陽へドニアと陰へドニア

ウェルビーイングの分類として古代ギリシア哲学での定義、ヘドニア(快楽主義)、ユーダイモニア(よき人生主義)の2つの考え方があったとされる。
ここでは更なる区分として、以下を定義する。
   感動力(ヘドニア・ヒュッゲ・受動フロー)
   自己実現力(ユーダイモニア・能動フロー)
ヘドニアは快楽主義で短期的幸福と言え、持続可能な幸福ではない。
ユーダイモニアは長期的幸福と考え、持続可能な幸福とも言える。
(こららのウェルビーイングの分類については、https://www.eudaimoniauniverse.com/_files/ugd/0c4dc5_3212b40ffddb4129a2b4421ad20553e3.pdf
を参照のこと)

ヒュッゲについては、別稿で論ずるとして、ここではヘドニアについて考察してみる。

単純にヘドニアだけを追求することは、相対的な幸福を追求するがゆえに自分にも他人にもネガティブ(陰)の影響を与えることが多い。
一方、ユーダイモニア・能動フローとの組合せにおけるユーダイモニアはポジティブ(陽)の支援を行うことも多い。

ヘドニアにも陰陽があり、陰へドニアは内面的な成長をもたらす考え方もあるが、それはまた別稿にて論ずるとして、陽へドニアについては、能動フロー(勝ち負けにはこだわらず、純粋に心から楽しんでいる活動=自分の好奇心と挑戦心に従って没頭している状況)、ユーダイモニア(努力・困難を乗り越え意義のあることに打ち込む=自分が生まれてきた目的を知り、その実現のために生きている状態)の常態でのヘドニアはポジティブな効果を発揮する。

従って、倫理的規範などからヘドニアを単純に否定するのではなく、各人の置かれている状態(経済的状態だけではなく、意識構造=精神的な発達の常態)によって、その効果が異なるものと考えたほうがよい。

現在は資本主義の社会システムであるため、法定通貨で評価した「財」がヘドニアに大きな影響を与えている。
一方、法定通貨評価以外の価値、例えばSNSにおける「いいね」のような「共感」に基づく価値が社会的に認知されてきている(SINIC理論的には「最適化社会」 https://note.com/msakaki/n/n340a5d8a48d6?magazine_key=m5a70152e5d3d  )。

そのためへドニアにはネガティブ(陰)の要素を完全に排除できない現状ではあるが、ユーダイモニア・能動フローと共にあることで、ポジティブ(陽)の効果を受けることは可能でSINIC理論における「自律社会」(10年ほどで現実化すると予想される)においては、陽へドニアが主体となると予想される(「自律社会」の実現については https://note.com/msakaki/n/nf0e33b1d4ea1?magazine_key=m5a70152e5d3d)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?