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「が」が強い

「私、っていうより私、ていうほうがきつい印象がある」という話を聞いた。

それは短歌を書くときの話だったのだが、私はラップやロックが好きなので、わざと「が」を入れるやり方を思い出した。

英語にも、わざとgの発音を入れるワザはある。


俺が晋平太


この動画の冒頭で、ラッパーにとっては有名な例のフレーズが出てくる。晋平太による「俺が晋平太。それがわかるか」のアレだ。

日本語ラップの世界ではだいたい「俺は」より「俺が」を使う。



この曲のサビも「俺は」ではなく「俺が」だ。


英語にもこういうワザがある

じつは英語にも「I have to」と言えばいいところで「I got to」と言うテクニックがある。

文法的には「you have to be real」でいいのだけれど、やっぱりここはyouを省いて、あえて「got」を使うほうがこう、音が強くなっていい。

ちなみに「go to  be real」は、「現実的になりなさいよ」という意味と「リアルになれ」というふたつの意味がある。かっこいいね。


got toにget toを重ねてさらに強くする場合もある。


翻訳における「が」


翻訳者の田口 俊樹さんも、雑誌の質問に対して「今(の翻訳者)は主語にがを使う人が多い」と言っていた。


「が」は強いのだ。短歌の世界では「印象がきついので"が"を避ける」というセオリーもあるそうだ。

でも、うまく使えばかっこよくできるよ。