落ち着くために頑張るという矛盾
余裕を持ちたいという理由で必死に作業することは矛盾している。
でも、それにもかかわらずそうした生き方をやめられない。
たしか、SHINGO西成の歌にもそういう意味のものがあった気がする。もっと古い作品では、パスカルのエッセイにも同じようなことが書いてあった。
きっと、どれくらい古い作品をあさっても、いま私が言ったようなことが書いてあるだろう。
私は約1年半ほどヒマを過ごした。年齢は35歳だが、だいたい70歳前後くらいの人と会い、話すことが多かった。
近所を散歩するサイクルがその年代の人たちと重なっていたのだ。カラオケで時間をつぶしたときも、同じタイミングにやはり70歳くらいの人たちがすれちがうことを知った。
自分の2倍くらいの歳の人たちが何をしていて、人生をどう味わっているかを少し学んだ。いま振り返ると、ある意味とてもいい時間だった気がする。
これから私は、高校3年生に英語を教えることになる。
こんどは自分の半分くらいの歳の人間と話すことが多くなる。ほとんどの生徒は大学受験のことで頭がいっぱいだろう。いや、生徒の保護者が、かもしれない。
彼らに、年齢が2倍の人間としてどんなサンプルを見せられるだろうか。