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やり直すならバスケ部でPG

元々、スポーツは屋内競技の方が見るのもやるのも好きで、サッカーや野球よりは、バレーやバスケの方が好きだ。小さい頃からテレビ中継で好んで見ていたのはバレーだったし、バスケはやるのが好きだったのもあって、今もその2つの競技に対しては事あるごとに熱が上がりやすい。

その昔ミニバスをやろうとして、地域のクラブチームの入部申込書のようなものを書いた後に、そのチームにいる子たちが怖くて入部を諦めた苦すぎる思い出や、身長が平均より少し高くジャンプ力があったので体育のバスケの授業でそれなりに活躍し、それなりにガラスに突っ込んだ、苦くてすこし痛かった思い出があるが、基本バスケは好きである。素人レベルで遊ぶ分にはボールひとつあれば楽しい。

前回noteには春高バレーにクソデカい感情を持ってしまった話を書いたが、今回はそんな楽しい思い出も苦い思い出もあるバスケのターン。
齢26のアラサー、この歳にしてバスケ漫画の金字塔作品「SLAM DUNK」を履修した。そして見事に泣いてハマってしまった話。

きっかけは大ヒットロングラン映画「THE FIRST SLAM DUNK」
周りに薦められるままに、桜木花道と流川楓しか知らなかったので、ほかの登場人物の名前・学年・ポジションだけ頭にたたき込んで何となしに見に行った。映画で描かれた山王戦が物語の終盤ということすら知らなかったのに、見終わった帰りに原作をまとめて買い、その後映画を6回くらい見た、当社比・見過ぎ。
原作と映画では主人公が違うため、物語の視点や進み方が違うのもハマる要素のひとつだったかもしれない。原作の主人公は桜木花道(と流川楓)だが、映画の主人公は宮城リョータ(と三井寿)、登場人物は原作と変わらずとも、桜木花道が見ている世界と宮城リョータが見ている世界の違いが、周りのキャラクターたちの描かれ方からもわかる。例えば、桜木にとってのヒロインは晴子ちゃんだが、宮城にとってのヒロインは彩子さんであり、映画で綺麗に描かれているのはやっぱり彩子さんの方だった。
桜木にとってのバスケと、宮城にとってのバスケの存在も違うだろう。

原作では、メインとなるキャラクターたちの過去はあまり描かれておらず(過去がいちばん描かれているのは山王の2年・沢北栄治というのが何とも不思議)、映画で描かれる宮城の過去も、原作には描写がない。映画を見た後に原作の山王戦を読み、また映画を見た時には、沢北の過去描写ごっそり削ぎ落とされてるんだ…、あれもこれも無い…、と驚きながら見ていた。実のところ映画初見でいちばん目が惹かれたのはこの沢北だった。湘北のメンバーじゃなかったことに我ながら驚いている。まさかの相手校のメンバー。
高校2年にして、高校No.1プレーヤーの称号を欲しいままに、インターハイのポスターにもなってしまう山王工業のエース、誰もがその実力を認めざるを得ない天才。インターハイ前に神社にお参りする描写があるが、そこでは、"高校バスケでやれることはやりました。もう俺に証明すべきことはありません。俺に必要な経験をください。もしあるのなら、それを俺にください" と神さまへお願いし、試合では流川の前に立ちはだかり、"日本一のプレーヤーになりたいのか?流川、なるがいいさ。オレのいない日本でな。夏が終わったらオレはアメリカだ"と言い放つ、妙に仰々しく、高慢な奴だな…と思わなくも無かったが、その自信が生み出すプレーはたしかに圧倒的で超高校級で、勝つことだけが見えている、敗北を知らない覇者のそれであった。この試合で負けるなんてことは微塵も思ってないし、勝ちを疑っていなかったわけだ。

私が沢北にグッと引き込まれたのは、試合後にロッカールームに向かう廊下で泣き崩れるシーンだった。まさかの山王の負け、沢北の神さまへのお願いは"負けの経験"をもって叶えられた、叶えられてしまったのだ。きっと彼はアメリカに行く前に、インターハイで優勝するまで山王でバスケができると思っていたに違いない、あの泣き崩れ方は、負けへの純粋な悔しさと、もっと山王でバスケをしたかったという寂しさも混じっているようなそんな気がした。この描写も原作には無かったので、映画から見たおかげで沢北に対してとてつもない人間味を感じたのかもしれない。原作で深掘りされた過去を見て、どんな天才プレーヤーだろうと、人間としては一端の高校2年生で描かれているのがとても良かった。
沢北の話しかしていないが、私のこれまでの二次元の推したちの傾向から流川を好きにならないはずがなく、あえなく沼落ちし、いつのまにか三井、宮城まで好きになっているし、海南戦を読んで海南箱推しになるしと、推しは多けりゃ多いほど幸せになれるからこれでいい(?)。原作をさらに読み込もうと思う。また推しが増えてしまう…。

そして、何を血迷ったか、Bリーグの試合観戦も趣味のひとつになった。漫画を読んでいたら、実際の試合を見たくなったというようなよくあるのでパターン。
何となしに東京のチームの試合を観戦しにいってみたときに驚いたのは、エンタメ性の高さ。選手入場や試合中の演出、ハーフタイムもアリーナで開催されるだけあって、照明もモニターもまるでライブのような使われ方で常にワクワクしたし、会場内の企画イベントも家族連れ向けのものも多く、しっかりテーマパークの様相を呈していた。いつかこういうスポーツ観戦の企画をプロデュースする仕事もやってみたいなと軽率に思った。試合中に常に音楽が流れている(オフェンス、ディフェンスで変わる)のも新鮮に感じた。バレーの試合だとサーブを打ってからボールが落ちるまでは音楽は流れず、1プレーが終わってから音が流れるため、プレー中はファインプレーが起こると沸き上がる以外は静かなことが多い。スポーツによる色の違いを感じておもしろかった。他のスポーツも試しに観戦しに行ってみたくなってくる。

そんなこんなで推しチームまでできた。高校生の頃に見ていたウィンターカップ、テレビ画面の向こうで抜群に輝きながらバスケをしているように見えた選手がいた。あまりの圧巻のプレーに惚れ惚れしてしまい、たしか一時期ラインのプロフィールのカバーをその選手にしていた覚えがある。そこから約10年、その選手はプロバスケットボールプレイヤーになり、現在は名古屋ダイヤモンドドルフィンズでキャプテンを務め、日本代表にもなっていた。ド素人ながら見る目があったのかもしれない、勢いで名古屋遠征もしてホーム戦も見た、フットワークが軽すぎるし、勢いで金を飛ばしすぎである。ちなみに、Vリーグの推しチームも名古屋を拠点とするチームなので、頭を抱えている。遠征費……。
移籍もなく、来シーズンも名古屋にいるようなので、安心して名古屋にとべるが、遠征費……、貯めねば……。

先日5/28、Bリーグのプレーオフファイナルを横浜アリーナで見てきた。横浜アリーナはバンドやアイドルのライブでしか行ったことが無かったので、どのような見え方なのか気になったが、3階スタンド席でも思っていたよりコート上の選手たちがよく見えた。推しチームはプレーオフ進出は決めたものの、初戦で沖縄のチームに負けてしまい、横浜アリーナでバスケを見ることは叶わなかったが、その沖縄のチームがリーグ初優勝をかけて横浜アリーナへ乗り込んでくると聞いて、優勝する瞬間を見てみたいと思い、ノリ一発でチケットを買った。
会場の観客席は、千葉ジェッツの紅と、琉球ゴールデンキングスの白で、真ん中からくっきり分かれ、さながら紅白戦の様で、ブースターたちのチームへの愛が感じられた。
試合は、GAME1で勝ち星を上げ、優勝に王手をかけていた琉球のペースで進む、2Q終了時には9点のリード。折り返しの第3Qでは、琉球がゴールに嫌われる時間が長かったように思う、その間に千葉が王者の意地で流れに乗り出し、最大で15点近くあった点差を一時的に逆転する時間もあった。第3Qが終わるまでは一進一退の攻防が続き、勝負の第4Qは千葉54-57琉球の3点差から始まった。見ている側もハラハラが止まらない、先に抜けたほうがこのゲームをモノにするような雰囲気の中、リードを作ったのは琉球。そのリードを保ったままあれよあれよ流れに乗って点差をつけ、そのまま勝利を掴んだ。
琉球の最後のオフェンスはギリギリまで時間を使い、ブザーと同時に終了、試合時間残り10秒を切ったあたりで、優勝を確信し歓喜に沸くブースターたちが続々と立ち上がる景色が目に焼き付いている。
シーズンを通しての観客動員数はこの琉球が1位だったらしい。そんな数字に表れるように、地元の人たちからも応援され、愛されているチームが優勝する瞬間を見られたのは他チーム推しとはいえ、とても嬉しかった。
来シーズンは推しチームがこの舞台に立てるように願う……!

久々にバスケ熱が上がったので長々書いてしまったが、NBAにも興味がわいてきているので、とりあえずはまずバスケへの理解を深めるために勉強をぼちぼち始めた。勉強といっても、シュートの種類を覚えるとか観戦数を増やすとかその程度から。新しい何かを覚えるのは楽しい。やはり人生は常に勉強でないとおもしろくない。
勉強したいと思うことが多くてなかなか大変ではあるが、ひとつずつ消化して脳みそのキャパをこじ開けていきたい、老化させる暇はない、…急にストイック。
次の季節にはまた全然違うことを勉強し始めているかもしれないし、興味があるものはなんでも手を出す節操なしで、これからも生きていたい。

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