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かいだんのはなし

こんにちは。MSA齋藤です。今回もお読みいただきありがとうございます。 

MSAの渋谷教室はビルの8階にあります。2020年1月に移転し、あっという間に1年半となりました。

移転した際にひとつ決めたことがあります。

「毎日8階まで、上りは階段を使おう!」ということです。

あれから1年半が経過しました。
8階までは108段です。
週に5日(実際はもっと多いですが)として、1週間で540段分。
1年半ではおよそ42,000段!
大雑把な計算ですが、ビルの3000階に到達したことに!!

現在のところ、世界一高いビルはドバイの「ブルジュ・ハリファ」で、高さはなんと828メートル!206階建!とこのことです。このビルをざっと15倍ほどにした高さまで上れることになります。(ちなみに東京タワーは展望台まで600段ですので、1週間でだいたい東京タワー展望台まで上っていることになります)エベレストの山頂に向けた階段があるとしたら、余裕で頂上に到達できます。

怪我などがなければ、階段を上ること自体は簡単なことです。ほんの少し足を上げて右足左足と次々に歩いていくだけですから。もちろん、これを一日だけ「やってみる」ことも簡単です。ひょっとすると3日や1週間なら続くかもしれません。しかし、1か月、1年となると継続できる人の人数がぐんと減ります。

目の前に「42,000段」の階段があります。さあどうぞ上ってください、エベレストの頂上までいけますよ、と言われてもその高さや段数に誰もが圧倒され、気力すら湧いてこないはずです。しかし、一段一段上っていけば気がついたときには到達できるということもまた事実です。

毎日、毎日階段で8階まで上りますが、日によっては「今日ぐらいはエレベーターでいいか」と思う日もあります。休日を挟んだ翌日は、階段を上る体が重く感じられることもあります。ここでちょっとした「選択」を迫られます。「今日ぐらいはいいか」の声を聞かないようにする。受験生に限らず、日々、こうした小さな「選択」の繰り返しですよね。

James Clear の Atomic Habits というベストセラー書籍(日本語版タイトルは『複利で伸びる1つの習慣』)があります。小さな小さな習慣の積み重ねが大きな成果につながることを様々な例を通して紹介している本で、やる気が刺激される本です。(分量は多いですが、わかりやすい英語で書かれていますので、英語版に挑戦するのもおすすめです。)その中で、日々の小さな習慣の積み重ねが時間の経過とともに大きな結果につながることが示されています。

1% worse every day for one year. 

1年間、毎日、ほんの1%だけよくないことをすると... 0.99 の365乗で、00.03 になるとあります。よくないとわかっていても、あまりに小さなことなので、これぐらいならまあいいか、ということはたくさんありますよね。ちょっとだけ不健康そうな(だけどおいしい)食べ物を「少しだけだから」と言ってつい毎日食べるとか。 00.03(書籍の表記のままです)ですから、大して変わらないどころか、もうほとんどゼロになってしまいます。 

1% better every day for one year.

1年間、毎日、ほんの1%だけよいことをすると...1.01の365乗で、37.78 になるのです!1年後には37倍です!

小さな小さな決断や選択は、やるのも簡単ですが、やらないのも簡単です。

小さすぎるがゆえに軽んじられてしまいがちです。今日、階段で上るか上らないかは、どうでもいいぐらい小さなことですし、実際に階段を使ったからといって、今日健康になるわけでもありません。「今日ぐらいはエレベーターを使う」という選択も簡単ですし、なんの罪悪感もありません。

しかし、1年、1年半と継続することで、きっと体によいことも起こっているはずです。もちろん、目に見えてメキメキ健康になるなどという類のことではありませんが、やらなければ「ゼロ」なわけですから、プラスの効果はあるはずです。

実は、今年の4月に新年度が始まる際にこの話を新入生にしました。すると、ある一人の生徒が登校時に階段を使い始めました。すごいですね!そしてそして、その生徒に影響を受けて、今ではなんと全員が階段を使って教室まで来ます。さすがにハァハァして到着しますが、授業前にちょっと体を動かすという脳を刺激する運動(最近「ドラゴン桜」でもやってました?)にもなっているみたいです。

階段を使うから偉いわけでもなんでもありませんが、コツコツと継続しなければ勉強は成果が出ないという事実を、毎回、階段を一段ずつ上るという別の形で意識することで、具体的にイメージできている気がします。

ちなみに、下りは生徒も私も安全を考えて、エレベーターを使うようにしています。

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