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作品のクオリティとは何を表すか

音楽を聴いていると、クオリティの高さとその曲への愛がいまいちピッタリと合わさってこないことがある。

普通に考えると、クオリティが高いほどその曲はいい曲である。なのに、クオリティの高い曲よりも低い曲の方が好きになってしまうことがある。

例えばこの曲は録音の質も悪いし、歌唱力も低い。伴奏もそんなに上手くない。

なのに、私はこれがたまらなく好きなのだ。バンド形式だけで考えてもQUEENの方が歌も伴奏も上手いはずだし、録音の質で言うならBTSやブルーノマーズなんかの方が格段に上質だ。

どう考えてもQUEENのボヘミアン・ラプソディの方がクオリティが高い。それでも私はこっちの曲の方が好きなのだ。


特にテクノ系、すなわち人力ではなく機械で演奏を構築するタイプの音楽だと、新しくなればなるほど質が高い。今なんか、テレビCMのBGMでも相当かっこいいデジタル音楽が聴こえてくる。


なので今の基準からするとこの曲は相当クオリティが低いはずなのだが、それでも私はこの曲がとにかく大好きだ。今の代表的なデジタル・ヒットソングはなんだろう。仮にyoasobiや米津玄師だとしたら、やっぱり私はこっちの圧倒的にクオリティが低い曲の方が好きだ。


音楽に限らないかもしれない。質の悪いシャツを着るのが好きという人はいないと思うが、クオリティの高いものよりも低いものの方が好きになるという心理はとても不思議である。というか、そもそもクオリティって何なのだろうと考えてしまう。