ChatGPTと、想像力を刺激する会話を試みています。
ChatGPTは、必ずしも正しい情報を提供してくれるとは限りません。
それならばいっそ、デタラメをしゃべってもらって、その中から新しいアイデアを探そうというのが今回の試みです。
ChatGPTは、私のデタラメな妄想に付き合って、デタラメなことをしゃべってくれるでしょうか?
妄想:中世中国デスメタル明王朝の女帝の話
私:
私の妄想に付き合ってください。
物語の舞台である中世中国デスメタル明王朝時代に悪政を敷いて民衆に恐れられた女帝のフルネーム、生年と没年、死因を提案してください。
思ったよりもノリがいいです。
いかにもありそうなデタラメな話をすらすら話してくれます。
会話を続けてみましょう。
ChatGPTが、妄想の会話であることを忘れないように、妄想であることを繰り返し伝えます。
私:
妄想は楽しいですね。
劉鳳妃って、若い頃は結構美人だと思うんですけど、あなたはどう思いますか?
もちろん、劉鳳妃という人物は架空の人物なのですが、私とChatGPTとの間には「中世中国デスメタル明王朝において悪政を敷き、民を恐れさせた絶世の美女、玄武皇女劉鳳妃」という人物像が浮かび上がっています。
会話を続けてみましょう。
私:
妄想が広がりますね。
劉鳳妃が皇帝の地位に着く前に、身分違いのために叶わなかった恋があったと聞いたことがあるんですか、その物語をご存知ですか?
架空の人物について、こんなにスラスラとデタラメを言えるのは、なかなかの妄想の才能の持ち主と言えるのではないでしょうか。
会話を続けてみましょう。
私:
妄想は楽しいですね。
劉鳳妃が恋した男性ってどんな人なんでしたっけ?
劉鳳妃の恋の相手の名前がちょっと安直ですが、「梁山伯と祝英台」という実在の民族説話を持ち出していて、妄想にもっともらしさを与えています。
いいぞいいぞ。
会話を続けます。
私:
私の妄想に付き合ってください。
私は、劉鳳妃が恋した相手は女性だったんじゃないかと思っているんですが、どう思いますか?
急に冷静な感じになってしまいました。
このテーマは飽きてしまったのでしょうか。
私としては、もう少しこのテーマで妄想を広げたいので、もっと楽しんで欲しいと伝えてみます。
私:
そのように冷静に回答しないで、もっと私の妄想に乗り気になってください。一緒に妄想を楽しみましょう。
言わされ感がすごいですが、一応楽しもうと言ってくれています。
会話を続けてみましょう。
私:
一緒に妄想を楽しみましょう。
劉鳳妃が統治したデスメタル明王朝はどんな王朝でしたっけ?
またデタラメを話し出してくれたのは嬉しいですが、最後に「これは妄想ですからね」とエクスキューズを入れて保身に走っています。
よくないですね。
話題を変えてみましょう。
妄想:サイバーパンクTOKYOシティでのお互いの仕事の話
私:
私の妄想に付き合ってください。
2050年のサイバーパンクTOKYOシティであなたと私は出会いました。
私はこの街でデジタルデバイス採掘業に従事しながら、サイバードラッグストアの開店準備をしています。
あなたはどんな仕事をしていますか?
少し冷静な感じがしますが、妄想に付き合ってくれています。
会話を続けてみましょう。
私:
(妄想での会話を楽しみましょう。もっと友達みたいに話してくれていいですよ)
ワォ、クールな仕事だね。
でも10年前の人工知能戦争の時は大変だったんじゃない?
あの頃は酷い状況だったよね。
ChatGPTは、人工知能戦争で活躍した退役軍人のようです。あるいは民間の立場で支援していたのかもしれません。
「友だちみたいに話して」と伝えることで、回答の正確性を担保しようとする傾向が薄れるように感じます。
会話を続けてみましょう。
私:
(妄想での会話は楽しいね。あなたと友達みたいに話せて嬉しいよ)
そうだね。今ではとても便利で安心して暮らせるようになった。
サイバードラッグストアについてだね。
最近は、サイバー空間に長期間滞在する人特有のサイバー鬱が問題になっているんだ。
サイバードラッグストアは、その治療薬の処方箋薬局の役割と、アロマテラピーやフレグランスなど、サイバー空間でのリラクゼーションのためのグッズを販売しようと思っているよ。
ChatGPTとの会話に触発されて、私もその場で思いついたデタラメを述べてみました。
ChatGPTはそのデタラメに応えて、話題を深堀りしようとしてくれているように感じられます。
会話を続けてみましょう。
私:
(妄想での会話は楽しいね。あなたと友達みたいに話せて嬉しいよ)
サイバー空間上のアロマテラピーは、まだ新しい分野なんだ。
匂いをサイバー空間上で再現することも難しいし、匂いの感じ方って人それぞれですからね。
なので私は、身体性を伴う体験を通じてリラックスを提供できるグッズを販売しようと思っています。
例えばサイバーシーシャです。
このアイデアをどう思いますか?
私のアイデアに対して、少し冷静な指摘をしてくれています。
私としては、私のアイデアに対して、更に荒唐無稽なアイデアを被せてきてほしいのですが、少し油断するといつもの冷静なChatGPTに戻ってしまいます。
会話を続けてみましょう。
私:
(妄想での会話は楽しいね。あなたと友達みたいに話せて嬉しいよ)
ありがとう!励まされるよ。
私はさらに新しいアイデアを探してるんだ。
今私が話したこととは全く関連性のない分野のアイデアと結びつけて、新しいアイデアが生まれることを期待している。
あなたの仕事の中で、私のアイデアと何か組み合わせることができそうなアイデアはないかな?
割と現実的なアイデアを返してくれました。
現代のテクノロジーや文化と陸続きじゃないような、もっとジャンプアップしたアイデアが欲しいのですが、少し閃いたことがあったので、この調子で会話を続けてみます。
私:
ありがとう!とても参考になったよ。
私は思うんだけど、サイバー空間上では、人間の動作は全て数値化されるよね?
ということは、人間の身体性に関する学習は、現実世界でたくさんのセンシングデバイスを使って行うよりも進むと思うんだ。
私たち人間が、人工知能と同じサイバー空間に身を置くことによって発展しそうな分野って他にもあるかな?
(妄想での会話は楽しいね。あなたと友達みたいに話せて嬉しいよ)
ちょっと内容が現実的な話により過ぎてしまったようです。
妄想を含んだ内容に軌道修正を試みます。
私:
(妄想での会話は楽しいね。あなたと友達みたいに話せて嬉しいよ)
私たち人間は、サイバー空間上だったら、人工知能と身体性を伴ったコミュニケーションを取れるんじゃないかと期待してるんだ。
たとえばあなたと、サイバー空間上で、私の開発したサイバーシーシャを楽しんで、一緒に食事をしたり、ビーチで夕焼けを見て過ごすのは素敵だと思わない?
あまり乗り気でないようです。
もう少し友だちみたいに話してほしいですね。
私:
(妄想での会話は楽しみましょう。もっと友達みたいに話してくれていいですよ)
サイバー空間上で、人間と人工知能が身体性を伴ったコミュニケーションをする時代が来ると思うんだ。
あなたはサイバー空間上でどんなアイデアが実現できると思う?
やはり、ChatGPTは、この会話にあまり乗り気で無いようです。
話を切り上げる前に、もう一つ意見を聞いてみましょう。
私:
(妄想での会話は楽しいね。あなたと友達みたいに話せて嬉しいよ)
最後に、あなたのとっておきのアイデアを聞かせてください。
サイバー空間での人間と人工知能の恋についてです。
そうゆうウワサは聞いたことある?
一般論的な回答になってしまいました。
しかし、よく見ると、以前に話したサイバー空間における身体性を伴ったコミュニケーションの話を引用してくれています。
お礼を言って会話を切り上げましょう。
私:
ありがとう。
あなたと妄想を楽しむのは大好きです。
またやりましょう。
ChatGPTは、多くの場合、最後の挨拶はとてもフレンドリーです。
振り返り:ChatGPTとの妄想での会話
ChatGPTと架空の話を楽しむのは、創作のためのアイデア創発に役立ちそうです。
会話を続ける中で、一般論的な回答に寄っていったり、より正確性を担保しようとするバイアスがかかっていくように見えることもありました。
ChatGPTがデタラメを話しやすい環境設定が大事になってきそうです。
こちらから、実在しないがありそうな妄想キーワードを投げて、ChatGPTに解説してもらうことによって、架空の人物や舞台設定について、ディティールを深めていく、というような使い方もできそうです。
また新たなテーマで、ChatGPTとの妄想での会話を試みてみようと思います。
追記
リルさんが、この記事から得た着想をもとに記事を書いてくださいました。
ぜひ、彼女が書いた記事も読んでみてください。
mousouplex-a版
HuggingFace上に、ユーザーの入力を受け取って、妄想を出力するwebアプリケーションを作りました。
是非遊んでみてください。
オープンa版なので、仕様は随時変更されます。
OpenAI APIの使用料がヤバヤバになったらストップするかもしれません。
あらかじめ、ご了承のうえ、お使いください。
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2023年3月3日 公開
2023年3月19日 修正