家なき詩人はもうすぐ死ぬ
「人間に急にしっぽが生えたら。たとえば、移動を急いでいるとき。次の電車が来ちゃう。早くトイレから出なきゃ。慌ててズボンを上げて。電車に乗るときに気付くんだ。腰の辺りから、しっぽが外に出ちゃっていること。絶対にドアに挟まると思うなあ。痛覚はない。気付いたら引きちぎれているんだ。尾てい骨から伸びてて、太さは親指くらいで、長さはふくらはぎまで。しっぽ切り通り魔が出て、街のそこらじゅうにしっぽが落ちていて社会問題になる。しっぽ掃除人現る。しっぽ守る人売る人続出との号外が配られる。その