見出し画像

帯状疱疹

 たいした話ではないのだが、5月連休の間に帯状疱疹を発症してしまった。話には聴いていたが、実際に経験してみないと、その痛みはわからない。命に関わる病気ではないにしろ、あまりに痛みが酷いと夜、睡眠をとるにも支障が出てしまう。
 ご存じない方もおられるかも知れないが、この病気は子どもの頃に罹患した「水疱瘡」のウイルスが体内に潜んで残り、体調が弱った時などに再び活性化して発疹を生じさせるとともに神経を圧迫し、強い痛みを覚えるものである。
 当初は、変に肩が凝るような感覚だったが、しだいに痛みに変わっていった。私の場合は左腕と左の背中だったが、発疹が身体の左右いずれかの側だけに現れるのも特徴である。発疹が現れた場所と、神経の痛みを感じる場所とが離れていることもあって、帯状疱疹に罹ったことがない人は、それと気づくのに時間がかかることもあるだろう。だが、この病気を治すには早めに気づいて、我慢せずに皮膚科の医師を受診することが一番である。
 おそらく標準的には、痛み止めの薬と抗ウイルス薬とを処方してもらい、一週間ほど服用して再度受診するという流れになると思う。私の場合は、幸いに、その一週間の間におおよそ回復したのだった。連休中ではあったが、帯状疱疹ではないか、と疑って連休明けに早速に受診したことが奏功したのだろう。
 一説には、発症してから一週間くらいの間に医師の診断にもとづいて療養するか否かで、この病気が早めに治るか、あとあとまでひきずってしまうか左右されてしまうらしい。帯状疱疹に一度かかればウイルスに対する免疫が出来るので、10年くらいは再発しないで済むようなことを医師から聞いたしだいである。
 私の経験を知人と共有したところ、いくつかの知見をいただいた。一人の知人は、症状を我慢して医師の診断を仰ぐのが遅くなってしまったのか、発症してから治るのに9ヶ月もかかってしまったという。また、別の知人は、大人になってから発症するのが普通のところ、19歳で発症してしまい髄膜炎まで進行してしまったそうである。さらに、もう一人の知人は、帯状疱疹にこれまで3回罹患したそうで、一度かかったら10年免疫ができるという医師の話に懐疑的であった。しかし、その人は2回め、3回めの時には「ああ、これは帯状疱疹だな」とすぐわかったので医師をすぐ受診して大事に至らずに済んだという。
 おそらく、前述したことでもあるが、最後に記した知人のように、疑わしかったら直ぐに医師に診てもらうことが最も重要なのだろうと思う。帯状疱疹を予防するためにワクチンを接種するという方法もあるそうだ。ところが、このワクチンなるもの高価なのに、効き目は確実ではないそうだ。その上副反応がありうるらしい。更に帯状疱疹は、ほとんどの人が罹患するリスクがありながら実際の発症率は、80歳までに累計で3人に一人となかなか微妙な数字らしい。
 そういうわけで予防措置を考えるよりも、自分の変調に早めに気づいて、早めに医師の診断を仰ぐことが現実的で効果的なのだと思われる。これは、帯状疱疹に限らず、あらゆる疾病リスクについて該当することかも知れないけれど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?