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太陽と火山

今、7/2に開催予定の松賢堂講義・日本通史入門の原稿作成をしているのですが・・・
話を書いていて、ツラツラと思っているのが、
「太陽の活動周期」と「火山活動」の相関性についてです。
太陽の黒点に関する観測は、1750年頃からとされていますが、太陽活動に関しては、もう少し前の時代から行われていたようです。
で、黒点観測が行なわれ始めた当時は太陽活動の停滞期、すなわち黒点が少ない時代でした。

太陽の黒点が少なくなったことで有名なのが、

  1. シュペラー極小期(1450年から1550年) 

  2. マウンダー極小期(1645年から1715年)

  3. ダルトン極小期(1790年から1830年)

です。
太陽の黒点観測開始年代よりも前の年代については、
「木に含まれる放射性炭素14C」
を計測することで割り出しているそうです。

私は、

太陽活動が「いつもの活動周期のレベル」と比較して、極大期、もしくは極小期を迎えると、その期間中かあるいは、数年後に火山活動が活発化する。

という仮説を立てています。
太陽から放射される放射線の多寡によって、地球内部のバランスが崩れ、その影響で噴火が起きるのではないか?
と推測しているからです。

太陽活動と気候変動を関連付ける学者さんは多いのですが、太陽活動と火山活動を関連付ける学者さんの数は、まだまだ少ないように思われます。

実際問題として、極小期だけでも火山噴火はたくさん起きています。
実際に、火山の歴史を見てみるとしましょう。

1471年に桜島がVEI5(火山爆発指数)の大規模噴火を引き起こしています。
これは、シュペラー極小期の出来事になります。
ちなみに、VEI5級噴火とは、1980年のセントヘレンズ山の大噴火に匹敵する規模になります。

火山爆発指数の詳細は、下記に詳しいです。

桜島はこののち、1475年、1476年と噴火を繰り返しています。

また、バヌアツのクワエ海底火山がVEI6という巨大噴火を引き起こしています。
VEI6とは、1991年のピナトゥボ山の巨大噴火級の噴火になります。
1745mあった標高が1486mと259mも低くなる巨大噴火でした。
フィリピンのルソン島にあったこの火山は、最大120万人もの被災者を出したとされています。

マウンダー極小期からダルトン極小期までは、極大期を挟んで太陽活動の上下動が活発な時代でした。
その影響からか、1645年から1830年までの185年間。
数多くの火山が噴火をしています。

VEI6という破局的超巨大噴火を引き起こしたのが、
1815年のインドネシア・タンボラ山
1783年のアイスランド・ラキ火山・・・フランス革命の遠因とされる。

VEI5ながらも
1707年の富士山大噴火(宝永噴火)
1663年の有珠山噴火

VEI4では、
1783年の浅間山噴火(ラキ火山と同じ年です。)
1763-1769年の三宅島噴火
といった感じです。

近年、2008年から2009年ぐらいをピークに100年ぶりに低い水準で、太陽の活動低下がみられました。
ご多分に漏れず、この前後となる1990年代から現在まで、数多くの火山が噴火しています。

あくまでも仮説にすぎないのですが、歴史書を紐解くたびに、太陽と火山の相関関係は気になるばかりです。
出来ることなら、噴火は避けてほしいものですね。

しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。