星が海を渡るころには
星が海を渡るころには
命を絶っても良いと聞いた
星が海を渡るころには
人を千切って良いと聞いた
たしか叔母が言っていた
星が海を渡るのを見たら
柵を壊して逃げても良いと
通じなくなる言葉
日に日に増す軋轢の音
理解できない感情の動作
気に食わない咀嚼音
粗雑なカトラリーの音
目を瞑れない足の運び
自分勝手な解釈
変わらない被害妄想
掲げられる一方的な正義
何かが嵌れば或いは
円滑に進む盤面かも知れないが
生憎とその気力も
体力も底をつきそうだ
目の前にある前途ある未来だけ
小匙ほどに気にはかかるが
おそらく心配いらないだろう
星が海を渡るころには
命を絶っても良いと聞いた
星が海を渡るころには
人を千切って良いと聞いた
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