲んでネタ合わせをして
一丁前にインタビューに答えたりしているうちに準決勝が始まりました。



MCは憧れのパンクブーブーさん、ジャングルポケットさん。



「ちょっとこの環境は早すぎやしないか…まだ人前での漫才3回目だぞ。いや、でも、こうやって、お笑い芸人の世界に飛び込んで行くんだ。」


心の中で句読点をたくさん打ちながら真っピンクの心臓は高鳴り、イベントが初まりました。


満員御礼、座れなかったお客さんが50人ほど周りを固め、2階3階の手すりから見下ろすお客さんが大勢。200名ほどが暖かく見守っていました。


正統派が出てきて、そうじゃないやつが出てきて、ウケて、スベって、会場の雰囲気は完全に仕上がっていました。


出番は中頃。今思うとすごく良い出順。


このコンビが終わったら…次だ。


僕の心臓は良くない時の歯茎くらい真っ赤に脈打っていました。


そして迎えた出番。



僕らのコンビ名が読み上げられました。








「オニオンマガジン!!」






何だろうオニオンマガジンって。
タマネギ、雑誌…
今思うと激ハズなコンビ名が読み上げられます。




「よし!(絶対にウケて決勝に進んでやる!)」


僕の気持ちは最高潮に高まっていました。
舞台に飛び出します。


「どうも〜!」





その瞬間、







頭上近くにあるエスカレーターから、白い何かが落ちてくるのが見えました。





「(ん?まあいいや)オニオンマガジンです!お願いしま〜す!」




深い礼から頭をあげた瞬間でした




最前列に座っていたおじさんが立ち上がり




「おい!なんだお前!」





と叫びました。





スタッフさんが急いでそのおじさんをなだめに行く。






スタッフさん「すいませんお静かにお願いします」







おじさん「いやあいつがエスカレーターからツバ落として来やがったんだよ!」





スタッフ「とりあえずこちらへお願いします(特設会場の外に誘導)」





おじさん「おい!(おそらくツバを吐いた人物を指差す)お前なんなんだ!(イスから立ち上がりどこかへ行く)」





完全にざわつく会場。



この間およそ10秒。







一方その頃僕たちは

通販番組に出てみたいという会話から
じゃあちょっとやってみようか。

という流れを同時進行で進めていました。




一方その頃僕の心は


「えっ?なにおじさんなに!?ツバ?さっき落ちてきたのツバ?イタズラ?おじさん今は勘弁してあスタッフさんお願いします進めないとよし俺のセリフオッケーこれえ?お客さんに届いてる?ふざけんなよイタズラしたやつえっと次俺のセリフで相方ボケるから大きな声でふる」







当時の僕にこんなハプニングを消化する力なんてありませんでした。




必死にネタを進める事しか出来ず、迎えた1つ目のボケ。




それに僕がツッコミを入れる




「いや何でだよ!普通の通販番組でいいから!」





ウケない。





単純に1ボケ目が面白く無かったのもあると思いますが、
その一瞬ではハプニングのせいだとテンパる舞台3回目の幼すぎる僕。




完全にパニックに陥りました。




「ほんとにさぁ…(…あれ?あれ何だっけ?)」




僕の頭は、完全に真っ白になり



僕は両手で髪の毛をかきあげながら絶対に言ってはいけない一言を口にします。











「ええっと、あぁ、…すいません」








ゲームセット



30秒コールド




なんとか続けてみるも飛ばし飛ばし、何を飛ばして何が出来たのかも覚えていない、地獄のような2分間が始まりました。





僕や相方の気持ちを汲んでか汲まずか、気を遣った笑い声を織り交ぜながら時が流れる会場。





そうこうしているうちにオチが近付き、ネタが終わりました。





舞台からハケた僕は膝から崩れ落ちて頭を抱えて一言。


「あぁ〜っ!めっちゃ噛んだ〜っ!」


と駆けつけたカメラ用に強がりました。


噛んだとかそういう問題ではない。


正しいセリフは


「完全に動揺した俺が対処出来ずに最初にネタを飛ばして地獄のような時間に陥った〜!」


です。


それを見た相方の


「ははっ!めっちゃ噛んでたな!」


という優しさしかない一言。







こうして僕らの甲子園は

「30秒コールド 開演前に衣装用に新しいワイシャツ買ったお店のお姉さん達も見に来てくれてたのに」

で幕を閉じたのでした。








この準決勝では同じ新潟代表のコンビ「神楽」が制し決勝に進出。

現在も活躍するパーマ大佐擁する「酒井・國土」は惜しくも敗れ、

別会場の準決勝では後に養成所の同期になる現レインボーの池田擁するコンビがまさかの敗退。

現コロナクラウン萬代 現チャイルドプリンス ラストオーダー織田のコンビ「あろ〜ず」が決勝に進出。


ハイスクールマンザイ2011を制したのは
こちらも後の同期となるリロイ・伊藤によるコンビ「ドラッパ」でした。



うわ懐かし〜。










あの頃の僕に、芸歴8年目になった今の僕からビシッと一言を伝えて締めさせて頂きます。









「青春してくれてるね〜!このハプニングねハイハイ!ごめん今でも無理だわ〜!



え!?だってなかなかないよエスカレーターからツバ落とされた人が激怒するハプニング!大当たりだよお前!



あ!でもね!今の俺ね!こういう時の対処上手い人いっぱい知ってるのよ〜!その人だったら笑いに変えただろうな〜!そうね今度紹介するよ〜!」









決まりました。

貴重な場をありがとうございました。





ちなみにこの準決勝、そして僕の悶絶までの一連の流れを刻銘に刻んだ動画が9年経った今でもYOU TUBEにございます!


「ハイマン元気リレームービー 第2弾」


というタイトルなのですが
サブタイトルが


「託される思い。途切れる夢。」


わたくし、途切れる夢役を頂いたので是非とも見て頂きたいです!


動画あげちゃいます!


https://youtu.be/3cN4lE-CoMY



彼女から貰ったパツパツポロシャツ
ゴツめ腕時計、長えり足、1ヘクタール脇汗
の僕を見て一緒に悶絶してください!




長々と思い出話を失礼致しました!
まさかの励ましや勇気になる事を願ってまとめさせて頂きました!




俺の夢はまだまだ!
途切れてないぜぇ〜っ!!




この記事が参加している募集

部活の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?