グッズの言葉の元ネタを探す:完結編
(前回までのあらすじ)
村上春樹グッズのピンバッジに謎の英文が書かれていた
その英文で検索したら「ねじまき鳥クロニクル」という小説のタイトルが出てきた。
私は「ねじまき鳥」を読んで、元の文章を探す。
一方で、グッズの販売店にメールで質問しておいた。これがイギリスの店なので、英語で質問せざるを得なかった。
見つからない
「ねじまき鳥クロニクル」を読んでみたけれど、元の文章が見つからない。
ぜんぶで3巻ある超長い小説なので、じっくり読まずにダッシュで文字を追った。探しているのは「I'm not so weird to me」という文である。 日本語で言ったらどうなるのだろう?「僕はそれほど自分を変だとは思わない」くらいだろうか。
googleで「ねじまき鳥クロニクル 名言」で検索しても、例の「I'm not so weird to me」にあたる文章が出てこない。
あと、個人的には「ねじまき鳥クロニクル」が、まあ、面白くなかった。「海辺のカフカ」のほうが面白い。
マタイの福音書
いっそのこと「ねじまき鳥」の英語版を買って調べてやろうか.....と思っていた矢先、グッズ販売店からメールが来た。
私のメールを読んだマシュー・ジョーンズという人が返信してくれた。present indicativeという役職。たぶんなんかのリーダー的存在だと思う。たけし。
Mathewからの良い知らせ。まさしく「マタイの福音書」である。こういう内容だった。
"オレたちに連絡してくれてありがとな。その言葉なんだけどさ、著者のインタビューが元になってるんだよね。ただ、あいにく資料とかはオレたちも持ってないんだ。よしなに。ダニ。"
マジか。
インタビューでの発言らしい。村上春樹は英語のインタビューに対しては英語で答えるから、元ネタも何も、はじめっから英文そのものが元ネタだったわけだ。
最後の『Dani』って何だろう?イギリス流の挨拶はよくわからない。
謎が残る
facebookで「I'm not so weird to me - Haruki Murakami」と書いて自分の写真を載せている人もいる。なにより、読書系サイトで「wind-up bird chronicle=ねじまき鳥クロニクル」と書いた人はどういう意味で書いたのだろう?
しかもグーグルいわく「wind-up bird chronicle」とともに上の文章を引用している人は、少なくとも2人いる。
ちょっと意味がわからない。なぜインタビューのうちの一言が小説のタイトルと一緒に紹介されるのだろう?
しかも、日本の村上春樹ファンからはI'm not so weird to meなんて聞いたこともない。
日本人にスルーされながら海外でグッズ化された一言。村上春樹のラジオかどっかに質問してみようか...?