見出し画像

あれから10年経ちました。

10年前の今日は、手術の日でした。
10年経ちました。

5年経った時、主治医の先生に「病気から卒業」と言ってもらえた時、ホッとしました。
いつも何をするにも背負っていた、病気ポジションからスっと抜け出し、普通の人になれたような気がしました。

そしてさらに5年経ち…10年。

今日は、手術日の朝を思い出します。

車椅子に乗って膝に赤いチェックのブランケットをかけてもらい、病室から手術室に向かう時、歩けるのに車椅子って気恥しいなぁ…、このブランケット可愛いなぁ…などと思っていました。

エレベーター前で、パートナーに手を振って「行ってきまーす」と、扉が閉まるまで笑顔で手を振っていました。

パートナーは、その後、手術が何時頃終わるか確認して仕事に向かったという、パートナーらしいエピソードを後から聞きました。


手術室に入ると、主治医の先生に握手をしてもらい…数分後には麻酔で落ちていました。

目が覚めたのは、夕方5時。
え、9時に入って5時?
時間かかり過ぎ!
そう思った瞬間から、わたしの妄想が始まるのでした。

『お腹を開けたら、あちこち転移が見つかって手術に時間がかかり、それでも手の施しようがなくて、そのまま閉じた。あと2日くらいで死んじゃうんだろう』

同じ病気で亡くなった父親の時の記憶と混じり合い、わたしの思考はおかしくなっていたようです。

主治医の先生に、延命治療はしないでいいとお願いしたり、看護師さんに点滴を外してもらおうしたり、パートナーを夜呼びつけて、ウチや身の回りの整理のお願いやお葬式の話をしたり。
お見舞いに来てくれる家族たちは、みんな口裏を合わせているんだろうと、言葉を信じなかったり。

誰も何も受け入れず、5日くらい経ったでしょうか。
夜担当の臨時の看護師さんが「今、何か不安ですか」とわたしに声をかけてくれました。
私は、入院して初めて自分の気持ちを吐き出し、話を聞いてもらい、スーッと楽になっていきました。

数日後、別の看護師さんが私を見て「わぁ、顔つきが変わった、良かった」と言うので、私そんなに険しい顔をしてたのかと察したのでした。


わたしの術後の状態を振り返ると、メンタルかなりやられてたんだなぁと驚いてしまいます。


手術後の入院は、2週間の予定が一ヶ月となり、治療が増え入退院が半年続き、この期間に、わたしはカウンセリングを受け始めたのでした。


わたしの身に起きたこの出来事が、こころのことを学ぶようになったきっかけとなり、この年から10年間、心のことを学び続けてきました。


今こうして元気で過ごしていることに、カウンセリング効果があったと感じています。
併せて、こころのことを学び、理解し知識を増やしながら日常のあらゆるシーンに役立ててきたことが、心と身体の病気予防になっていると、心から思っています。


ほんとうの病気になる前に、こころに耳を傾けよう。


わたしと出逢い関わってくれた人たちへ
ありがとう。
ありがとうございます。


母からメールが届きました。
「桂子の術後じゆ年がたったとは月日の流れって早いもんだね。
これからは自信を持ってまだ先が長いから生きて下さい。」

(*⃙⃘ˊ꒳​ˋ*⃙⃘)ᵗᑋᵃᐢᵏ ᵞᵒᵘ ¨̮

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?