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朝渋D&I会議〜いまさら聞けないダイバーシティ〜#1〈ゲスト竹下隆一郎さん〉

5時こーじ:総合司会の5時こーじです!朝からゴキげんな人を増やそうと思って朝渋を運営しています。今日は久しぶりのリアルイベントとなっております。テーマはいまさら聞けないダイバーシティ朝渋D&I 。ということで、今日はもう一人のファシリテーターやまざきひとみさんをお呼びしたいと思います。

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やまざき:よろしくお願いします。夜型のやまざきひとみです(笑)。オンラインプログラミングブートキャンプMs.Engineerの代表をしています。Ms.Engineerはもっとこれから女性がエンジニアという働きやすくてプロフェッショナルで必要とされる仕事をキャリアの選択肢に入れていくことを応援するスクールです。

今日はダイバーシティとかD&Iがテーマなんですが、そういう社会問題って少し重くて暗いというかとっつきにくいイメージがあるので、明るいこーじさんと朝からごきげんなイベントを一緒にやろうということになりした。

5時こーじ:朝渋は、ずっとビジネス書をテーマに扱ってやってきたのですが、そこでインプットしたことを参加者がいざアウトプットしようとすると難しいんですよね。アウトプットするためにはしっかり教養を理解しないといけないねということで、教養としてのD&Iを本日お届けできたらと思います。

Ms.Engineerは女性限定のスクールなんですよね。

やまざき:そうですね、エンジニアは今は男性が圧倒的に多い職種なので、ジェンダーやマイノリティーで引け目を感じることなく学んでいただく環境を用意したいという思いで、あえて女性限定にしています。

5時こーじ:なるほど。今回もD&Iとかジェンダーとか女性側面に重点を置いた話があるので、それを男性はどう取り組んでいくかというところも一緒に考えていけたらいなと思います。

はい。それでは、お待ちかねのゲストをご紹介します。PIVOTチーフSDGsエディターの竹下隆一郎さんです!よろしくお願い致します。

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竹下:おはようございます!朝渋、まだ朝にやっていたんですね!いつの間にか夜になっていたらどうしようかと思ってました(笑)。

(※竹下さんには、以前朝渋のリアルイベントにご登壇いただいたことがあります。)

私は、今PIVOTというスタートアップにいます。今年度中に新しいメディアを立ち上げる予定です。もしかしたら、メディアと名乗らないかもしれません。テキストだけでなく経済やビジネスを扱うオンライン番組など、ありとあらゆるタイプの経済のコンテンツに挑戦したいと思っています。

私は元々は朝日新聞の記者、その後アメリカ生まれのハフポスト日本版の編集長、そして現在はPIVOTというスタートアップの創業メンバー、と色々な形の会社を経験してきました。一人の会社員として考えてきたこと、マネージメントの経験で思ってきたこと、これまで多くの企業を取材してきて感じてきたこと、こうした様々な視点を元に色々とお話しできたらいいなと思っています。

「SDGsは社会のOSになる」

やまざき:今回こういう機会が実現するに至ったのは、私がジェンダーとかジェンダーギャップについてTwitterで発信していたら、竹下さんが「いいね」をつけてくださったので、今度一緒にD&Iのお話できませんかとお声がけさせていただきました。

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ーーー竹下さんがジェンダーギャップに特に課題を感じられているのはなぜですか?

竹下:そうですね、今にして思えば、アメリカで育ったということがあるかもしれません。クラスルームで私は唯一のアジア系で、みんなと姿かたちが違うことを授業のたびに感じていました。そのため、授業中に手を上げて発言するにも、一歩を踏み出すことにも、友達に声をかけることにも、何かためらいがあったんですね。

あともう一つは、妻が出産した際に私も育児休業を4ヶ月間とったのですが、それがすごく大変だった。妻もそれまでずっと働いていて「小さなためらい」は日々感じていたようです。私も育児を通してそういうためらいを自ら体験したことで、これがずっと続くのはきついなと思いジェンダーギャップという課題を意識するようになりました。

やまざき:なるほど、小さなためらい、そうですよね。今日はまずはSGDsから考えたいと思います。SDGsってやらなきゃいけないことだけど(実際やるべきことは)ピンと来ないという方も多いと思います。

竹下さんはPIVOTで「チーフSDGsエディター」とSDGsをあえて肩書きに入れていらっしゃいますし、竹下さんの著書『SDGsがひらくビジネス新時代 (ちくま新書)』の中で、

全てのビジネスパーソンはしのごの言わずにSDGsに取り組むべき

だとおっしゃられていますよね。

ーーーそれは仕事における意識をガラッと変えるということだと思うんですよね。どうしてそう考えていらっしゃるんですか?

竹下:そうですね、SDGsってある意味インターネットと同じだと思うんですよ。今は多くの人にとって、ネット無しでは生きていけない世の中になっていますよね。ところが、20年前までは「IT」を「イット」と読んでしまう人がいて、ネットの可能性も見えないところがありました。「SDGs」だって「エス・ディー・ジーズ」と発音することは、最近まで、そこまで多くの人には、知られていなかった気がします。そんな言葉が、近い将来、私たちにとって、切っては切り離せないものになるのではないでしょうか。

つまり、SDGsも10年後20年後にはスタンダードに、いわゆる社会のOSになるということですね。生活や経済、考え方、ルール、政治などといったありとあらゆるものの基盤になると思います。今、根本を理解しておいたほうが、Z世代の方達が大人になって社会に出てきて一緒に働く時にスムーズに進められると思います。次世代ともより良い関係を結べると思います。

やまざき:20年後にSDGsがスタンダードになる・・・!

竹下:実際はもっと早いと思います。5年後とかですかね。今は、それこそネット社会なので以前よりも(世の中に浸透するスピードが)早いです。

「SDGsとダイバーシティ」

やまざき:SDGsは環境問題などの持続可能な開発目標ということで、「確かに持続可能な社会にしないといけないよな」ってみなさん割とそのまま受け止めやすいと思うのですが、ダイバーシティって多様性じゃないですか。

ーーー持続可能な社会と多様性がどうして繋がるのか、ピンと来ない方が多いんじゃないかと思うんですよね。それってどういう関係性なんでしょうか。

竹下:いい質問ですね。それは、多様なほうが持続するからなんですね。色々な人がいた方が組織って回るし、持続する。偏った人材だけで構成された組織だと、持続はしない。地球も一緒で、牛やうさぎとか、木や海がある方が、豊かになります。

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やまざき:なるほど。関係し合っているということを、もっと感覚的に理解してから進化していく必要がありますね。

竹下:例えばコロナ禍の前に、もし日本が鎖国みたいになっていて、ZOOMとSlackは「使ったらいけません法案」みたいのが通ってたら大変でしたよね。でもコロナが流行するまで、日本は多くの働き方改革に関するチャレンジを重ねていました。事前に色々試していたほうが、社会は持続するって私は思うんですよね。

「SDGsを深掘りするとジェンダーギャップに行き着く」

やまざき:次はジェンダーギャップについて伺いたいです。

ーーー私は、ジェンダーギャップ解消は、教育格差や貧困格差解消の起爆剤になるんじゃないかなって思っているのですが、竹下さんはどう思われますか?

竹下:そうですね、SDGsをさらに深掘りしていくとジェンダーギャップに行き着くと私は思います。

例えば、世界各地で災害が起きた時に、亡くなったり危険な目に合ったり被害を受けやすいのは女性など弱い立場ではないか、という視点で検証することは非常に大事です。日本だと震災の際に避難所で生理用品がきちんと配られるかとか、お風呂がきちんと確保できているかとか、女性に対する暴力を防げる場所になっているか、とか。今までのものは男性視点で作られているのではないか、と見直すべきことはたくさんありますよね。そういう視点で考えると、多くの社会課題の根本にもジェンダーギャップがあると思います。

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やまざきさんがおっしゃっていた女性の貧困格差、更に具体的に言えばシングルマザーが一人で働かなくてはいけないとか、コロナ禍で非正規雇用の労働者から職を失ったけれども、その内訳は女性が多かっただとか、色々な問題が絡んで来るので、SDGsをさらに深掘りしていくとジェンダーギャップがあると気付けると思います。

やまざき:なるほど。私も実はミズエンジニア(Ms.Engineer)という事業を発想したことの一つに、女性は非正規雇用が多いのでコロナによる失業率も(女性の方が)高いことがあるんです。それは、日本において女性が労働人口の中に入ってどんどん共働きにならないといけない中で、企業が非正規雇用というリスクを取らない選択をしてきたことが原因で。それでコロナが起きて女性が被害を受けたということが事業のきっかけなんですね。より働きやすくて需要が増えていく職種に女性がついたら、もっと世の中が良くなるのではないかと思うんです。

竹下:おっしゃる通りです。もし理系やテック系の女性が多かったら、日本には全体的にもっとエンジニアが沢山いて、もしかしたら今頃コロナの課題を克服するようなアプリを開発していたかもしれません。他の分野の仕事も似たような課題があるのではないでしょうか。そういうことをやらなかったツケが、今どんどん出てきていますね。

やまざき:そうですよね、IT人材自体が足りないのに、どうして女性がもっとその職種を選択できるようにして企業が女性を採用しないのかという問題、いわゆる人材流動のねじれですよね。

竹下:(もっと前から取り組んでいたら)もしかしたら日本企業がZOOMを開発して、世界各地の職場を救った企業になったかもしれないんですよね。

「企業がダイバーシティを取り入れるコツは”小さなためらい”の体験」

やまざき:つまり多様性(ダイバーシティ)がある方が、いい開発ができるということですよね。ダイバーシティって、どうやって自分ごと化していけばいいんでしょうか。女性比率を増やしましょうというところから入ると、企業の中で対立構造が生まれて男性も納得しづらいし、結局個人がきちんと腹落ちしていないと、ダイバーシティって対立構造を生みやすいなと思うんです。

竹下:そうですね、上手くいっている企業はワークショップみたいなことをやっているケースもありますね。

例えば女性9割男性1割の会議を作って、そこに男性上司に入ってもらうとか、あとは男性も育児休業を取ることは一つの起爆材になると思います。

私も2008年に育児休業をとったんですが、本当に色々なことに気づきました。あまり覚えていないぐらい子育てって大変で。枕を服の中に詰めて妊娠中のお腹が大きい状態を体験しながら歩いてみるとか色々やってみて、本当に(子どもを産み育てることは)大変だなと気づきました。そういう体験を増やしていくと男性の意識も変わっていくと思います。

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あと、18時に帰るワークショップとかですね。17時とか18時に仕事を切り上げて、お迎えに遅れないように保育園に行くって本当に大変です。やったことがない上司は「やれるでしょ」と思うかもしれないですが、電車に遅れないように会社を出るあのドキドキ感、乗り遅れた時の気持ち、帰ろうとした時に同僚に話しかけられて雑談に付き合う時のちょっとモヤつく気持ち、でもこの人にはお世話になってるから何も言えないという「小さなためらい」を体感することが大切だと思うんですね。

やまざき:企業の中で、体験してもらう機会やきっかけを作って、相手の立場を理解する視点を持つということですね。

竹下:そうです。2010年代は知識の時代だったのですが2020年代は体験と実践の時代だと思います。日本ってジェンダーやばいよね(課題が多い)というのは、まだまだ日本は遅れている部分があるとはいえ、みんな少しずつ頭ではわかってきているのではないでしょうか。

やまざき:120位で(苦笑)。

竹下:そうなんですよ120位。次は体験をして、あ!こういうことだったのかとわかって、きちんとアクションをするのが2020年代。その体験の仕組みをちょこちょこ自分たちの職場でみなさんが作っていくのがポイントかなと思います。

やまざき:多様性というのは自分たちのためになるんだということを男性側も理解した上で、相手の立場や視点に立って共存していこうよと考えることで、より自分ごと化できるということですね。

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竹下::本当にこれはビジネスにも役立っていて、今は色々なビッグデータによって顧客データを手に入れるようになりましたよね。データの時代って2010年代は言われていた記憶があります。一方で、リアルな消費者と会わなくなっちゃったら、本末転倒ですよね。100万件のビッグデータを分析すると主観も排除できて科学的なんですが、時にはそれよりも一人のお客さんと主観的に話した方がわかることもある。自分たちの商品を使っている人でこういう立場の人もいるんだってことが体験によってわかると思います。それによって、じゃあ次は商品を作るときに変えてみようとか、営業する時に違う気持ちでやろうとか、あるいは人事や総務などのコーポレート系の人もここの仕組みを変えてみようとかって自分ごと化しやすくなると思います。

「ジェンダーギャップ解消に向き合うtips”Slackテスト”」

やまざき:そうですね。はい。次は私が特に伺いたいことなんですが、ジェンダーギャップを解消しようという議論って、男女の分断の話になりやすいんですよね。ただ、ジェンダーギャップを解消したい男性って竹下さんもそうですし、実は沢山いると思っていて、わたしは全員味方にしよう!ぐらいに思っているのですが(笑)。

ーーージェンダーギャップを考える時どうやって男性の共感を得ていったらいいでしょうか。

竹下:私は、女性が努力するよりもまずは男性が必死になって何かやればいいと思うんですね。今まで(性別においては)散々下駄履いて生きてきたわけですから。

とは言え、一つはビジネス的に話すことですね。わたしの本来のスタンスは、役に立つとか儲かるとかではなく、基本的な人権の問題として、平等にしたほうがいいと思いますが、それでも男性が納得しないのであれば、他社でこんなことしていますよ、などの色々な事例やケーススタディを身につけていくことだと思います。2010年が知識の時代だったので、そろそろみんな色々なことを実戦し始めているので、セミナーに参加したり社内勉強会を開いて実践的に話していけば男性も変わっていくのではないかと思います。

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やまざき:おっしゃる通り対話ってすごく大事ですよね。女性だけのチームでジェンダーギャップを考えるとか、男性だけで対立を語るのは良くないと思っていて、ジェンダーギャップを解消するチームはダイバーシティを持っているべきだと思うんです。なので、男性に対して、より働きかけをしていくとか、この人はジェンダーギャップに理解がありそうだなという人を小さなコミュニティーから取り込んでいくのがいいのかなと思っています。

竹下:そうですね、でも、誰を仲間にしたら良いか分からないことも多いですよね。それを解決する良い方法として、Slackを利用する方法があります。Slackを使っている方は多いと思うのですが、例えばこの前、メルカリの山田進太郎さんが理工学系の女性を増やすために財団を作られました。そういうニュースの記事をSlackに投稿してみると良いと思います。それに対してスタンプつけた人を仲間にしていく。いわば、狙い撃ちです(笑)。コメントをくれた人はさらに狙い撃ちです(笑)。それに被せて別の記事を出してきて会話が始まったりしたらもう、同志ですね。Slackテスト。

やまざき:Slackテスト(笑)!めちゃ具体的ですね。じゃあ今日山田進太郎さんの記事を皆さんシェアして仲間を探しましょうか(笑)。

竹下:そういうふうにメディアを利用するのは一つの手だと思いますね。2010年代は情報摂取する手段がメディアだったんですが、これからはメディアを使って、人がつながる、誰かがそこに反応するという流れが出来てほしいなと、まさにメディア側の人間としても思います。

やまざき:本当にそうですね、私も情報発信していたら竹下さんがいいねしてくださって今日が実現したのでということは、女性側も自分たちの立場を発信するのとても大事ですね。

竹下:SDGsとかD&Iという新しい言葉ができるメリットは、発信しやすくなることなんですよね。意外とこの人詳しいんだとか、こういう思いを持っているんだという検知器になるんですよね。なのでメディアをどんどん使って欲しいですね。

「海外のスーパーの店員さんはごきげん」

やまざき:はい、ありがとうございます。では最後のテーマになってしまうんですが、社会問題ってとっつきにくいし、頭が良い人しか話したらいけないんじゃないかというのを私もこーじくんも感じていてそれを変えたくて、今回日曜の朝だったらごきげんに扱えるんじゃないかと朝渋D&Iを始めたんですね。これは、どうやったらさらに良く変えていけるかなと。

竹下さんの著書『SDGsがひらくビジネス新時代 (ちくま新書)』の中ですごく印象的だったのが、グラミン銀行の創設者のムハマド・ユヌスさんが社会問題につながるビジネスに関わった人は癖になるとおっしゃているという箇所で。これ、私めちゃめちゃわかるんですよ。今Ms.Engineerという事業にすごく楽しく取り組めていて、共感して力を貸してくださる人もいて。

ーーーどうすればみんな社会問題をもっとごきげんに身近に感じることができると思いますか?

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竹下:私はコンビニに行くのが好きで、コンビニに行くと世の中がどう変わっているかよくわかるんです。例えばフードロスを無くすために消費期限が早いものを前に持ってきたり、お肉も環境問題として捉えることもあるのでお肉の代わりに大豆ミートが売られていたり。あとは、すっかりレジ袋はなくなりましたよね。コンビニをみていると面白くて色々なことがわかりますよね。コンビニは世論に敏感なので、データがすごい。毎日大量の人たちが何を買ってどんな生活をしているかを知っているので、コンビニをみていると社会問題に敏感になります。

やまざき:身近なところで参考になることを発見して、ごきげんに考えるということですね。

竹下:はい、あと海外へ行かれた人は気づくと思いますが、アメリカのスーパーの店員さんってすごくごきげんじゃないですか。もちろん場所によるかもしれませんが、YO!いらっしゃい!みたいな感じで(笑)。日本だと、いらっしゃいませ。何をお求めですか。という感じでマニュアル的。それも変えたいですね。

袋はいりますか?じゃなくて、マイバック持ってますか?とか、スタバが紙ストローになったら、あ、これいいですねーと会話したり。私はローソンでアルバイトをしたことがあって、マニュアル言葉が好きじゃなかったんですよ。お客様は何も話さず、お金を黙ってパッと渡す。その時に一言あったらアルバイトにしてみたらその日一日ごきげんで過ごせるじゃないですか。みんなにもっと話して欲しいですね。

セブンイレブンの幹部の方から聞いた話で、レジ袋が有料化になるとき沢山批判が来るかなと思っていたらしいんですね。ところが意外にも受け入れてくれた人もいて、ホッとした。もちろん現在も反対の方はいますが、支持してくれる人がいるっていうことは、(実際にやってみるまで)わからなかったんですよね。もっと日々コミュニケーションをとっていれば、お客さんはわかってくれるということがわかるじゃないですか。コミュニケーションによって心理的安全性がしっかり築かれていると、現場から本部に言って、本部が経営にあげてって、社会がどんどん変わっていくと思うんですよね。

やまざき:なるほど。ありがとうございます。まだまだ話尽きないのですが、そろそろお時間がなくなってきました。

【Q&A・エンディング】

5時こーじ:ありがとうございました。僕、竹下さんがおっしゃってた保育園のお迎え遅れちゃいけないドキドキ感の話、一昨日ぐらいに経験しました。保育園のお迎え1分でも遅れると怖いって本当です(笑)。

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では、最後に視聴者の皆さんからいただいた質問を考えたいと思います。まず一つ目の質問はこちら。

質問①:男女の機会公平性と能力評価の公平性について、能力評価を元に行うとうまい具合に男女の割合が公平にはならないこともありますが、どうしたら良いですか?

竹下:本当に公平だったのか改めて考えることは必要なのと、あえて違う人を入れるというのも一つの判断ですね。会社の良さは、色々な基準を会社が考えて決められること。選考方法は事前に決めて公開して、もし同じような人になったら違う人にしますよ、としておくといいかなと思います。

組織においてはトライエンドエラーをしてうまくいかなかったらまた変えてみる、を繰り返していくのが大事なんじゃないかなと思います。

5時こーじ:ありがとうございます。はい、では2つ目の質問です。

質問②:マイノリティーを対象にしたマーケットが小さいため、企業はそこになかなか投資できない問題についてはどう考えますか?

竹下:そうですね。これは、誰もがマイノリティだと考えることが大事なんですね。

お酒の話でいうとノンアルコール市場に進出するときは、お酒を飲まない人はマイノリティだと思ってた。だけど進出してみたら、私も私もという人が増えて大きなマーケットになった。酒飲みでさえお酒を飲みたくない日があるんですよね実は。企業の良さは、マイノリティをターゲットにすると隠れたマイノリティを引き出してマーケットにつなげることができる点です。

5時こーじ:確かに。そうそうこれが欲しかった!という商品ありますよね。

竹下:そうなんですよ、私もそうなんですけど大体みなさんわからないんですよ。何が欲しいか。企業が提示して、確かにこれ困ってたとか、お酒飲みたくなかったんだよ、という(潜在的な)気持ちが引き出されることもあるんですよね。

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5時こーじ:もっと質問ご紹介したいのですが、もうお時間が来てしまいました。

竹下:もっとみなさんと対話をしたかったです。沢山コメントをいただいてありがとうございました。

やまざき:そうですね。私もすごく勉強になったっていうのと、あとMs .Engineerは女性のマイノリティを変えていきたい、マジョリティになっていくことは大事だっていう思いで向き合っているので、めちゃくちゃ勇気をもらう時間でした。

それから、事前に読ませていただいた竹下さんの本が本当に面白くて、変な話ですが飛ばせることがなくて(笑)、みなさん絶対読んだ方が良いと思います。

竹下さん新刊 『SDGsがひらくビジネス新時代 (ちくま新書)』

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5時こーじ:はい、それでは最後に、まだ日曜日9時ですので、今日からアクションできることを皆さんにお伝えできればと思います。竹下さん、お願いします!

竹下:会社を変えるということは大事なんですが、経営者だけでなく、チーム、後輩、他の部署など小さいところから動かしていくことも大事です。あとは、個人で動くことも大事なんですけど、それだけだときつくなってしまうので、店員さんとお客さんの関係など消費者としての自分をまずは変えていくアクションを起こしていくといいと思います。

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この記事は、2021年10月3日(日)に実施したオンラインイベント朝渋D&I会議〜いまさら聞けないダイバーシティ#1ゲスト:PIVOTチーフSDGsエディター(執行役員)竹下隆一郎さん モデレーター:朝渋代表 5時こーじさん、Ms.Engineer代表 やまざきひとみ)の内容をもとに編集しました。 

 photo:keita sawa 記事編集:yuri yamagishi