今が受け時！？英検２級ライティングの何が変わる？
2024年度の第１回検定より、英検の内容が一部変更になる予定であると発表され、「難しくなるので早めに受けておいたほうがいい」という声も。実際はどうでしょうか。間違った対策をして慌てないために、2級にどんな変更があるか確認してみます。
難しくなるの？
最大の変更点は Writing セクションに「要約」問題が加わり、Writing が２問に増加することです。この「要約」問題について具体的に見ていきます。
追加される2級の「要約」問題の設問指示はこんな感じ。
・以下の英文を読んで、その内容を英語で要約し、解答欄に記入しなさい。
・語数の目安は 45 語〜 55 語です。
・解答欄の外に書かれたものは採点されません。
・解答が英文の要約になっていないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。英文をよく読んでから答えてください。
難易度の感覚をつかむためにも、公式サイトの英文を読んでみてください。
発表のサンプル英文は154語です。この英文を読んだ上で、これに関する「要約」を 45 〜 55 語にまとめるという設問です。これまであった「意見論述」の Writing 問題はそのままですから、「要約」問題の Writing が丸々1問増えることになります。
時間が足りないじゃん！
となりそうですが、これに伴い「語彙問題・長文問題の設問数を一部削減する」とあります。どの程度の削減かわかりませんが、全体の試験時間（2級は85分）は変わらないので、バランスは取ってくれるようです。
まずは154語の英文を読んでみてください？難しい？意外と簡単？
英検2級を目指す方の語彙レベルから考えれば、英文は特別に難しいものではないという印象です。長文読解の英文よりも易しく感じます。英検２級レベルの英単語は必須です。ぜったいに避けて通れません。英検２級の英単語はこれ一択。
英文はどんな内容か
この154語の英文の和訳を載せておきます。
学生が大学に進学する際、一部の学生は親と一緒に自宅に住むことを選び、他の学生は一人でアパートを借りることを選びます。他にも選択肢はあります。最近では、一部の学生はルームメートと一緒に家を共有することを選んでいます。
これにはどんな理由があるのでしょうか？数学や科学が得意なルームメートを持つ学生は、宿題についてのアドバイスをもらうことができます。また、海外からのルームメートを持つ学生は、日常の会話を通じて外国語を学ぶことができます。このため、彼らは外国語のスキルを向上させることができています。
一方で、夜遅くまで起きてテレビを観るルームメートを持つ学生もいます。これは騒々しく、他の人が十分な睡眠をとるのを難しくすることがあります。部屋の掃除をほとんど手伝わないルームメートを持つ学生もいます。その結果、彼らは自分たちだけで部屋の掃除に多くの時間を費やさなければなりません。
第1段落でルームシェアについて導入し、第2段落でそのプラス面、第3段落でマイナス面と展開しています。こうした論理展開、とくに「対比」の構造をきちんと捉えることが、要約で求められていることです。
「要約」は文章の単なる抜書きではありませんので、この点は意識しておきたいところです。元の英文の使えそうな表現をコピーしてつなぎ合わせただけ、では要約になりません。センテンス丸ごとのコピーはダメですが、英文で使われている英単語や表現をある程度は使うことは問題ありません。
文章を丸ごと抜き出すようなことをしても、「要約」にはならず、点数はもらえないはず。設問指示の4番目にも「解答が英文の要約になっていないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。」とありますので、あくまで「英文の要約」を書くのであって、英文の丸写しでもなければ、英文の感想や意見を書くわけではないということは確認しておきましょう。
自分の「意見」を入れてはいけない。ダメゼッタイ
実際の要約はどんな感じになるか。やってみました。
In college, many students live with friends in a house. Living this way can help with studies and learning new languages. But problems happen if roommates are too loud or don't help with cleaning. This can make sleep hard and mean more work for cleaning. (45語)
できるだけ簡単な英単語を使っていますが、これで要約のポイントをつかんでみてください。
第1文：In college, many students live with friends in a house.
導入として、第1段落に対応し、ルームメイトと暮らす選択をする学生がいることを紹介します。この後の話はルームシェアする学生に関するものですから、親元で暮らす学生のことはカットします。両方のことを言っていると「要約」になりませんし、字数も足りません。要するにどういうこと？を書きます。
第2文：Living this way can help with studies and learning new languages.
Living this way 「こんな風に暮らすこと」と表現して第1文とつなぎます。最初はこういう表現がパッと出てきませんよね。普段から英文を読むときも、センテンス同士のつながりを意識すると良いです。練習あるのみ！第2段落はプラス面が書かれていますので、can help としてそのことを表します。本文では「数学や科学が得意なルームメイトに宿題のアドバイスをしてもらえる」とあるところを help with studies とまとめています。その後の外国語に関しても、learning new languages と細かな部分は含めません。
第3文：But problems happen if roommates are too loud or don't help with cleaning.
そして第3段落の On the other hand からの展開を捉えて「しかし、問題もある」とつなぎます。うるさかったり、掃除をしない人だと困るよね、を入れます。
第4文：This can make sleep hard and mean more work for cleaning.
第3段落がこの英文の中心ですね。一番述べたいのはここです。問題がある場合はどうなってしまうのか、ということで、As a result 以下を簡潔にまとめます。
できあがった要約の英文だけ見ると、とても簡単そうに見えませんか？このレベルでOKです。難しく書こうとせず、「要するにこういうことだよね」をまとめます。「進学するとルームシェアする人がいて、良い面もあるけど、ルームメイトによっては大変なことになるよ」と一度自分の言葉で理解した上で書くようなイメージです。
「できる人」の要約
もう１つ。こちらもシンプルですが、使っている英単語が少し違います。
In college, students choose various living arrangements, including sharing a house with roommates. This choice can offer academic support or language learning opportunities. However, challenges arise when roommates are noisy or don't contribute to household chores, affecting sleep and increasing cleaning responsibilities.
2級のあとに準1級を目指している方はこのレベルの要約も参考にしてみてください。ここまで行けばかっこいい！
「要約」の練習には実際に書いたものを添削してもらうのが一番です。高校生なら学校の英語の先生にお願いできそうですが、そうでない場合はどうしましょう。
要約のお助けサイト
自習用に SMMRY というサイトを使ってみるのも良さそうです。
トップページの大きな四角の中に要約をしたい英文を丸ごと貼り付けます。（PDFアップロードなども使えます）その四角の上に、Summarize my text in [ 7 ] sentences. とあります。この数字を変えることができます。「SUMMARIZE」ボタンを押せばあっという間に要約が完成。語数指定できません（なにか方法があるかもしれませんが…）ので、英検の答案の形でそのまま受け取ることはできません。そこで、この数字を「１」にして、一文で要約してもらうのがオススメの使い方です。
今回の英検の英文であれば「Some students have a roommate who rarely helps with cleaning the house.」と一文要約が得られました。これを元にしてポイントを絞ったり表現の参考にすると良い練習になります。
「要約」問題は練習すれば慣れてきます。「要約」は最初は少し大変ですが、徐々に要領がわかってきますので、リニューアル前に準備不足のまま焦って受験して、受講料を無駄にするよりは、思い切って取り組んでみるほうが良さそうです。何と言っても「要約」練習は英語総合力をグンと押し上げる効果があります！
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？