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性に目覚める -メルヘン少女編-

その日、M君と無事に(?)人生初のキスを体験した私はその夜なかなか寝付けずにいた。M君の柔らかい唇とキスを終えた直後の少し照れた笑顔がずっと頭から離れず、何度も枕にバフバフと顔を埋めた。
夕食も食べず部屋に引きこもっている私を母は心配し何度も1階から声を掛けてきた。母よ、あなたの娘はファーストキスの余韻にただただ浸っていたいだけの恋にのぼせた色恋バカ娘です。今はそっとしといてやってくれ。あの時の母にこう言ってやりたい気分である。

明日どんな顔をして学校に行けばいいんだろう…。
M君に会うのが恥ずかしい。でも会いたいな…。
次にキスできるのはいつだろう…。
どうしよう…。Y子にだけは今日の事を話そうかな…。
M君は誰かに話したりするのかな…。

ベッドでいろんな事を考えジタバタしながらも、少し大人になったような気がしてなんだか嬉しかった。

次の日、早速Y子に報告をした。Y子は驚き、目をキラキラさせながら
「それで⁉キスだけ⁉」と言った。
「ううん、その後抱き締められた♡」
「キャーーーーーーッ‼ で⁉その後は⁉」
「…………???」
私は本当にこの質問の意味が分からなかった。
他に何があるんだろう…。Y子に聞いてみた。
Y子は「は?」と言わんばかりの様子で私に
「胸を触られたり、M君のあそこを触ったりしなかったの?」

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↑↑↑私の胸中

あの…念のためお伝えしておきますが、Y子は真面目で賢く、小学生の頃から優等生で美人で、おまけにお金持ちのお嬢さん。
仲良しグループで男子の話をしていても、笑ったり相槌をうったりするだけで、まだ男子にもそれほど興味を持っていない様子に見えた。今考えてもかなりのクールビューティ。私はこれまでY子に自分の好きな男の子の話はした事があったが、Hな話は一切していなかった。そして私は生理が始まる頃に受けた学校での性教育の内容を著しく誤解していた事をこの後に知り、気を失いそうなほどショックを受けるのである。

話は戻り、私はY子に
「そんな事はしてないよ。そういうのって大人になってからするんでしょ?」
私は至って正気だった。20歳になるまではキス以上の事をしてはいけないものだと勝手に思い込んでいたのだ。全く以て早熟なのかなんなのかわかりゃしないこの思考回路。
この話をY子にしたら、本気で呆れられた。そりゃそうだろう。
Y子は私にいくつかの質問をしてきた。

「ねぇ、キスの次は何だと思う?」
『体を触り合ったりすること』
「そう。じゃあ例えばどんなところを触り合うと思う?」
『胸?男の子のあそこ?』
「そう。でもそれだけじゃないよ。男の子はS子の下半身にも触ってくるよ。」
『は?どうやって?』
「触ったり指を入れたり」
『指?指をどこに入れるの?』
「私たち女子にはおしっこが出るところの近くにまだ開いていない穴があるらしい。その穴は男の子が開ける穴らしいよ。」
『どういう意味?男の子が指で開けるってこと?痛くないの?』
「うちのお姉ちゃんは痛かったって言ってた。指では完全に開かなくて、男の子のチンコで開けるのよ」
『は!?ちょっと待ってどういうこと!?』
「入れるのよ、チンコを」
『………..。』

私は絶句した。チンコを私のあそこに入れるって何!?どうゆうこと!?
どうやって!?

Y子は続けた。
「男の子のチンコが固くなるのは知ってる?普段は柔らかいけど女の子の裸を見たりすると硬くなるらしいよ。硬くなったら女の子のあそこに入るみたい。そしてね、何度も擦ったら精子が出てくるんだって。」

私はパニックになった。小学校で教わったのは、おしべ(精子)とめしべ(卵子)がくっついたら妊娠するってことくらいで、どうやったら精子が出てくるのか私は考えもしなかった。具体的な行為の説明もなかったので、私の認識としては、男と女がベットで一緒に寝たら妊娠すると思っていたのだ。もちろん性行為というものを知らなかったし、ただ一緒に寝るだけでおしべとめしべがくっつくものだと思っていた。だから男の子とは大人になるまで一緒に寝てはいけないと思っていた。とんだメルヘン少女である。
その後、私はこのY子からそれはまあ色んな性教育を当時の彼氏と共に口頭でも実践でも叩き込まれることになるのである。


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