ほんとにあった!呪いのビデオを楽しむために

ほん呪について

ほんとにあった!呪いのビデオ(以下ほん呪)は、1999年から続く心霊ドキュメンタリーの本家と呼ぶべきシリーズです。
ジャンルとしてはフェイクドキュメンタリーやモキュメンタリーと呼ばれる作品です。(なお、公式ではフィクションとは断じていません。)
なんと今年3月で105巻を数え、20年以上続く歴史の深いシリーズになっています。
心霊映像によくある「お分かりいただけただろうか?」というナレーションもこのほん呪で定番になりました。

構成

ほん呪は基本的に1エピソード数分~30分程度の「調査と投稿映像」から構成されます。
「調査」ではスタッフが関係者への聞き込みや現場検証などを行い、映像に関する情報を集めます。
そして、ある程度映像への知識が提示されたところで、「投稿映像」が紹介されます。「投稿映像」は投稿者が日常の何気ないシーンや心霊スポット探索、監視カメラなどで撮影してしまった実際の映像です。
ベスト10は、20年の間に投稿された数百の作品群から、よりすぐられたエピソードが10エピソード、収録されています。お互いに全く関係の無いエピソードが10個収録された、いわばオムニバスとお考えください。

リアリティを楽しもう!

昨今はフェイクドキュメンタリーが発展し、数多くの作品が制作されています。「フェイクドキュメンタリーQ」のような謎が謎を呼ぶ作品、「変な家」のようなストーリー性のある作品、「こわすぎ!」「三茶」のようにインパクトやコメディを取り入れたエンタメ性の強い作品が多いと思います。
しかし、ほん呪の魅力は「リアリティ」だと考えています。
ベスト版ということもあり、一つ一つのエピソードは短く、先述の作品と比べると地味に思えるかもしれません。映像技術が今ほど発展していない1999年からのベスト版ですので、現在の視点から見ると「これだけ?」「今のが?」と思うような現象があるかもしれません。
しかし、派手な映像ではないぶん、「もしかしたら本物かもしれないのでは?」という思いを抱かせてくれます。

フェイクドキュメンタリーは「あくまでドキュメンタリー風に作られた"フィクション"」として見る人と、「実際にあったことを記録した"本物"の記録映像」として見る人の2種類があると思っています。ほん呪は後者として観ると楽しめるかな?と思います。

最後に

上でリアリティ云々と描きましたが、楽しみ方はそれぞれです。
投稿映像のどこに霊体が映り込んでいるのか探すのもよし。この霊はなぜ現れたのかを考察するもよし。楽しみ方は人それぞれです。ちなみに、ほん呪シリーズは定期的にスタッフが入れ替わるので、エピソードごとに演出や意図が変わるのもベスト版の楽しみ方だと思います。
初期の監督であり、現在の作品でもナレーションを担当しているのが中村義洋監督で、「残穢」の監督や「仄暗い水の底から」の脚本でも知られています。

おまけとして、収録されている映像が発売された年を一覧化します。画質や映るものに時代を感じるのも楽しみ方かも知れません。

作業服の男(1999年)…実は本編は長編で、その一部をベスト版に収録するために切り抜いたものなので、少し分かりにくいかもしれません。
犬の散歩(2009年)
首の家(2011年) おすすめ!…こちらは続編があります。気になる方は「続・首の家」をチェック!
頭のおかしな老人(2004年)
かくれんぼ(2017年)
吊り橋(2014年)
夜警(2013年) おすすめ!
廃神社(2007年)…こちらも続きとなるエピソードがあります。気になった方はエピソード「続・廃神社」をチェック!
余命(2006年) おすすめ!
疾走!(2004年) おすすめ!

ストーリー性が欲しいな、 と思った方は
ほん呪55やほん呪100をおすすめします。100はほん呪の記念碑的な作品で、初期以来久しぶりに中村義洋監督が演出を担当した作品ですので、ほん呪初期の作品をいくつか観てから楽しむとより楽しめます。ただ、初見でも十分面白いと思います。世間を賑わせた、あの感染症が大きく関わります。

それでは、ほんとにあった呪いのビデオ ベスト10、お楽しみください!


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