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英文法の間違い探し問題を攻略するには

こんにちは。MSAの齋藤直哉です。本日もお読みいただきありがとうございます。

英文法の「間違い探し問題(正誤問題)」は、苦手意識を持っている受験生が多くいます。文法のルールはもちろん、語彙力も充実していないと自信を持って解けません。正誤問題は英文法の問題の中で最高峰と言えるかもしれません。

この問題が苦手な受験生がやっているのは「間違い探し問題の英文そのものを丁寧に読み、意味を考えながら、間違いを探す」こと。この場合、当然のことながら「日本語で」意味を考えていることになります。

これでは「英文法の誤り」はなかなか見つかりません。なんと言っても目の前にあるのは、英語の文です。日本語訳から英文法のルールが解けることはありません。

得意な受験生がやっているのは、「いかにもありそうなところから探す」こと。最初から「探し物」が見つかりそうな、いかにも怪しいところに目をつけて、まずはそこから探し始めます。意味も捉えますが、それはこの確認作業のあとです。

正誤問題は英文中の語句に下線が4〜5ヶ所引かれ、その中から「英文法上誤っている箇所を指摘せよ」という問題が大半です。誤りがなければ、NO ERROR を選ぶものもあります。早稲田大2020年の出題例を見てみます。

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この中で「一番怪しいところ」は、(b) is です。見た瞬間にわかります。まず、動詞に下線が引いてあれば、「いかにも怪しい!」が鉄則です。苦手な人に限って、細かなところを最初にチェックしてしまいます。動詞に引かれている下線を後回しにして「この particles ではなく particle なのではないか? from ではなく to ではないか?」といった感じで、はっきりとした根拠がないのに、細かな点にどんどん入り込んでいきます。

たとえば動詞なら、最初のチェックポイントはこんな感じです。
1.時制
2.主語と動詞の数の一致
3.態(能動 or 受動)
4.代名詞の数

「探し物」を見つけるコツは、「ありそうなところを丁寧に探すこと」です。「探し物」を見つけられない人も、ありそうなところを一度は見るのですが、あっさりと見てすぐにあきらめ、他のもっと離れた場所を探し始めてしまいます。そうすると求めているものからどんどん遠くなっていくはずです。

(b) is の主語は直前の that です。この that はどうやら pieces of plastic を先行詞とする関係代名詞(主格)です。pieces という複数形の名詞を that で受けているわけですから、正しくは pieces of plastic that are ... となります。上記のチェックポイントの2番で解けました。

この文を読んでいくと、and that come from ... という下線のない箇所があります。この that もやはり関係代名詞(主格)です。同じ先行詞 pieces of plastic を修飾しますので、and that comes from ... とはならずに、and that come from ... となっている点で確認もできます。(出題者からの大ヒントです!)

動詞の下線はこれをチェック、分詞ならこれ、名詞ならこれ、と「チェックリスト」を頭の中に正確に入れておくことが肝心です。このチェックリストなしでは、問題のなにを考えて良いのかわかりません。

交差点で急に目を閉じるように言われ、「いま信号機のどの色が点灯してた?」と聞かれたとします。だれでも頭の中で「赤?青?黄?」のどれだったっけ?と3色の中から考えるはずです。この3色以外の色を一生懸命考えても答えは出ません。そこに答えはないからです。ただし、3色以外の色を考えているときも、いかにも「考えている気分」にはなってしまうので気をつけたいところです。

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