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教会でインシャアッラー

砂漠を抜けると、人や建物がちらほらと現れてきました。

夜になると、お昼にも増して女性や子供がいなくなります。男性はカフェに集まってお茶をすすったり、シーシャを嗜みながらみんなでサッカーの試合を見ています。バスの中からぼーっと外を眺めていると、ニコニコしながら手を振ってくれました。女性がここに姿を現す日は来るんだろうか。

一時間くらい揺られた後、バスはfayoumで一番大きな教会に到着しました。トイレ休憩かなと思っていたら、「今日はここに泊まる」と先生が言ったとき、みんなの顔が無事死亡しました。人生で修道院に泊まったことありますか?武勇伝になりそうすぎる。

ところで、641年、エジプトにイスラームが伝達する前、エジプトの主流宗教はコプトキリスト教でした。(その前はエジプト多神教、太陽神とかピラミッドの時代です)

私たちのグループは30人くらいでしたが、ほとんど皆ムスリムです。大丈夫なのか?と少し思いましたが、エジプトのムスリムとクリスチャンは互いの宗教に非常に寛容です。違う「宗教」という括りではなく同じ「エジプト人」としてお互いを見ている気がします。ファラオの血が騒ぐぜ(言ってません)

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「アラビア語=イスラーム」というイメージがあったので、こういう場所でアラビアがが書かれていたり、エジプト人のクリスチャンがアラビア語を話していると不思議な気持ちになります。ここの教会でもっとも権威のあるイブラヒム様のお話も聞いたのですが、普通に「インシャアッラー」って言ってた。

ふと一年前、宗教の授業でエジプトのコプト教について、「エジプトにもキリスト教があるなんてびっくりです!!すごい!」みたいなアホ丸出しのレポートを書いたのを思い出しました。

ちなみに、グループの中にクリスチャンの方もいて、彼女たちは今断食をしていると。ムスリムの断食(ラマダン)は、1ヶ月間日の出から日没まで、何も食べ物を口にしませんが、クリスチャンは「動物性由来のもの以外を食べる」らしいです。1ヶ月間ヴィーガンになるといった感じでしょうか。

「修道院で寝る」というパワーワードを聞いて、「部屋にあるマリア様の絵が動いたらどうしよう」とか考えたけど、気づいたら寝てた。

次の日の朝は、教会の横にある小さな博物館も見学しました。

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「キリスト教の教会」と聞くと、ケルン大聖堂のようなステンドグラス張りの、豪勢な建物を想像する人が多いかもしれませんが、エジプトの教会は少し違う。建物の外見はモスクっぽい丸っこいドーム型でわりと質素。例えば宗教画なども、コプト教の絵画は力強く、陰影がない、淡い色を使っていない。みんな表情が同じ。同じキリスト教でも地域や宗派が違うと、その形も大きく異なります。

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なんか絵が渋いよね。キリスト教がエジプトで生き残るぞという力強さと気迫が感じられる一枚となっております。

余談ですが、日本人はクリスチャン以外も教会で結婚式を挙げる方が多いですが、あれは何故でしょうか?来年ムスリムの友達の結婚式に参加する予定なので、キリスト教や日本との違いなどを書いていけたらいいなと思います。

サラーム🐪




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