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【僕とバイトとクビ】




どうも!山口コンボイです!
チョキピース!

僕は2012年に上京してから9年間で10個以上アルバイトをしてきました!

たくさんクビになりました!

なので!クビ数をカウントしながら最後両親に謝る事にしました!

何個クビになったでしょ〜!?

はじまりはじまり〜!







2014年3月、芸歴2年目の僕は神奈川県のとある街に引っ越した。

都内へのアクセスが良くて家賃も抑えられる街。

我ながらナイスアイデアだった。

NSCと芸歴1年目を過ごした街を後にし、天気の良い日に引っ越しは終わった。

引っ越した家の最寄りのスーパーで買い物をするというワクワク大イベントを済ませて再び新居に向かう。

「(これから毎日歩く道だ!坂道だけど緑もあっていいなぁ。)」

そんな事を思いながらルンルンで歩いた。



しかしこの道は、果てしないクビロードだったのだ…!



引っ越したこの時点で、

お昼は上京して1発目のバイト先の牛丼チェーンで、夜はキャバクラのボーイのバイトをしていた。

昼も夜もバイトを新居の近くで探して、家から遠くなった牛丼屋とキャバクラをフェードアウトしようとしていた。


まずはお昼のバイトを探しにさっそく個人経営のコーヒーショップの面接に行った。

初老のマスターが「芸人さんなの!?俳優さんかと思ったよ〜!」なんて具合で採用してくれた。

「爽やかだから人気あるでしょ?」なんて言われながら出勤した。





2ヶ月でクビになっちゃった。



マスター「山口君ちょっといいかな?」

僕「はい!」

マスター「辞めてもらおうかと思ってさ〜。」

僕「え!?マジすか!?」

マスター「マジマジ。」

若者言葉というゴムをつけて僕のクビ童貞を鮮やかに奪うマスター。

マスター「なんか山口くんバイトかけ持ちしててずっとしんどそうなんだもん!」

僕「すいません…」

マスター「疲れて体力残ってませんみたいな感じ!最近ミスも多くなってきてるし、爽やかで仕事出来そうなのにもったいないよ〜!」

僕は必死に笑顔で切り返す。

僕「ははっ!見た目の割に仕事出来ないってイヤなギャップですね!」

マスター「それそれ!マジマジ!」

あぁっ・・・!

自分で自分が傷つくイイ感じの言葉にしちゃった!



クビ1!

メモ「イヤなギャップ」


コーヒーショップと同時期に居酒屋の面接を受けていた。

履歴書を忘れて第一印象しか持って行かなかったけど受かった。

店長「芸人か〜初めてだな!まあ元気あるし履歴書はいいよ!俺から社長に言っておくわ!」

僕「いや申し訳ないんでまず社長の家の掃除からさせてください!」

店長「調子いいよね〜!社長に気に入られそうだな!明日から宜しく!」

てな具合で怖いものなんて何も無かった。



割と忙しい居酒屋でテンパりながら、仕事はできないなりに少しづつ慣れていった。

同時に新しい街での生活にも慣れて来ていた。




という事でお昼の新しいバイト探しリベンジ!

割の良いパチンコ屋のバイトを見つけた!

しかもキャンペーン中で!?

最初の20出勤が時給2000円!?

ちょっと待てこんなウマイ話があるもんかと!

情報リテラシーが高い僕は注意深くサイトを確認した!


※期間中無遅刻無欠勤が条件です。


はいきたよ!
トラップ!

達成できるやつがこの世の中にいるもんかと!

…いや待てよ。

何やら都市伝説で、

「遅刻は社会人として有り得ない」

という陰謀論を唱えている秘密結社がいるとかいないとか。

…もう俺は東京で頑張っていくと決めたんだ。

この20回を達成して、

その組織に潜り込んでやる…!

僕は面接の約束を取り付けた。



面接担当の社員さん「うちは笑顔での接客を心がけてい…合格ですね。あなたの笑顔は素晴らしい。愚問を失礼しました。私が辞めてあなたが入ります。」

笑顔の神童は鳴り物入りでホールを回した。

初日からマイクで新台の案内もさせてもらった。

すごいな!期待の証だよ!なんて仕事が出来そうな先輩に言われた。





そしたら2日目で1時間寝坊しちゃった!

なんかでもあんまり怒られなくてラッキーだった!

時給2000円の夢は絶たれたけど、そもそもの時給が良かったから気を取り直して頑張ろうと思った。










帰り道電話かかってきてパチンコ屋さんクビになっちゃった。


社員さん「山口さん申し訳ないのですが、本日以降の出勤は不可となってしまいました。」


こういう時の僕みたいなやつは冷静を装う。


僕「かしこまりました。本日以降の出勤は不可という事ですね?」


仕事が出来るやつのリズムでオウム返しをする。


社員さん「左様でございます〜。」



クビ2!

メモ「左様でございます〜。」





僕「(寝坊ってほんとダメなんだな〜。いやなんだよそれ!するだろ!いやしようぜ!)」

社会に辟易した僕は深いため息をつく。



だけどこの日は楽しみがあった!

居酒屋の方の給料日だったのだ!

ヤッター!!

しかもゲンナマ手渡しスタイル!

お金が増える!!

歩いて数分の居酒屋に向かい給料を意気揚々と受け取りに行った!










給料受け取ったらクビになっちゃった。

店長「はいこれ給料ね」

僕「ありがとうございます!」

店長「山口あのさ、社長がもういいってさ〜」

僕「もういい?ってなにがですか?」


主語がないもん。
何がもういいのか分からないもん。


店長「いやもう入らなくていいってさ〜」

僕「関係ないです俺入ります。」

という言葉をグッと抑え込み尋ねる。

僕「あっ、クビって事ですか?」

店長「んん〜…まぁそういう事だな。」

僕「なんでみんな「クビ」っていう表現を避けて伝えるんですか!?切るならズバッと切ってくださいよ!」

という言葉をグッと抑え込み、

僕「…ングッ」

と言い放ち店を立ち去った。



クビ3!

メモ「社長は仕事が出来る人が好き」





そう。僕は1日で2つバイトをクビになった。

その日、日本で1番バイトをクビになった。

かかってこいよ。

お前が探してたのは俺だ。








この街から引っ越そうと決めた。

引っ越したらなんか変わると思った。

街のせいにするのが1番優れた判断だった。



よし次は都内だ!
劇場と吉本本社が近い街で芸人とルームシェアをしよう!


俺がバイトをクビになるのは!
劇場と吉本本社が近い街で芸人とルームシェアをしていないからだ!


すでにルームシェアをしていて渋谷近辺への引っ越しを考えていた同期2人に混ぜてもらって、3人でルームシェアをする事になった。


マジで最高だった。


クビ駅向かいのクビ坂を越えた先にあるクビ物件から荷物が運び出される。


僕のせいでいわくつき物件になった部屋に一礼。


新しい街に引っ越した。





このタイミングでほとんど出勤していなかった牛丼チェーンとキャバクラのバイトを円満にやめた。

この2つに関してはなんと引き止められた。

本当だよ。



牛丼チェーンは、1人回しの深夜に大学生20人がやってきて10人くらいまで全力でさばいていたら完全にお米が切れて、「炊き上がるまでお時間頂きます!」と頭を下げた瞬間一滴の涙が床に落ちるのが見えた事があるくらい頑張っていたからだ。



キャバクラは、お客さんに「芸人なんでしょ?なんか面白い事やってよ〜!」と言われたら平気でマンキンでなんか面白い事やってウケたりスベったり女の子が山口本当サイコー私結構タイプなんだよねとか言っちゃうもんだから男性客に嫉妬されて雰囲気ぶち壊しにしたりしていたからだ。



「(俺って…自分からバイト辞めれるんだ…!)」



感謝しかないバイト先から旅立った僕は東京の有名な道路を新しい自転車で駆け抜けていた。

「(クロスバイクってこんなに早いの〜!?)」

道路脇の自転車マークをなぞりながら「俺ヒットメドレー・チャリの時セレクション」を口ずさむ。


街の風を浴びるには自転車がちょうど良いや。

クビ3、円満辞め2。を経てバイト先が無くなった。

ちょうど良いや。

俺はこの街で新しくなるんだ。





しかしこの道が!果てしないクビサイクリングロードだったのだ!





新居の近くで2つバイトの面接を受けた。

だが僕はもうバイトの面接が怖くなっていた。


「僕が仕事ができないやつって気付いてるんじゃないですか?」

「寝坊は週何回まで可能ですか?」

「あなたは僕をクビにしますか?」


画期的な質問が頭を駆け巡るが押し殺して笑顔を作る。








同じ日に面接2つ受かった。

サンキュー第一印象。

漫画喫茶とコンセプト居酒屋に受かった。



「1日に2つクビになる。」

「1日に2つ面接に受かる。」

この2つの人生ミッションをどちらもクリアしたプレイヤーは他にいるのだろうか。







漫画喫茶とコンセプト居酒屋で生計を立てる僕!

売れてないなりにライブやオーディション!深夜稽古などで忙しい日々!

同居人!近所の同期後輩とくだらない遊びで盛り上がって!

ご近所の先輩にご飯ご馳走になったりして!

楽しい〜!!!

そんな楽しい毎日と両立してきちんとアルバイト!










それだけができなくてどっちもクビになっちゃった!



バッカみたい!





漫画喫茶はまともなクビだった。

お店の方針で人員を削減してる時期、深夜1人回しなのに30分くらいバックヤードで寝ちゃって起きたらカウンターに6人並んでてクレームがすごかったからだ。


クビ4!
メモ「バックヤードで横になれる内装のせい」



漫画喫茶を「真っ正面からのクビ」とするとコンセプト居酒屋でのクビは最悪だった。



このコンセプト居酒屋というのは監獄をイメージした内装に200席以上。シャレの効いたお料理を出す人気店だった。

30分に1回ピエロやゾンビの仮装をした従業員がお客様を驚かせるというアトラクションつき。

こういう所でバイトするのは経験としてすごく良さそうだと思った。

当時の僕は22歳。
22歳というのは全年齢の中で一番若い年齢だ。

なのに20人程いるアルバイトの中で僕は3番目に年上というだいぶ若いバイト先だった。

こういうバイト先を選ぶだけあって女の子もカワイイし男の子もイケてた!

芸人の僕を暖かく迎え入れてくれたんだ!


よ〜し!どんなスタンスでいこうかな〜!
おじさん頑張っちゃおうかな〜!
いやおじさんって!言っても俺まだ22だからね!
みんなが若すぎるんだよ〜!
なんて言っちゃったりしてさ〜!


ふんふんふ〜ん♪





気付くと僕はスカしまくっていた。

山口七後悔のうちの一つ。

【コンセプト居酒屋でスカしまくって浮いてた。】



「なんか若いなぁノリ合わねぇや」

「俺有名な街のキャバクラで働いてたから色々世間知っちゃってるもんで話が合わないんだな」

「全然売れてないけどそれなりにライブ出てるからこんなとこで張り切って面白い事言っても仕方ないよね」

最低な心のお守りオンパレード。

あいだみつをみたいな文字で書いて部屋にかざれバカ。





スカしたスタンスなのに仕事が出来ないんだよなぁ。みつを



店が忙しくなればオーダーミスは俺にさせろと言わんばかりにテンパっていた。

1人で店の締めを任された時は内装が怖すぎてやりたくなくて現実逃避して個室で横になってたら寝ちゃって昼になってた。


そんな俺に店長や社員さんが優しくしてくれて、みんなとの飲み会を開いてくれたりしたのに僕はどうも弾け切らなかった。

キャバクラでなんか面白い事をやりまくっていた僕とは思えなかった。

壁を作ってしまっていた。



だけどそんな僕にも「ライブ見に行ってみたいです!」と歩み寄ってくれてライブに来てくれる子達がポツポツと増えて来た。


結局7.8人が足を運んでくれて、バイト中に「いや山口さんライブだと面白いから!」という声が遠くから聞こえた事もあった。


山口面白い派と面白くない派で討論をしてもらえる所までは持っていけた。



そのあたりでなんと俺をめちゃくちゃ好いてくれる女の子も現れたりしてだんだんイイ感じになってきた!










ほいで3回連続で寝坊してクビになった!







お父さん!お母さん!
ごめんなさい!

俺!クビ5なんだ!!!

仕事が出来ない上に寝坊しまくるってのは心配しなくていいよ!親族に見当たらないから俺だけの才能だし!

スカしてた事が1番の後悔だね!
お父もお母もそれが1番イヤなんじゃない!?
マサがスカしてたの〜!?って!

でも大丈夫!
きちんと誰かの役に立つように!
メッセージを残そうと思うんだ!

今これを読んでいる人の中に夢を追いかけながらバイトをしている人が居たらこれだけは伝えたい!



「バイト先でスカすやつは!面白くない!」



って!

良いメッセージだよねこれ!

仕事出来ないのと寝坊しまくるのは棚に上げてスカすなよっていうメッセージにシフトできたしマジラッキーだし!



そのコンセプト居酒屋から5.6個のバイトしたけど1個もクビになってないよ!

スカしてないから!

仕事出来なくてもニコニコ楽しくしてたら需要あるみたいなのよ!

学んだよね〜!





まあ売れてバイトどうこう言わなくなるから安心してよ!

おかげさまの第一印象で売れていくよ!

いや第一印象良くても仕事出来なきゃ売れていけないか!

何を学んだんだよって!そうなるね!

ごめん普通に頑張るわ!

え!?いいんだよね!?

いや!そうか!

普通にめっちゃ頑張るわ〜!

オッケー!

え?オッケーだよね!?

安心!?だよね!

コロナ落ち着いたら帰るわ〜!







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